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読むだけでPython苦手意識が克服できる!初心者向けPythonマスター講座① WindowsのPC環境構築からゆっくり始めよう編

こちらは、SHIFTグループ公式アドベントカレンダー2024【A】IT技術関連トピック Day.1 の記事です。
アドベントカレンダー2024【B】仕事術・キャリア・体験記の記事も毎日公開していますので、ぜひあわせてご覧下さい。


この記事はこのような方におすすめ


  1. IT全般に関することが苦手なシニア層の方

  2. ITの技術を身につけて職場復帰したい主婦の方

  3. 図書館などでITに関する専門書を読んだけれど、よくわからなかった学生の方

前提知識


今回はPowerShellを使ってコマンド実行するので、PowerShellを使ったことがあるとなおよいです。知らなくてもウェルカムです。

知ると知らないが大きな違いを生むのは周知の事実だけど。。


はじめまして!私は株式会社SHIFTで、主に社内教育を担当している部署に所属する、根岸紳(ねぎししん)と申します。今回はPythonについて取り上げていきたいと思います。

この記事の趣旨として、読者に寄り添ってしっかりとすぐに効果が出ることを丁寧に伝えていきたいと思っています。

そんな思いから、今回はPythonについてご説明したいと思います。

Pythonときいてこの記事を読んでいる読者の方はどう思うでしょうか?

おそらく「ニシキヘビのことですか?」とか「単語は知っているけれど実際にやったことがない」といった方が殆どなのではないでしょうか?

そういった方にきちんとPythonについて紹介し、その効果を実感していただきたい。なぜなら私自身がPythonを活用することによるメリットを感じているからです。

なぜ業務にPythonが必要なのか?


弊社SHIFTでは、様々な業務をしているのですが、データ分析もよくしています。適切なデータ分析をすることで、より質の高いPDCAをまわすことができ、質の高いPDCAをまわすことで、新たな案件の獲得や既存の顧客満足度につながってきます。

私が所属している部署は社内向けの施策が多いのですが、ただ施策を推進するだけでなく、施策を講じた後は必ずアンケートを集計し、社内の生産性や業務効率性をより上げ、満足度を高めるための改善を、データ分析の結果をもとに行っています。

そのデータ分析において、Pythonが非常に役立っているわけなんです。

巷にあるどのプログラミング言語よりPythonを学んでほしい理由


私はもともとSIerでエンジニアとして働いていました。なので業務を通じて様々なプログラミング言語を扱いました。その中でPythonは短いコードで多くのことができるので、非常に驚いた印象があります。

事実、昔はそれほど注目されていなかったPythonですが、2010年代の中盤からAIの技術が飛躍的に発達するとともに、AI技術と相性の良いPythonが採用される機会が増えています。

たとえばPythonでは、ライブラリと呼ばれる便利機能がネットからすぐにインストールできます。そのひとつにTransformerと呼ばれるAIのライブラリがあり、ChatGPTを裏側で支える技術として大きな役割を果たしています。

私は社内教育だけでなく、4月から3か月間はJavaのプログラミング言語を使った新人研修に講師として参加することもありました。

新人研修の受講生が所属する企業様の担当者と話していると「おたくにはPythonを使った新人研修はないのか?」といったご質問をいただきます。また、受講生からは「案件の配属先ではJavaではなくPythonを使うことになってしまい、Java研修で学んだ内容を活用することができない」などの声をいただきます。

市場ではPythonについて高い需要があり、Pythonを扱うことができる人材は高い評価を受けている印象があります。

実際に米国カリフォルニア州では、Pythonの技術者は若手でも平均年収のレンジの下でも1200万円ほどの収入を得ているようです。参照元記事

そんな昨今の事情から、現在の高い需要や、今後ますます需要が高まり将来も期待できるPythonをこの記事の読者の皆様に学んでもらいたいんです。

今回は環境構築をご紹介!


では、ここまでPythonの必要性やPythonを学ぶことのメリットを感じていただけたかと思うので早速お手元のWindows PCで環境構築をしていきたいと思います。

手順①Pythonをインストール


実はPython自体はMicrosoft Storeからインストール可能です。

私は下の図にあるPython 3.1.2をインストールしましたが、別のバージョンでも構いません。Python 3.x.xといったPython3系がおすすめです。

手順②Pythonがインストールできたら作業ディレクトリを作ろう!


