【プロジェクトマネージャ試験】一発合格までの道のり
1.はじめに
こんにちは、株式会社SHIFT(所属:コンサルティング部)の川﨑です。 私はSI企業でSEとして7年ほど勤務し、現在は株式会社SHIFTでPMO業務をしています。
今まで場当たり的なPL、PMになりがちだったため、試験を通じて基礎的なPM知識を得たいと思い、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が運営している『プロジェクトマネージャ試験』を受験しました。
結果として、令和6年度秋期の試験を受験し、一発合格することができました!
そこで、プロジェクトマネージャ試験のために行った勉強方法や試験当日の状況について共有しようと思います。
私は勉強が苦手で、プロジェクトマネージャ試験は勉強を始めるハードルが高い!と思ったので、とにかくハードルを低くして手をつけていく方法にしました。
初めてプロジェクトマネージャ試験に挑戦する方、合格に向けて頑張っている方にとって、参考になれば嬉しいです!
2. 学習期間
私がプロジェクトマネージャ試験の勉強を始めたのは7月中旬からで、試験日が10月中旬だったため、約3カ月が学習期間です。
ただし、勉強していない期間もあったので、実際は3カ月もできていません。 というより、長く集中して勉強を続けられない性分なので、しっかり机に向かったのは2カ月間程度です。
システム開発のプロジェクトマネジメント経験があったため、2カ月で合格できましたが、初学者の方はもっと早くから勉強を始める必要があると思います。
3.勉強方法
①合格体験記を読んで勉強計画を立てる
②みよちゃん本を軽量化して読み込む
③午前Ⅱの対策をする
④午後Ⅱの対策をする
⑤午後Ⅰの対策をする
以上がおおまかな勉強方法です。
内容や時期について詳しく解説します。
※応用情報技術者試験に合格して午前Ⅰは免除となったため、この記事では記載していません。
①合格体験記を読んで勉強計画を立てる
まず、何から勉強を始めるべきか、どの参考書を選ぶべきかがわからないため、Webで合格体験記や勉強方法を調べ、参考書や勉強計画を検討しました。
私の場合、以下のようになりました。
【参考書】情報処理教科書 プロジェクトマネージャ (通称:みよちゃん本)
【過去問】プロジェクトマネージャ試験ドットコム
【勉強計画】
8月中に午後ⅡのテンプレをPCで作成、9月には時間内に書けるようにしておく
9月は午後Ⅰの対策
10月は腕試しで過去問(午前Ⅱ)3年分解く、午後Ⅱの最終チェック
午前Ⅰの過去問をやって最終的に8割取れるようにする
※この計画は8月段階で大幅に変更することになります!
試験の傾向はコロナ禍前後で変わっているので、合格体験記は令和2年以降のものがよいです。
午後Ⅰの詳しい解答方法や午後Ⅱの合格論文を載せているWebサイトもあるので、つまづいたときに読み返せるようにしておきます。
また、午後Ⅱは令和4年から新傾向が出てきているので、参考書のみよちゃん本は最新のものを購入しましょう。
②みよちゃん本を軽量化して読み込む
みよちゃん本を入手したら、その分厚さに勉強のやる気をなくしてしまうので、断裁して軽量化します。
本を開いて背表紙に折り目をつける → 背表紙側からカッターを入れて切り分ける → 背表紙に可愛いテープを貼る という方法でやりました。
可愛いテープを貼るだけで勉強へのハードルが少し下がりますね。
1章、2章、3章~4章で切り分けると、厚みがちょうどよく持ち運んで勉強できるようになるので、通勤時間などを使って読み込みます。
読み込みについては、プロジェクトマネージャの知識量によって変わります。
私の場合、1章は午前Ⅱ/午後Ⅰの過去問をやる中で弱点だと思った分野を読むくらいで、全ては読んでいません。
2章は午後Ⅰの解き方について載っているので、とりあえず読みます。過去問はあとで解きます。
3章は午後Ⅱの論文の組み立て方、テーマごとのネタの考え方、過去問、論文サンプルとその解説などがあります。実際に論文のネタを考えたり、論文を書き始めたりしないと、過去問を見ても頭に入らないので、とりあえず過去問以外を読みます。
4章は午前Ⅱ対策ですが、後述の過去問道場をやっていたので、特に読んでいません。さらに軽量化したい方は、この章は切り離してよいと思います。
