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Einstein for Service:サービス返信(Service Replies)について
ごあいさつ
こんにちは。株式会社SHIFT カスタマーサクセス部 Salesforceグループの藤富です。 昨今、AI技術の進歩目覚ましく、Salesforceでも生成AIによる機能がいくつかリリースされております。 今回はServiceCloudの「サービス返信」という機能について試してみましたので、 設定方法やどういった動作なのかをご紹介できればと思います。
サービス返信とは
Einstein for Service の機能の1つです。カスタマーセンターなどでカスタマーとチャットやメールでやり取りする際、 AIで返信のドラフトを生成してくれます。 そうすることによって処理時間を早め適切な回答を実施でき、カスタマーの満足度を高めることができる、というものです。
必要な設定
▼Einstein 生成 AI を有効化
[設定] から、[クイック検索] ボックスに「Einstein 設定」と入力し、[Einstein 設定] を選択>[Einstein を有効にする] をオン
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▼Salesforce ナレッジを設定
AIによる返信内容の作成はナレッジおよびカスタマーとのチャット内容に基づくため、ナレッジ記事をいくつか用意する必要があります。 (今回ナレッジ記事の作成手順は割愛)
参考:Lightning Experience での知識ベースの構築
▼サービス AI のグラウンディングを設定
[設定] から、[クイック検索] ボックスに「サービス AI グラウンディング」と入力し、[サービス AI グラウンディング] を選択>[サービス AI グラウンディング] をオン
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▼ナレッジ、ケースからグラウンディングに使用する項目を設定
チャットサービスで返信を生成する場合はナレッジを、メールサービスで返信を生成する場合はナレッジ、ケースが使用可能
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▼(省略可能) 記事レコメンデーションを設定
記事レコメンデーションを設定することでケース、ナレッジのデータが分析され、問い合わせを解決する可能性が最も高い記事が判断されるようになるようです。今回は割愛。
▼サービス返信を設定
今回はチャットボットでの設定を実施します。
[設定] から、[クイック検索] ボックスに「Einstein 返信レコメンデーション」と入力し、[Einstein 返信レコメンデーション] を選択>[Einstein for Service: チャットのサービス返信] をオン
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▼[サービス返信ユーザー]権限を必要なユーザーへ割り当て
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▼ケースオブジェクトのページレイアウトに[Einstein 返信]コンポーネントを配置(Lightning レコードページを使用します)
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以上、Salesforceにて必要な設定でした。 Experience Cloud サイト等を利用してカスタマーが投稿した内容に対してAIが返信内容を生成します。
動作確認
生成AIがどのような返信を生成するのかを確認します。
▼カスタマー視点(まずは「こんにちは」と投稿)
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▼Salesforceユーザー視点
[サービス返信コンポーネント]にAIにより返信が自動生成されました。
そのまま投稿することも編集して投稿することもできます。
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▼カスタマー視点(次に「注文した商品はいつ配送されますか」と投稿)
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▼Salesforceユーザー視点
今度は質問に対する返信が3候補ほど生成されました。
ナレッジ記事をもとに返信を生成しているものがあるため、一番上の返信はソースがナレッジとなっています。
このようにチャットでの返信生成にはナレッジを参考にし、質問に対してより適した内容が生成されていることが確認できます。
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また、それぞれソースも表示されており、ナレッジの場合クリック/マウスオーバーすることで該当ナレッジの記事を確認することができるようです。
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まとめ
今回、サービス返信を試してみた所感
設定が簡易でそれほど手間がかからない
返信を生成する速度が早く、カスタマーへのレスポンス速度向上へ寄与しそう
チャットやメールを活用するカスタマーセンターで活用することで処理時間の短縮が見込めそう
今回デモ環境で試してみましたが返信生成速度は体感1、2秒ほどでした。
返信の生成元となるナレッジ記事の作成、メンテナンスをしっかりしておけば顧客満足度の向上にも繋がると思います。
※生成 AI が生成する内容には不正確または有害な応答が生成される可能性があるため、内容は十分に精査する必要があります。
執筆者プロフィール:藤富 裕亮
・SHIFT歴:約1年半
・最近頑張っていること:ジム通い
・最近興味があること:養蜂
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