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新卒研修は『ストーリーと場』が8割

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自己紹介と記事紹介


みなさんこんにちは

SHIFTで社内研修チームのリーダーやってます、タカハシです。
いかがお過ごしでしょうか?ブログには久しぶりの登場です。

今日は「新卒研修は『ストーリーと場』が8割」ということでお話します。
先日、ヒンシツ大学で実施した、若手育成・DXリーダー育成担当者様をお招きした以下のセミナーをアレンジしたブログとなります。

若手育成に関わっているすべての人に、少しでも参考になる話ができれば嬉しい限りです。

【参加費無料】11/21(木)若手社員育成担当者様向け 特別ご招待イベント

SESSION 01 15:10~15:40「SHIFTにおける若手育成」
登壇者:株式会社SHIFT 髙橋 朋裕

【テーマ】
■若手育成の現場課題対応について
■ノウハウを具体的事例とともにご紹介
■効果的研修プログラムの設計・推進方法を伝授

【詳細】
SHIFTでは、4年間で新卒入社者が6倍に増加するなか、研修の品質を保ちながらさまざまな課題を克服してきました。
その実績をもとに、これからの若手育成に必要なノウハウをお伝えします。
具体的な事例を交えながら、若手育成における効果的な研修プログラムの設計・推進方法をご説明します。

ヒンシツ大学 で、SHIFTのノウハウを凝縮した技術の神髄を「体系的」に教育サービスとして提供しています。

ワタシの担当したSession1では、「SHIFTにおける若手育成」と題しまして、SHIFTにおける若手育成の事例をベースにお話ししました。
副題がブログのタイトルでもある「新卒研修は『ストーリーと場』が8割」、その意味合いについても後ほど触れます。

それではさっそく本題に入りましょう。

若手育成担当者にとって、今は受難の時代!?


ワタシは若手育成担当者にとっては「受難の時代」だと感じています。特に新卒研修は大変です。
なぜ「受難の時代」かというと、新卒研修ってムズカシイ(語彙力w)

新卒研修で学ぶ内容って、出来て当たり前、出来ないことは目立つ。
なので、例えば、「今年の新卒、いいね。育ててくれてありがとう!」と言われることは少なく、「ちょっと○○足りないよね。」と言われることが多いのではないでしょうか。
これは当り前ですが、新卒たちの能力が低いから、というわけではなく、期待値の話です。
社会人の基礎だから出来て当然、出来ないと困ると思っているので、ちょっとした不足が目立つ。
(自分が新人だったころのことは、みんな忘れるみたい。。)

加えて、あまり世代や時代のせいにするわけではないですが、、、
例えばオンラインコミュニケーションが当たり前の学生生活を送ったイマドキの新卒たちに出社で研修を行う意義を伝えるのはムズカシイ(ここでも語彙力w)
他にも、多様性にハラスメント、コンプライアンスなどの問題もあり、気にしなければならないことも多数。
(20年前は、研修と言えども終わるまでやr・・、以下自粛)

また、研修設計も変わってきました。
以前は「まずは自由にやらせてみて、失敗したらやり方を教える」という方法をよくとっていましたが、今では「やり方分かっているなら最初から教えてください」という感じ。
タイパ、コスパを重視する価値観でしょうか。

こういった世代や時代の違いは、どちらが「良い悪い」の話ではなく、違いを違いと認識して受け入れることが必要です。
5000年前のピラミッドの壁画にも「今どきのワカモノは」と書かれてたとか書かれてないとか...
結局はデマとも言われてますが、いつの時代も一緒なのは間違いないと思います。

SHIFTの新卒研修のイマ


ワタシがSHIFTの新卒研修に関わり始めたのが、2020年からです。
その時からの人数でいうと、、、

と、5年で9倍近くになっています。
前年の1.5倍から2倍となることも多く、毎年まったく新しいものを作っている感覚があります。

新卒研修デザインに必要な3つのモノと5つのポイント


そんなSHIFTの新卒研修において、デザインする際に意識していることがあります。

3つのモノ

それは、

  1. コンテンツ

  2. ストーリー

の3つです。具体的には

コンテンツ
講義、教材、グループワーク、試験(検定)などなど、学ぶためのネタ、ですね。これが大事なのはある意味では当たり前です。これが無いと始まらない。

ストーリー
いくらいいコンテンツがあっても、適当に並べるだけでは効果は半減です。
どのタイミングで、どういう順番で、伏線を張ったり回収したり、など、ストーリーはめちゃくちゃ大事です。


