ポイント解説|探索的テストのサイクルはどう回すの?
はじめに
こんにちは、SHIFT アジャイルサービス部のカル♪です。
私は、探索的テストを実施するうえで有効な手法である「ツアーリング探索的テスト」と「セッションベースド探索的テスト」合わせた方法で実施することを推奨して解説してきました。
今回は、実際にどうやって探索的テストのサイクルを回していくかについて解説します。 例は、アジャイル開発の場面を想定しています。
テストサイクル
今回は、探索的テストの運用サイクルを2日間のサイクルで進めていこうと思います もちろん1日ですることも可能ですので、その場合は時間を短縮して実施してみてください。
1日目は、テスト実施に集中して、作業をします。この時に不具合の状態や、発生手法などメモしておくとよいです。
探索的テストでは仕様通りであっても不具合として見えるケースが多々ありますが、かまわず不具合として記録していきましょう。
2日目は、前日に実施したテスト内容をまとめます。
テストリーダーやレビュワーに対して結果の説明をします。
この際に、仕様通りかどうか判断をしてもらい、適切なインシデントとして、チケットなどに起こしていきます。
チケットを作成したら、関係各所に連絡し、開発者に修正依頼をします
この作業は2日目で完了するようにしてください。
事例を以下にまとめます
進捗確認
実施状況に関しては、個別内容はチャーターシートにておこない、不具合内容に関してはインシデント管理表に集計していきます。
探索方法については、都度調査内容に合ったものに変更する
テスト結果はテスト実施数と不具合数で明記します。
(実施数/発生数)と記載します
ただし、テスト実施は1回の実施と結果(1/1) では実施不足としてNGとします。
1回目の偶発である場合も考慮し、必ず2 回以上の実施をすること(2/2)
(1/2)となった場合、不具合発生率50%として、対応について等の判断材料になるため
チャーター
チャーターはスプリントごとにフォルダを作成し管理します
例として、ファイル名は 「探索的テストチャーターシート(探索先名)(追番)」 とし、複数回実施した場合には、追番をつけます
発見した不具合内容は、別シートのテスト結果に反映し、インシデント管理表に記載します
インシデント管理表
インシデント管理表をもとに、PO、SM とチケット発行に関して確認します
開発者とも情報共有ができるようなフォーマットが好ましいです
バグチケット
バグチケットには以下を含めるようにします。
探索的テスト実施
チャーター作成
各項目の説明
チャーター名:このチャーターについて端的に名称を付ける
対象(範囲):調査対象
資源:基にする資料など
情報:探索的テストで発見する情報とは何かを記載する
目的:このテストを実施することで発見したいこととは何か
セッション時間
探索方法(ツアー): どんな調査方法で探査的テストを実施するかツアー名を記載
--- ここまでをテストを支持する側が記載し、以下は実施時に記載する---実施者:探査的テスト実施者名
探索開始時間:探査的テスト開始日時
探索終了時間:探査的テスト終了日時
テスト実施数:探査的テストを実施した項目数
不具合数:発見した不具合数
添付データ:スクショなどあれば添付する
備考:注意事項、連絡事項などを記載する
インシデント一覧へのまとめ
前探索結果から探索先を決めます【宛先:PO または SM】
スクラムデイリーで確認します(時間があれば)
時間がない場合には、デイリー後午前中に確認します
改善・バグチケットを作成する
2 日目に作成を完了すること(必須)
まとめ
ツアーの方針によってさまざまな目線から探索的テスト実施することができます。 ただし、前回書いたセッションベースド探索的テストと組み合わせて、時間を区切ってどのツアー(方針)で探索的テストを実施していくことをお勧めしています
探索的テストについては、次の通り解説しています。
それぞれ参考になればと思います
ポイント解説|探索的テストのサイクルはどう回すの? (今回)
参考資料
探索的テストの進め方 改訂版 杉浦 清博 (半田技術研究所)
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画像:SHIFT社内生成AIにて作成