「最近、何も上手くいかない」と相談されたら?相手を支える4つのアプローチ
はじめに
こんにちは!株式会社SHIFT(以下SHIFT)の能力開発部で、コミュニケーション&リーダーシップ教育を担当している岡田洋輔(ようさん)です。
「最近、何も上手くいかなくて・・・」
つい先日、娘を連れてカフェに行ったとき、隣の席に座っていた男性2人組がそのような話をしていました。
会話の一方が「最近、本当に何も上手くいかなくてさあ・・・」と、そのトーンには焦りや無力感が混ざっているように聞こえました。
それに対して、もう一方の男性は、何とか彼を励まそうとしていたのか「そんなことないよ!頑張ってるじゃん」的なことを言っていましたが、どこか上手くいっていないように感じました。
(職業柄、このような会話には興味を持ってしまうのですが、盗み聞きは失礼なのでここら辺で終わりにしました。)
このような相談をされたことはありませんか?
このような時、どう対応すればいいのでしょうか?
ただ「頑張って」と励ますだけでは足りないと感じたことはありませんか?
今回は、多くの人が見落としてしまいがちな“相談されたときに活用したい4つのアプローチ”を一緒に見ていきたいと思います。
相談されたときに活用したい4つのアプローチ
1.共感することが大切
まず、相手の気持ちを軽く受け流さないことが大切。「頑張ってるじゃん」という言葉も一見ポジティブですが、相手の気持ちを十分に理解せずに寄り添えていないと、その言葉は逆に「自分の感情が軽視されている」と感じさせてしまうこともあります。
このような時、相手を励ましたい気持ちを持つことは自然なことですが、その前に相手が求めていることがあります。それは、「自分の気持ちを理解してほしい」ということです。なので、まずは共感の姿勢を見せることが大切になります。
たとえば、「そうなんだ、大変だよね。何が特にうまくいっていないと感じるの?」と、相手の気持ちに寄り添い、話を深めるための質問をしてみてはどうでしょうか?
共感を示すと、相手は「自分の気持ちを理解してもらえた」と感じ、心を開いて話をしやすくなります。
2.解決策を急がない
次に気をつけたいのは、解決策を急がないことです。私たちはつい、相手の問題に対してすぐにアドバイスをしがちですが、これも時には逆効果となってしまいます。
多くの人は、自分の気持ちや悩みを整理するために誰かに話を聞いてほしいと思っています。なので、相手が話をすることで、心の中に抱えていたものを少しずつ整理できるように手助けしてあげることが大切になります。
たとえば、次のような質問をしてみてはどうでしょう。
「何がうまくいかないと感じるのか、少しずつ話してみてくれる?」
「どんな部分で特にストレスを感じているの?」
こうした質問をすることで、相手が自分の問題を言語化しやすいように手助けをしてみるのも良いかもしれません。 問題が具体化されると、自然と次にどのように行動すべきかが見えてくるはずですからね。
3.質問を使って相手の思考を整理する
相手が抱えている「うまくいかない」という漠然とした感情を整理するためには、適切な質問を使うことが有効です。これにより、相手は自分自身で解決の糸口を見つけやすくなります。
たとえば、次のような質問をしてみてはどうでしょう。
「具体的にどの部分がうまくいかないと感じているの?」
「それが始まったのはいつからなの?」
「これまでにどんなことを試してみたの?」
これらの質問は、相手が悩みを整理しやすくし、漠然とした不安を具体的な問題に分解する手助けをしてくれます。問題が明確になると、解決策も見つけやすくなります。
さらに、質問を通じて相手の思考を整理することで、相手は「自分で解決できる力がある」と感じられるようになります。これは、相手の自己肯定感を高め、前向きな行動を促す強力なサポートにもなります。
4.「一緒に考える」という姿勢を持つ
最後に、「一緒に考えていく」という姿勢を持つことは、相手にとって非常に心強いサポートとなります。
相手が何か悩んでいるとき、すべての答えを与える必要はありません。むしろ、相手自身が答えを見つけられるように、伴走者として寄り添うことが長期的に良好な関係性を保ち、かつ相手の役に立つ上で大切になることが多いです。
たとえば、次のような質問をしてみてはどうでしょう。
「どうしたら解決できそうだろうね」
「それをどう解決できるか、一緒に考えてみようよ」
このような言葉をかけながら、相手に寄り添ってみると良いかもしれないですね。相手が解決の糸口を見つけるための伴走者となることで、相手も「相談できる人がいる」と安心して前に進むことができるようになるはずです。
おわりに
今後、「最近、何も上手くいかなくて…」という相談を受けたとき、まずは相手の気持ちに共感し、焦らずに話を聞いてみるといいかもしれませんね。
そして、質問を使って少しずつ問題を具体化し、解決に向けた一歩を一緒に考えてみることをオススメします。
相手が自分の力で答えを見つけるためのサポートをすることで、あなたは相手にとって心強い支えとなり、相手の「うまくいかない」という感情が少しずつ変わっていくのを感じられ、あなたのできるサポートの幅が広がるはずです。
次に誰かが「何も上手くいかなくて」と相談してきたとき、ぜひこのアプローチを試してみてはいかがでしょうか。
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