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楽しく幸せに働くために、他人との比較をやめてみよう!

🎄こちらは、公式アドベントカレンダー2024_B 仕事術・キャリア・やってみた系 Day.20 の記事です。
公式アドベントカレンダー2024_A IT技術関連トピック も毎日記事を公開していますので、ぜひあわせてご覧下さい。

★ひとつ前のアドベントカレンダー記事
「IT未経験新卒が半年社会人経験して感じたコミュニケーションの壁-テキストコミュニケーション編-」

~悩みやストレスから解放されて、楽しく、幸せ(Well-being)に働くための経験者のアドバイス~


はじめに


こんにちは。 SHIFTアジャイルコーチの谷川です。
私は、IT業界で35年以上働かせていただき、たくさんの現場を体験し、良い体験も、非常に苦しい体験もしてきました。

誰でも、業務遂行がうまく行かなくなったり、悩んだり、ストレスを抱えてしまうことはあると思います。これを放置してしまうと、悪い方向に行ってしまうことが多いと思いますので、悩んでしまったときに、私はこう乗り切って、とても幸せ(Well-being)に働けるようになりましたよという、一つのテクニックみたいなものをみなさんにご紹介しようと思います。

競争社会の弊害


我々ほとんどの方は義務教育を受け、受験戦争、就職戦争を経験して育っていると思いますので、競争社会の中で生きているのが当たり前のように感じていると思います。この競争社会においては、常に他人と比較され、順位付けがされ、勝者と敗者がいます。

一部の方は常に勝者となり、かなり良い思いをしている方もいると思いますが、大部分の方はどこかで敗者となっており、残念な思いをしたり、ストレスを感じることが多いです。
このストレスが限度を超えてしまうと、メンタル問題や長期休暇、離職などもつながってしまう可能性があり、これが社会問題になっています。

競争社会には良い面もありますが、悪い面もあり、上記の社会問題は、他人と比較することが当たり前の競争社会の弊害として起きていると言われています。

「働き方改革」と「働き甲斐改革」


企業成長や競争力強化に人的資本の価値向上が求められるなか、従業員の意欲や行動を引き出すため、メンタル問題や離職問題に対応するために「働き方改革」、「働き甲斐改革」に、各社が取り組みを始めています。

「働き方改革」と「働き甲斐改革」は目的が異なり、「働き方改革」は、多様な働き方など働きやすい環境をつくることが目的です。厚生労働省によれば、働き方改革は「働く方々が個々の事情に応じ、多様で柔軟な働き方を自分で選択できるようにするための改革」と定義されています。
これに対し、「働き甲斐改革」は、働き甲斐の向上が目的です。会社で働くことに意義を見出し、積極的に仕事に取り組めるようにすることを目指し、従業員がやりがいをもって働ける環境をつくるために環境や制度の改革を進めることを言います。
働き甲斐のある職場になることで従業員のモチベーションが上がり、生産性の向上につながるため、注目されています。

「働きがい改革とは?働き方改革との違いや取り組むメリットを解説」(*1)
https://media.unipos.me/what-is-job-satisfaction-reform

この 「働き方改革」と「働き甲斐改革」は、会社側が主に対策を考えるものであり、従業員としては、会社側の施策に身をゆだねることになってしまうので、早急に対策が必要な状況になってしまった場合には、期待ができないことがあります。

そのため、今回は、自分で今日からでもできる対策について紹介したいと思います。

他人との比較をやめてみよう!


