違和感について考えてみた③「自動テストのバランスを考えながら、Quality of Workにも目を向けてみよう ~スマートホーム化を目指した私が気がついたこと~」
はじめに
こんにちは、DevOps推進部に所属するQAリードの佐藤です。外の活動では、「なそ」と名乗っています。 今日は、普段感じる違和感について考える第3弾です。
最近、私の周りではQuality of Life(QoL)という言葉をよく聞きます。 生活しやすさを考えてみようということらしいのですが、仕事にも同じことが言えるのではないかなと思って、今回は『Quality of Work』について考えてみようと思います。今回は「自動テスト」について焦点を当てて見ようと思います。
私が感じる違和感は、『自動テストはコストバランスを見ながら最小限で導入する』とチームが意思を示すところです。 (感覚的には自動テストが多いイメージ) 所属するメンバーの学習コスト等々を考えた上で取捨選択の一部というのはわかりますが、スピードを求める中で自動化や効率を上げないのかと 違和感を感じることがあります。すべてを自動化するのではなく少しずつというのは当然ありますが、自動テストを導入している方 や うまく行かないなぁと思っている方に私の最近のプライベートでやっていることに絡めながら自動テストの導入を考えていければと思います。
過去の記事はこちら
違和感について考えてみた①「このフェーズで見つけるべきバグと言う分類方法」
最近やっているのは部屋のスマートホーム化です。
部屋のスペックはオートロック付きの1K。そんなに広くもなく狭くもなくといったよくあるアパートです。
スマートホームとは
私の部屋では、スマートスピーカーを中心に様々な制御を行っています。 作業の代替を人が行うのではなく、機械にお願いする。
まさに自動テストと似ています。
スマートフォンを使って部屋の外からも操作ができたり、時間や条件によって自動起動させることもできます。その成否はスマートフォンに通知されます。たまに帰宅したらロボット掃除機が玄関で待っていてくれたりします。(エラー終了しているので、事前に通知されます)
なにをスマートにしたの? どんなことができるの?
お掃除ロボットが床掃除
照明のON OFF(赤外線を利用)
照明のOFF (スイッチ押下)
仕事場の照明のON OFF
オートロックの解錠ボタン押下
カーテンの開け閉め
鍵の開け閉め
エアコンの操作(赤外線を利用)
テレビのON OFF(Chrome TV)
使い方説明(声で操作パターン)
スマートスピーカーに声をかける
「リビングの照明をつけて」
照明がONになる
スマートスピーカーに話かける感じです。最初は恥ずかしいかもしれませんが、慣れるとなんでも話かけちゃいます。 スマートホームとは違いますが、「3分たったら教えて」は便利です。
もちろん、スマホでの操作やスイッチでの手動操作もできますので、使い方の幅が広がります。
スマートホームになってしなくなったこと
床に物を置かなくなった
照明のスイッチを押さないようになった
エアコンの消し忘れ
あーカーテン開けるのめんどくさいな、開けなくていっかという気持ち
暗いなぁ、カーテン閉めないとという気持ち
IN Key
玄関の鍵の閉め忘れ
テレビの消し忘れ
ちょっとめんどくさいなって思いながら遠くの照明を消しに行くこと
概ね満足行く結果になっています。
ただし、一回でここまで導入したわけではないです。
導入と導入時に考えたこと
スマートホームにしていくにあたって一番最初にやったのは、赤外線による家電のコントロールでした。 今の部屋の照明は、もともとついていない状態で前に使っていたものの流用でした。 そのため、片方が赤外線でのON OFFができ、片方はスイッチで対応していました。
一番の恩恵を受けたのが、エアコンのコントロールです。まだコロナ前だったので、出社していたので帰宅時に操作して快適な状態にできました。
というふうにすべてを最初から全部盛りはしてなかったです。一部分 かつ これができると生活しやすくなるかな?っていうところからはじめました。
そして、効果を実感すると他にできることが気になり、調べてみると今の困りごとを見つけるといったサイクルでスマートホーム化が進んでいきました。
それぞれの導入時のふんわりとしたストレス
お掃除ロボットが床掃除 : 床掃除を毎日できない週1回がギリギリだし、床に物が溢れていた
照明のON OFF(赤外線を利用) : 寝るときに照明を消したら真っ暗で何も見えなくてベッドにたどり着けない
照明のOFF (スイッチ押下) : 寝るときに遠くの照明を消しに行きたくない
仕事場のコンセントのON OFF : よく消し忘れる
オートロックの解錠ボタン押下 : よく鍵を持たずにアパートから出る。入れない
カーテンの開け閉め : めんどくさい。閉めたら部屋が狭く感じる。カーテンを開けない窓がある(窓の存在の否定。そこが気に入って契約したはずなのに)
鍵の開け閉め : 開けないと入れないので開けるが、閉め忘れが多い
エアコンの操作(赤外線を利用) : つけっぱなしで外に出ることが多かった
テレビのON OFF(Chrome TV) : これはテレビの機能なので、特段欲しかったわけではない
カーテンに至っては、そんなもん効果ないでしょ。という気持ちと色々やってきたから次はカーテンでしょっていう気持ちが半々でした。
実際は正解だったと思います。
部屋には2つのカーテンがあって、開け閉めをなんとなくするカーテン と 小さいので開けることすらないカーテン。 最初によく開ける方をスマートにしました。
どちらのカーテンも片開きにしています。(1つのカーテンレールの真ん中で左右に開ける(閉める)両開きではなく、一方向にカーテンを開ける(閉める)片開きを採用)