まずどこでもいいのでフォルダを作りましょう。
私はCドライブ直下にpython-workというフォルダを作りました。

このC:\python-workのなかで仮想環境を作ります。

手順③PowerShellを立ち上げる


ここからはPowerShellを使います。PowerShellとは初めからWindowsに入っているツールでコマンドで様々な操作が実行できるツールです。

立ち上げたら

cd c:/python-work

を実行し、作業ディレクトリに移動しましょう。

ここからPythonの仮想環境を作ります。仮想環境を作ることで、たとえばPython3.1.1用やPython3.1.2用などをバージョンを分けて管理することができます。

Pythonのプロジェクトは一般的に仮想環境を作ってその上に便利機能にあたるライブラリをインストールします。

仮想環境を作ることで展開できるようになるので他の開発者も同じ環境でPythonが実行できることも仮想環境化のメリットです。

それでは仮想環境構築していきたいと思います。

以下のコマンドで仮想環境はすぐ構築できます。

python -m venv env

すると、python-workフォルダの中にenvフォルダが作成されています。

ではPythonの環境を仮想環境にスイッチしましょう。続けて以下を実行しましょう

.\env\Scripts\activate.ps1

そうすると、以下のような形に変わります。

手順④Pythonのコードがブラウザ上で実行できる!JupyterLabをインストール


Pythonのコードは少ないコード量でいろんなことができます。

つまり手軽に実行できるわけです。

手軽に実行するために、コマンドプロンプトやPowerShellでPythonのソースコードを実行するのではなくブラウザ上で実行できるJupyterLabを使いブラウザから実行できるようにします。

このJupyterLabを使用することでブラウザから実行できるようになります。

さらにノートブックというもので複数のPythonコードが実行できるようになり、ノートブックで実行したコードは保存され再利用することもできます。

インストール方法は簡単です。

pip install jupyterlab

でインストールできます。詳しい説明は省きますがpip 【インストールしたいライブラリ名】と入力することでネットから該当のライブラリをインストールすることができます。

インストールが完了したら、以下のコードで実行できます。

jupyter lab

そうするとポート8888番でサーバーが起動されます。

その時に以下の認証用URLから開くようにしましょう(初回のみ)。実行したときに出るメッセージの下の方に出てきます。

そうすると以下のようなホーム画面が出てきます!

早速赤枠のアイコンを押してPythonのノートブックを起動しましょう。

以下のコードを実行しましょう。実行するときはCTRL+Enterキーで実行できます。

print("Hello World!")

PowerShellを閉じると終了します。
次回も実行しやすいように作業フォルダの中にactivate_and_run.ps1を作りましょう。
このファイルをPowerShellから実行するだけで仮想環境上でJupyterLabが起動できるようになります。以下のコードを貼り付けてください。

# 仮想環境に切り替える
& ".\env\Scripts\Activate.ps1"

# Jupyter Labを実行する
jupyter lab

実行するときはPowerShellでC:\python-workまで移動し

activate_and_run.ps1

と入力すると実行できます。
クリックするだけで実行したい場合は、以下のファイルを同じ場所に作ってください。ファイル名はjupyter.batとしてください。このファイルをクリックするだけでJupyterLabが起動できるようになります。

@echo off
powershell -executionpolicy remotesigned -File .\activate_and_run.ps1

デスクトップにショートカットキーを作っておくとデスクトップからアイコンをクリックして実行するだけなので楽でしょう。

トラブルシュート①:再度起動したときにエラーが発生した場合


PermissionError: [Errno 13] Permission denied:というものが発生したら

jupyter --paths

でruntime:のパスを確認してそこのフォルダを削除してから実行してください。

トラブルシュート②:パス名が長すぎる場合


JupyterLabをインストールしようとすると

ERROR: Could not install packages due to an OSError: [Errno 2] No such file or directory:

というエラーが出てしまうかもしれません。参照するファイルのパスが長すぎると発生してしまうようです。その時は
こちらのブログ記事 にある以下のコマンドを実行しましょう。

New-ItemProperty -Path "HKLM:\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\FileSystem" `
-Name "LongPathsEnabled" -Value 1 -PropertyType DWORD -Force

まとめ


お疲れ様でした!

今回の記事を通じてPythonをまず始めてみたい人が始められるような環境構築の手順を説明しました。

今後はこの記事で作った環境をベースに様々なPythonを使った生産性を上げる方法、業務効率化の方法をご説明していきたいと思います。 今後もお楽しみに!

SHIFTではPythonをはじめとした様々な分野のスキルを実践的な演習を通じて身につけることができるヒンシツ大学のオープン講座を実施しております。

Pythonで学ぶAI開発入門セミナーなどございますので、ぜひご受講を検討してみてください。今後ともよろしくお願いします。


執筆者プロフィール:根岸 紳
前職は年間研修実施回数15,000回超の研修会社の社内SE。
その時に培ったIT研修特にオンラインの新人IT研修の経験などから、IT教育に興味を持つようになり2020年10月から株式会社SHIFTにジョイン。
入社後は主にIT業界未経験者として採用された若手むけの研修を担当、その他に新卒研修、社外向けの研修ヒンシツ大学の講師を担当する。趣味は温泉と読書と筋トレと水泳とカラオケ

SHIFTグループ公式アドベントカレンダー2024【A】 IT技術関連トピック Day2は「【UI/UX談義】TD開発チームが気を遣う、細かいボタン配置の大きな違い」(CATエヴァンジェリスト 石井 優)

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PHOTO:UnsplashKevin Canlas