③午前Ⅱの対策をする
午前Ⅱはマークシート方式で、全25問中10問程度は過去問が出題されます。
そのため、ひたすらプロジェクトマネージャ試験ドットコムで過去問を解きます。 必要に応じてみよちゃん本で知識を補完していきます。
私は通勤時間や午後Ⅰ/Ⅱのやる気が出ないときに解いて、10月頭に正解率8割を超えることを目標に反復練習しました。
ある程度問題を覚えてきたら、過去問道場で正解率を確認しながら勉強します。 覚えゲーと思って、気楽に、根気よくやりました。
ただ、この勉強方法で、試験結果は25問中15問正解というギリッギリの合格でした。 過去問を覚えたと思っていても忘れていたり、計算問題で間違えたりするので、過去問は苦手範囲を作らずにやりこんで覚えたほうがよいです。
新規の問題も出てくるので、解説で正解以外の用語を覚えたり、みよちゃん本やPMBOKなどで幅広く知識を身に着けておくと安心です。
④午後Ⅱの対策をする
次に、実際に過去問で論文を書いてみます。みよちゃん本では「2時間で書く推奨問題」が指定されているので、それをやってみます。
手書きは疲れるのでPCを使ってテキストエディタで…問題文から章立てを起こして…実際の体験を骨子として作成して…無理!全然書けない!
実務経験の少ない方はもちろん、実務経験があっても問題のシチュエーションに合致するような経験無いよ!という方がほとんどだと思います。 そのため、問題に合うようにプロジェクトを創作することになります。
プロジェクトを創作するためにやったことは2つあります。
1.合格論文を写経して書いた気になる
やる気を失う前にとりあえず合格論文を写経します。 みよちゃん本掲載のものでも、Webで見つけたものでもいいので、好きな論文をテキストエディタに書き起こしてみます。
写経するだけで、全体の流れや問題に対する答え方、PM知識を入れるポイント、論文を書くのにかかる時間などが掴めます。
2.午後Ⅰを解いてネタを集める
論文のなんとなくの書き方はわかったけど問題に合ったシチュエーションが出てこない!という状態なので、午後Ⅰの過去問を解きながらシチュエーションのネタを集めます。
みよちゃん本には、午後Ⅱの過去問のテーマごとに参考となる午後Ⅰ問題を掲載しているので、自分の見識が無いテーマは午後Ⅰを解きつつ、午後Ⅱの論文ネタとして取り込みます。
上記の1と2をやると、「問題に対してどんなプロジェクトにしたらいいか」「どんな問題が起きたらいいか」「どんなマネジメントをすべきか」など想像できるようになるので、ここまで来たら実際にテキストエディタで論文を書いてみます。
時間がかかってもいいので、プロジェクトの特徴が各設問に関係するように論文を書いて、みよちゃん本の解説から外れて無いかをチェックします。
この作業をテーマごとの「2時間で書く推奨問題」でやっていきます。
私の場合は、最終的に6つの論文を作成して、何も見ずに同じ論文を書き起こすのを繰り返し、絶対に書くべきポイントや論文の流れを覚えました。
また、幅広く対応できるよう、飛ばしていた4章の過去問の読み込みをして、「こう問われたらどんなネタが使えるか?」を考えておきました。
実際に論文を手書きし始めたのは10月に入ってからです。 試験当日は未知の問題からプロジェクトを創作したり、プロジェクトの概要シートを記入する必要があるため、覚えた論文を1時間半で書ききれるようにしました。
⑤午後Ⅰの対策をする
最後に午後Ⅰの対策を行います。 基本的には、みよちゃん本の解き方を過去問で実践し、解説を読んで問題の解き方や知識を改善していく形になります。
一番重要だと思ったのは、みよちゃん本のテクニックにある 「読み飛ばし」 です。
そんなことしたら解答に使う文章を読み飛ばしちゃうのでは?と最初は思ったのですが、過去問をやっていくうちに、「こういう問題の場合、どこにヒントがあるか」というセオリーを覚えていき、読み飛ばし可能であることがわかりました。また、時間内に解き終えるためには読み飛ばしが必須だと感じました。
みよちゃん本の3章の問題を一通りやってみて点数が低かった場合は、読み飛ばしなどのテクニックを使ってWeb掲載分の過去問をやります。
午後Ⅰは問題文にマークしながら解答を手書きする経験をした方がよいので、Web掲載分を4年分印刷して取り組みました。