そして、場づくり。
一人で黙々と学ぶわけではありません。
主役である新卒だって複数人いるわけですし、講師や運営、配属先の上司や先輩、新卒の先輩、などなど、多くの人が取り巻きながら研修を作っていきます。

ストーリーと場が8割

そして、重要度としてはそれぞれ三分の一ずつではなく、
ストーリーと場が8割、ってことです。(ここで登場しました、副題が)
コンテンツを生かすも殺すも、ストーリーと場
むしろ、ストーリーと場を作るためにコンテンツがある、と言ってもいいかもしれません。

5つのポイント

では、この「ストーリーと場」をデザインする上で、何が大事なのか。
SHIFTで大事にしている5つのポイントを今日は紹介しちゃいます!

それが、この5つです。

それぞれ、「ストーリー」と「場」のどちらに影響するかをマークしてます。順番に見ていきましょう。

①コンセプト 【ストーリー】

まず、コンセプトです。新卒研修におけるテーマと言ってもいいでしょう。
これを読んでいるみなさんの会社にも、企業理念や行動指針などがあると思います。

もちろんSHIFTにもあります。

※SHIFTの場合
企業理念
行動指針

これからその企業で働く新卒に対して、企業理念や行動指針を理解し、体現してらえるようになるのはもちろん大事です。
また、社会人としての第一歩を踏み出すため、「一人前の社会人として」みたいなメッセージも大事です。

でも、そういうのって伝わりにくいですよね。
何より長いし、イメージしづらい。どう意識すればいいのか、できているのかどうか、分かりにくい。

なのでSHIFTでは新卒研修のコンセプトを、例えば

  • Try it!!(23卒)

  • Full Swing!!(24卒)

といったシンプルでわかりやすいキーワードを設定しています。
これにより、行動に落とし込みやすくなります。
「Try it!!」はチャレンジ精神を促すためのキーワードで、「失敗を恐れずにまずはやってみよう(Tryしてみよう)」というメッセージを込めています。
「Full Swing!!」は、全力で取り組む姿勢を表現しており、「自分なりの全力を尽くそう」という意味合いです。

ポイントは、「トライした?」「フルスイング出来てる?」「ナイストライ!」のように、口ぐせになるような言葉であること。
日々、口に出すことですり込まれていく。そのためには、長い行動指針だけではやっぱり足りない、と考えています。
(誤解の無いように補足しますが、企業理念も行動指針も当たり前のように大事です。が、プラスアルファが必要です、という意味ですね。もちろん、SHIFTの企業理念も行動指針も言えますよ!!)

②モチベーションデザイン【ストーリー】

次は、モチベーションデザインです。
実物はここでは伏せさせてもらいますが、研修中のモチベーションの波を予測し、ある意味では意図的に設計します。

なぜそのようにするかにはいくつか理由がありますが、

  • 飽きさせない

  • 感情の起伏を生むことで記憶に残りやすくする

  • 学習へのやる気を向上させる

などですね。

やはり、淡々と日々が過ぎていくと「こなす」という意識が強くなります。
また、つらい、退屈といったネガティブな感情より、楽しい、おもしろいといったポジティブな感情と一緒の方が学習の記憶が定着しやすい、とも言われています。

参考までに、例えばSHIFTの24卒ではどうデザインしたかというと、

  1. 入社式やウェルカムパーティーでテンション高く始まり、

  2. 途中で難易度の高い研修や検定でうまく行かないことを経験し一度下がり、

  3. 最後はチームで団結して課題をクリアすることで成功体験を積み、モチベーションを上げて終わる

といった流れです。

こういったことを意識しながらコンテンツを配置し、新卒研修全体のまさに『ストーリー』を構築します。

③おまつり【場】

5つの中で一番研修に似つかわしくないキーワードが、おまつり。
分かりやすく言えば、「イベント」です。
②のモチベーションデザインとも密接に関連しますが、お勉強というか、いわゆる「インプット」だけしててもつまらない。

学んだことを「アウトプット」する場が大切です。そのアウトプットも、単に研修内での発表にとどめるだけでなく、イベントにしてしまいました。

例えば、24卒ではビジネスコンテストを開催したのですが、予選は研修内で閉じたものの、決勝戦は全社配信で行いました。
さらに、その優勝チームは社内ラジオで発表するという、社長、役員も含んだ会社全体を巻き込んだイベントです!