カーテンを閉めるとどうしても部屋に圧迫感を感じていて、それが何ということでしょう。毎朝7時にカーテンを開けて、18時に閉まる。
動作音も思ったよりも大きくなく、朝起きたらカーテンが開いているという状況です。(夜も時間になったら閉まる) なんとなくスッキリ目覚められる(逆に開けっ放しだと朝早くから太陽光に起こされるというストレス) 何日か体験してたら、今からカーテンを毎日開け閉めできるかと言われると無理な気がします。(そもそも開け閉めしてたかは別)
トリガーと機械の動作を組み合わせてシナリオを作成
機械の組み合わせによってシナリオを作成することができます。 When:いつ(トリガー) What:どんなアクションをするか
When:いつ(トリガー)には複数の要素があります。時間軸の『今』、とセンサーによる『今』があります。
例えば、 When:平日の7時に What:カーテンを開ける といった時間軸のシナリオをつくることができます。
ほかにも When:部屋の温度が28度になったら What:エアコンの温度を26度に設定する といったセンサーによるシナリオを作ることもできます。
外が暗くなったらカーテンを閉めて、照明をつける。 地味に楽です。
「おいしょ」 と 「どっこいしょ」 がなくなります。
単純なシナリオを作りながら、複雑なシナリオも作ることができます。 機械とWhenとWhatの組み合わせを考えながら、シナリオを作ることができます。
そうです。部屋を引っ越すときに何をしていたかわからなくなる可能性もあるんです。 スマートにしようとしたのに次の部屋ではスマートにならないなんてことも……
最後に 目的(スマートホーム)を進めるにあたって、どこに注目しているか
やってみてよかったから、次はこっちにと少しずつ金額と相談しながら進めていっています。 1つ1つの機械も安くはなく、すべて揃えようとすると個人で買うには高いです。 最初は効果がわからないけど、「ここだけでも」できると楽だよなぁから始まり、少しずつ広げています。
すべてをスマートにしようとせずに、少しずつ効果を実感しながら局所的に導入しています(対象もそうですし、2つあるカーテンの1つからスマートにする)
導入するにあたって、部屋の掃除や自分の行動を変える部分はどこかに注目する。
実は手でやったほうが早いのに、それをわざわざスマートにしようとしていないか(Aボタン押して、Bボタン押して、掃除のときに事前にこうしておいてといった複雑度を持ったスマート化)
引き際を明確にする。これがうまく行かなかったら、諦めてフリマアプリで売ろう。
たまに機械をX点以上購入すると5%OFFと割引があったりしますが、それ以上に機械がしますのでできる範囲で進めるのがよいです。(飛びついた結果、使っていない機器があったりします)
これらのポイントは自動テストを作るときにも同じことが言えます。 テストのピラミッドの割合通りかどうか や 周りの自動化率を見て、ホッとすることもあると思いますが、実は大事なのは自分たちの環境が以前よりも過ごしやすくなっているか(Quality of Life:QoLが向上しているか)が重要です。(この場合は Quality of Work:QoWかもしれません) 物事のスタートは定量的ではなく定性的なのです。そして、QoWに注目して普段の仕事ができているかを見直してみると新しい気付きを得るかもしれません。
私が感じていた違和感は『自動テストはコストバランスを見ながら最小限で導入する』は、便利かどうかの体験をせずに義務感でやらなければならぬという気持ちを感じたせいかもしれません。
もちろん、いいことばかりではありません。リモコンの代替ができますが、操作は赤外線になります。たまたま荷物で隠れてしまったりして、正しく操作が完了できなかったりと不安定なところは存在します。他にも外出中にスマホで操作するときにネットにうまくつながらず外で操作したと思っていたが実は…… や ロボット掃除機を導入したけど、床に物がいっぱいなのでロボット掃除機が身動きできない…… なんてことも。 スマートホームを目指すときには、自分自身の生活を含めて変える必要があります。その点はやってみてより実感したところです。
自分の行動のどこが変わるかのトレードオフです。夜中に自動テストが動いているけど、その環境へのリリースは月一回だとバランスが悪いです。では、1日に1回リリースができるように行動を変えることができるか? 小さく作るにはどうすればいいかを考える余力を作れるかが重要になります。 スマートホームで言えば、ロボット掃除機の導入が似ていると思います。床に物が多くてロボット掃除機が動けないとなると効果が半減。結局自分で掃除しないといけなくなりますね。床に物を置かないように自分を変えることができるかです。
「仕事をこなすことでいっぱいいっぱいでQoWを考えることができていなかった」 や 「周りが自動テストに取り組んでいるから焦って取り組んでいる」,「なんか自動テストってすごいんでしょ。全部自動テストにしよう(効果を実体験していない状態での大きな施策)」といった要素はないかとチームで話をしてみるのも良いと思います。実は自動テストだけがQoWをあげる施策ではないことに気がつくでしょう。
小さな取り組みの中で見つけたことが 少しずつ自分たちのQoWに貢献していくと、自然と取り組みができており、QoWに効果が出ているものです(それを上長に説明できるかは別です。あくまでもチームの納得度はある状態です)
小さな取り組みから自分たちのQoWを上げてみませんか?
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