また、解説を読みながら 「このワード使えるかも」「文字の丸め方が参考になりそう」「こういう問題文は後の章も見なきゃ」など気づいた点はメモして、試験前に見返せるようにしました。
気づいた点は、みよちゃん本の特典チェックシートの裏にまとめていました。
勉強の結果として、試験10日前には2問連続で80分以内、正答率は5割程度になりました。
ただし、午後Ⅰは採点基準が曖昧なので、正答率の5割は目安程度と考え、解説と照らし合わせながら解答に至るプロセスがあっているか、抜き出す文章はあっていたか、使う知識はあっていたかを重視しました。
なお、午後Ⅰには問題が3つあり、そのうち2つを選択しますが、私は問1と問2を解くと決めています。 感覚的にですが、問3は問題文の抜粋ではなく知識のみで解答するものが多く、そもそもの知識が無いと解けない問題の確率が高いと感じたからです。
試験当日は問1~問3の問題文を全て読んでいると時間が足りないので、あらかじめ解く問題を決めておくか、選定基準を決めておくべきだと思います。 解答欄がより多い問題を選ぶ、問題文がより短い問題を選ぶ、苦手なテーマの問題は選ばないなど、数秒で判断できる選定基準を自分なりに作っておくとよいです。
そのためには、何問も解いて自分の不得手や問題の傾向を知っておく必要があるので、もう勉強する時間が無い!という方は問1と問2で覚悟を決めちゃいましょう。
ここまで読むとわかる通り、当初の勉強計画とはスケジュールが大幅にズレました。
思ったよりも午後Ⅱの論文ネタが思いつかなかったこと、午後Ⅰの点数が伸び悩んだことが原因です。
上記で記載した勉強方法は紆余曲折を省いて最適化していますが、実際は勉強方法を確立できたのが9月からだったので、ギリッギリなスケジュールでした。
そのため、私は計画を段階的に見直すことにして、 2週間ごとに目標に対する進捗の確認&再計画 と 勉強内容の見直しをしました。 特に、早くから勉強を始める方は、中だるみしないよう定期的に計画の見直しをすることをおすすめします。
4.試験当日
ここからは、試験当日の様子を共有します。 試験は以下のスケジュールで行われました。
午前Ⅰ免除の人は10時30分までに着席する必要がありました。
私の場合、試験室が午前Ⅰ免除の人しかいなかったので、10時10分の時点で入室可能でした。 午前Ⅰの試験終了まで入室できない場合もあるので、適度な時間で行くとよいです。
また、会場によっては時計が無いので、卓上時計は必須です。 教室に時計があっても席によって見えにくかったり、顔を上げて時計を見る時間がもったいなかったりするので、あらかじめ用意しておきましょう。
午前Ⅱ
つつがなく終了。昼休憩はチョコスティックパンとおにぎりを食べて、軽く会場を散歩してリフレッシュしてから、午後Ⅰの気づいた点のメモを読み返しました。
午後Ⅰ
予定通り問1、問2を選択し、時間内に解答欄を埋めることができました。 不安な点はありましたが、過ぎたことは忘れて、チョコスティックパンを食べながら午後Ⅱの論文ネタを見返しました。
午後Ⅱ
2問の問題文を見て、用意していたネタを使えそうだった問1を選びました。
みよちゃん本の論文のポイントを思い出し、章立てと創作したプロジェクトの内容をメモ欄に書き起こしてから、論文を書き始めました。 規定文字数までなんとか書き終え、プロジェクトの概要シートを記載し、読み直しをしていたら全部読み切れないうちに終了時間となりました。
ちなみに、論文を書くときのシャーペンは練習時からクルトガを使っていました。 午後Ⅱは長丁場で腕も痛くなるので、手が疲れにくく線が太らないシャーペンを見つけておくとよいと思います。
5.さいごに
以上が、プロジェクトマネージャ試験に一発合格するまでの道のりでした。
試験終了時の私は「論文をちゃんと書けた!」という達成感、そして勉強からの解放感でいっぱいでした。 しかし、勉強方法や当日のことを振り返っているうちに、もっとこうしていれば…という点もあったので、記載している勉強方法には私が重要だと思ったことを盛り込んでいます。
長くなってしまいましたが、参考になれば嬉しいです。合格に向けて頑張ってください!
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