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加速する日本の新陳代謝/変化の激しい世の中においてもぶれない経営判断のために -自社の企業価値(本源的価値)を把握することの重要性-

SHIFTのEVAC(エバック)コンサルティンググループに所属する「EVACコンサルタント」。「EVACコンサルタント コラム」では、一人ひとりの知見や経験を生かしたコラムを発信していきます。

初回のコラムはEVACコンサルタント・鈴村がお届け。
自社の経営方針を正しく判断するために重要なこととは?


■いま、上場企業の多くが抱える課題について

2023年3月、東京証券取引所(東証)から「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願いについて」が発表され、上場企業の多くで「PBR1倍割れ」が起きていること、資本収益性や成長性の観点で課題があることなどが指摘されました。

参考:株式会社東京証券取引所_資本コストや株価を意識した 経営の実現に向けた対応について2023年3月1日

また、2023年8月には、経済産業省が「企業買収における行動指針」を策定し、「同意なき買収」の議論も非常に活発になってきました。

参考:経済産業省_企業買収における行動指針 ―企業価値の向上と株主利益の確保に向けて―_2023年8月31日


■「成長<安定」から、高い経営成長を求められる環境へ

日本においては、とても急にこの議論が巻き起こった/最近声高に叫ばれるようになったテーマのように感じる方も少なくないかもしれません。しかし、実は以前からこの流れは予見できるものでした。

例えば以下の2020年1月付の、日本証券取引所グループが開示したレポートをご覧ください。

変貌する米国上場市場における マーケットの自浄作用(株式会社日本取引所グループ後藤 純一郎 2020年1月30日)

1989年から2019年に至るまでの30年で、日米の資本市場がどのように変化してきたのかが示されています。

特徴的なのは、「米国は上場企業の数がピーク(8,090社)の約半分(4,144社/約▲48%)になった一方で、時価総額の合計は約10倍(3.4兆ドル→34.2兆ドル)に成長している」のに対し、「日本は上場企業の数がこの30年で約2.2倍(1,597社→3,661社)に増えたにもかかわらず、時価総額の合計は1.3倍(4.3兆ドル→5.7兆ドル)にしか成長していない」という点です。

1社あたりの平均時価総額は、米国が約15倍(510百万ドル→7,759百万ドル)に成長したことに対し、日本はむしろ約▲42%(2,668百万円→1,548百万円)に減少しています。

これらの要因はさまざま考えられますが、一つの傾向としては、米国では「合併・買収が進んだ」(資料P14)ことや、その背景に「アクティビスト・ファンドによるキャンペーン」があったことなどが考えられます。

もともと日本は間接金融(銀行融資)の比率が米国より高く、資本市場より安いコストで資金が調達できたこともあり、長らく「成長<安定」を重視する経営スタンスが多数を占めていたと思います。しかし、米国のトレンドから少し遅れる形ではありますが、日本の会社も「資本市場の要請に応える=高い経営成長を求められる」環境になってきたことは、ある意味当然の流れとも言え、これからこの流れはさらに加速するものと考えられます。


■自社の経営方針を正しく「判断」するには

これまで述べてきたような変化が見込まれるなか、正しく自社の経営方針を「判断」するためには、とにもかくにも「現在地(今の企業価値)」を正しく把握すること、そして「どうすれば企業価値が上がるのか」の仕組みを理解することが非常に重要です。

SHIFTは、この「企業価値」を事業とIRの両輪から仕組み化し、高い経営成長を遂げてきました。

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