他人と比較してしまうことが原因であるのであれば、その対策は簡単であり、他人との比較をやめることです。

  • 職位:あの人の方が早く昇進している

  • 給料:あの人の方が給料が高い

  • 所持品:あの人がいい腕時計している

  • 生活レベル:あの人は大きな家に住んでいる
    etc

一見、これは、「現実からの逃避では?」と思われる方がいるかも知れませんが、その考え方こそが競争社会で生きていくが当たり前であるという固定観念から来る発想なのです。この、他人との比較をやめることは、自分がそう思うだけでできるので、実は意外と簡単にできます。

自分の昇進、成長をあきらめたような気がするかも知れませんが、単に他人との比較をやめるだけなので、これにより、ストレスが激減し、モチベーションがあがり、パフォーマンスが良くなるため、他人と比較する場合より良い結果が出せることもあります。

自分がストレスなく気持ちよく働けて、結果的に、昇進や昇給、自己の成長につながるということであればこんなにうれしいことはないですよね!
実際に私も、これを実践したことで、かなりストレスから解放されて、毎日を楽しく、Well-beingに働くことができるようになりました。

私は、長い会社生活の中で、とてもたくさんの産業医面談の現場に立ち会っています。その中でも産業医の先生から、「他人との比較をやめてみましょう!」というアドバイスをされるケースが多かったことを思い出します。
みなさんも、このキーワードでネット検索していただくと、とてもたくさんの記事が出てくることに驚くと思います。
それだけ、この施策は注目されているということなのです。

他人との比較をやめることのメリット、デメリット


他人との比較をやめることについては、たくさんの情報がネット上にも出ており、 メリットがとても多く、デメリットは少ないですと紹介されていますが、自分の経験から、メリット、デメリットをあげてみます。

【メリット】

  •  本当にストレスが激減する

  •  自己肯定感が強くなるため、ポジティブ思考になる

  •  自分に向き合えるようになるため、自己承認できるようになる

  •  自分と関わる人が競争相手ではなく、仲間として捉えることができる

  •  メンタル問題やストレスで悩んでいる人を助けることができる

  •  すべての人が同じ人間であり、平等であると思え、気が楽になる

  •  自分に優しくなれる

【デメリット】

  •  自分の目標設定が甘くなりがち

  •  自分の長所、短所がわかりにくくなる

  •  他人の長所、短所がわかりにくくなる

私の長い会社生活の中で、ストレスが溜まり、メンタル問題で悩む人、体調を崩してしまう人をとてもたくさん見ており、大企業病とも言われていますが、大きな社会問題となっています。

今回紹介している手法は、この社会問題を解決できるかもしれないものなので、もっと多くの人に知ってもらいたいと思っています。

では、どうやって対応していくのか?


職場においては、チームで働くことが多いと思いますので、どのような環境であれば 他人との比較をしなくてもよい働き方がしやすいのか? について考えてみたいと思います。

ポイントは、「心理的安全性」 になると思います。
一般的に職場で感じやすい不安には以下のものがあり、これらも他人と比較することによって感じる不安です。

【職場で感じやすい5つの不安】

①無知だと思われたくない(質問をしなくなる)
②無能だと思われたくない(失敗やミスを隠しやすい)
③否定的だと思われたくない(問題を指摘しにくい)
④邪魔だと思われたくない(アイデアを提案しなくなる)
⑤上司としての威厳を保つため、弱みを見せられない

これら不安は心理的安全性が低い組織において発生しやすく、 他人との比較により、 チームメンバーが仕事を抱え込み始めたり、 チーム全体での生産性が下がったりするなど、さまざまな悪影響が生じます。

そうならないように、心理的安全性が確保されやすく、他人と比較しなくてもよく、各個人が「自信」を持つことができる5つの施策を紹介します。

①「ありがとう」を伝え合う
人は感謝されると、幸せホルモンとも呼ばれるオキシトシンが分泌されます。また「感謝した側」にも同じく分泌されることも分かっています。オキシトシンは幸福感を高めるというデータもあり、心理的安全性を高めるには有効な手段になります。
日本の企業において、この現場レベルの 「感謝・称賛の文化」 が醸成されているところはかなり少ないです。
しかし、この効果は絶大であるため、ツールなどを活用することにより、意識的に進める必要があります。

②「人に優しく、結果に厳しく」
「人」と「タスク」を区別して、人の苦労をねぎらいながら、ネガティブなフィードバックは結果にのみ伝えるというアプローチです。チームにとっても個人にとっても効果的なコミュニケーションとなります。
「例:昨日は残業してこの資料つくってくれてありがとう。ただ、この部分は再検討してくれないかな」