※SHIFTの社内ラジオについてはこちらの記事参照
コロナ禍で社内ラジオを50回やってみて、やらかしたこと学んだこと|前編

チーム単位で競うことでチームワークはもちろん、新卒全体で一つのイベントをやり切るという一体感が生まれます。
まさに地域のお祭りで、町内ごとに競いながら、地域全体がおまつりを軸に盛り上がるのと似てますね。

なお、言わずもがなですが、お祭りばかり疲れてしまうので、ほどほどに。

④ふりかえりとくりかえし【場】

4つ目は比較的一般的な話。「ふりかえり」と「くりかえし」です。

エビングハウスの忘却曲線を持ち出すまでもなく、人は忘れてしまうもの。

  • 毎日のふりかえり

  • 週次のふりかえり

  • 月次のふりかえり

を習慣化させることで、与えられたコンテンツをただこなすのではなく、自分自身で意識して学びを深めることができます。

ふりかえりのフレームワークはいくつかありますが、例えば、YWT(やったこと、分かったこと、次やること)という手法を用いて、日々の学びをふりかえり、明日/来週/来月どうするのか、を何度もくりかえし、次に活かすことを当り前にします。

これは研修後も習慣化し、半年経った今も毎日YWTを続けている人もいますし、23卒以前でも一年以上続けている人もいます。

「初めは人が習慣を作り、それから習慣が人を作る。」私の好きな言葉です。

⑤とりまく人々【ストーリー】【場】

最後に「とりまく人々」です。

SHIFTの新卒研修には非常に多くの人が関わっています。その中でも一番大きい影響を与えてくれるのが、新卒の先輩たちです。

先輩新卒たちが今年の新卒のトレーナーとして伴走し、研修内容についてのサポートや日々のふりかえりのアドバイスを行います。
時には配属先についてや仕事のやり方、生活面での相談に乗ることも多々あるようです。

これにより、先輩風をビュービューに、、、吹かせたかどうかは分かりませんが、頼られたり教えたりする経験をするわけです。
ある意味では、ここで新卒研修が完成します。
つまり、昨年自分たちが学んだことを今度はサポートする側に回る。教える中で知識が体系化されたり、現場での経験と結びつき、「あぁ、こういうことだったのか」と定着につながると考えています。

そして、今年の新卒たちにとっては、身近なロールモデルを見つける機会となります。
毎年、新卒研修の最後には「来年はかっこいい先輩として、トレーナーとして新卒研修に帰ってきてね」と言って送り出します。
で、一年後に先輩風をビュービューに、、、もとい、かっこいい先輩として今年の新卒たちの先輩としてふるまいます。
そこまで含めて新卒研修の大きなストーリー、ということですね。

まとめ:若手育成担当者にとって、今は受難の時代ではあるけれど


ここまで述べてきたことを意識しながら新卒育成を推進していますが、もちろんうまく行くことばかりではありません。
毎年改善です。

SHIFTは中途入社者の方が割合的には圧倒的に多いです。 ですが、やはり新卒がSHIFTの価値観や文化をより色濃く体現し、紡いでいく存在であってほしいと、ワタシたちは考えています。
単に知識やスキルを身につけるだけでなく、ストーリーと場で支援しながら価値観や文化を育んでいく。
そのための第一歩として新卒研修をデザインしています。

若手育成担当者にとって受難の時代であると述べてスタートしました。
その考え自体は変わらないのですが、だからこそやりがいもあります。
なにしろ、自社はもちろん、日本の未来を担うワカモノの成長に携われる、なかなか得難い仕事ですからね。

来年の春にたくさんの新卒に会えることが今から楽しみです。
(と言いながら、現時点では内定者であるみんなとすでに会っているんですけどね。)

追伸

長文お読みいただきありがとうございました。
若手育成に限りませんが、みなさんにとってなにか一つでも気づきになればうれしいです。

また、SHIFTの新卒研修興味あるな、と思われた方はぜひこちらをご覧いただけますと幸いです。
新人研修/リスキリング研修サービス:ヒンシツ大学


執筆者プロフィール:髙橋 朋裕
SIerにてSEとして、主に民間企業向けのシステム開発やパッケージソフト開発を経験した後、2019年にSHIFTに入社。 SHIFTでは、SHIFTグループ社員の人材育成を担う能力開発部門に従事している。主に社員の受入教育を担当しており、年間1000人の新卒・中途社員研修を一手に引き受けている。

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