③人と比べることは、自分の幸せに繋がらない事を理解する
自分と他人は生まれも育ちも違い、考え方も違います。そんな両者がたまたま同じ学校や会社にいたからといって、その人と比べて上だ下だと言うのは、意味のないことです。
誰でも、これまで生きてきた中で育まれた価値観や信条があるはずです。人と比べることは、自分の幸せに繋がらないことが多く、ストレスを感じてしまう原因になることが多いことをまずは理解しましょう。
一方、昨日の自分、一年前の自分と比べることは有効ですので、それを試してみましょう。

④自分の幸せ(Well-being)を考える
「幸せになりたい」という思いは万人に理解されやすい目標です。
そして、どのようになれば幸せに感じるかということも人それぞれ違います。 自分にとっての喜び、やりがいは何かということを考えましょう。
意外と身近なところに幸せを感じれるものがあることに気付くと思います。

⑤自己肯定感を高める
「自己肯定感」とは、

  • 自分はありのままでいいんだ

  • 自分はそこにいるだけでいいんだ

  • 自分は生きているだけでいいんだ

という感覚のことを言います。感覚なので、根拠もなにもなく、ただ漠然にそう思うことが重要です。
自分の生活の中で、良かった、頑張ったというポイントを見つけて、自分を褒めてあげましょう。

アジャイル・スクラムの活用について


今時のアジャイル・スクラムは、チームでうまく働くための考え方、フレームワークとして捉えられることが増えていますので、「チームで頑張る」働き方は、今回のテーマである「他人と比較しない」というものに通じるものがあります。

上記で、他人と比較しないための5つの施策を紹介しましたが、アジャイルマインドを正しく理解して、雰囲気の良いチーム作りができていくと、心理的安全性が確保されて、自然とこの5つの施策がやりやすくなると思いますので、もっといろんな職場で正しくアジャイルが理解され、当たり前のようにアジャイルが活用されるといいなあ?と思っています。

心理的安全性とアジャイルの関係については、私も過去の技術ブログで詳細に記述しておりますので、参照していただけるとうれしいです。

私は、働き方改革、働き甲斐改革関連の活動をしていく中で、Well-beingという考え方を知り、また、アジャイル推進の立場で仕事をしたことで、アジャイルな働き方が職場の心理的安全性を確保し、他人と比較しない働き方にもつながることを学びました。
こんなアジャイルの可能性について、もっと世の中の多くの人に知ってもらいたいと思っています。

まとめ


他人と比較しない働き方、生き方はものすごく自分の心を軽くしてくれます。 この感覚をもっと多くの人に体験して欲しいと思います。

競争社会においては、人間関係で上下関係を作るのが当たり前のように感じているかも知れませんが、基本的に同じ人間であり、そこに上下の関係はなく、どんなに立派な社長や研究者であっても、我々と同じ人間なのです。 しかし、人間は通常は社会の中で生きていくので、その中で上下ではない良好な人間関係を築くことが重要になります。

世の中の人の多くが、こういう考えを持つようになってくれれば、素晴らしく住みやすい社会ができていくと思います。

アジャイルには社会問題を解決する力があると思いますので、こういう社会が実現できるように、アジャイルをもっと広めていきましょう!


◆参考文献
(*1) UNIPOS 「働きがい改革とは?働き方改革との違いや取り組むメリットを解説」 2024年4月


執筆者プロフィール:谷川 智彦(たにかわ ともひこ)
2023年5月にSHIFTに入社。 組織アジャイル教信者。真剣に「組織アジャイル」でいきいき、ワクワク、幸せ(Well-being)に働くことができ、日本を元気にすることができると思っている。

★次のアドベントカレンダーは
元シナリオライターが教える、来年から始める人生改革~日々の再発見編~

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PHOTO:UnsplashNathan Dumlao

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