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会って2日でお客様に信頼される仕事術を見た

はじめに

SHIFTの三谷です。

11月から、新しいお客様先に入って仕事をしています。新しい環境にはワクワクしますが、お客様からの信頼を築き上げるまでが大変ですよね。私も「よーし、信頼されるようにコツコツ頑張っていくぞ」なんて考えていたんです。

しかし、そんな私にとって衝撃の出来事が起きました。
入って2日目にして、もうお客様から信頼を得てしまったのです。
(自分で言うのもなんですが、いったん語らせてください!笑)

一体何があったのか。
今回は、短期間でお客様の信頼を得るまでの一部始終を記事にしました。

私はIT業界でアジャイルに特化した部署に在籍していますが、今回の記事は、業界や職種に関係なく活かせる内容となっています。
ぜひ色々な方に読んでいただけたら嬉しいです。

参画前日|めちゃくちゃ踏み込む

今回のお客様先には、私とSさん(私と同じくSHIFT在籍)がアサインされることになっていた。この日は参画前日にもかかわらず、我々の手元には、今後の仕事に関する情報がたったの2つしかなかった。

  • 「PdM(プロダクトマネジメント)の支援をしてほしい」とお客様から依頼されて参画しているということ

  • 明日10時半からお客様とのキックオフミーティングがオンラインで行われるということ

これだけ。

情報があまりにも少なすぎて、明日から何の仕事をしたらいいのか分からない。とりあえず明日のキックオフミーティングで、仕事をするのに必要な情報を聞き出すために、お客様に確認したいことのリストを作成することにした。

「聞きたいことは、扱っている商品の概要と、出退勤時刻と、勤務場所と・・・」

S「今回の仕事はPdM支援だよね。そういう観点から洗い出せる質問事項はない?」

「あー今出そうとし・・・」

S「例えばこんな感じ」

「・・・!?!?!?」

Sさんが例として出した質問は、私が考えていたよりもずっと量が多く、踏み込んだ内容だった。

今回、スクラムで開発が始まっているにもかかわらず、外部支援を要請した背景は何か?
まず先にどこから改善したいと考えているか?
新規か?改善か?
プロダクトのビジョンやコンセプトは何か?
プロダクトが実現するアウトカムやインパクトは何を想定しているのか?
MVPは設定したか?設定しているなら何か?
ユーザーストーリーは作成したか?現状のプロダクトバックログはどこまで精査できているか?
リリースプランニングは実施できているか?
プロダクトバックログの優先順位基準は決めているか?
優先順位基準の妥当性確認および上位層への合意はとっているか?
プロダクトバックログは優先順位基準を元に並び替えが完了しているか?
POが定義した課題/真の困りごとを抱えている顧客はすでに見つけているか?対話できているか?
PoCを含む仮説検証で、課題に対する検証は十分に実施済みなのか?
仮説検証結果はどこまで内容を精査できているのか?
プロダクトの成長戦略は描けているか?
どのぐらいのスピード感でどこまで成長させることを想定しているか?
企画・開発・保守運用・マーケティング営業・関係者への教育・本番リリースのための各種プロセスすべてを含むマスタスケジュールは作成できているか?それぞれのロールのそれぞれの期間は無理のない日数になっていることを各ロールに確認しおわっているのか?
各ロールをまたがったマイルストーンの前後関係などに矛盾はないことの確認はできているか?

お、多い・・・。初日のキックオフでここまで聞く?とこの時は思っていたが、これが重要だったことを後に理解することになる。

PdM支援初日|めちゃくちゃ考える

確認事項リストを持って、キックオフに臨んだ。
てんこもりの質問だったが、お客様は答えらえる範囲で答えてくれたので、私はその場で回答をメモしていった。
そしてキックオフ終了直後、Sさんと作戦会議を行うことになった。

S「たくさん情報が手に入ったから、今後どういう仕事をすれば良いかも考えられそうだね。何か思いつくものはある?」

「あ、メモを取るので手一杯だったので、今から考え・・・」

S「お客様は、レビューが上手く回っていないことに課題を感じていたね。何のレビューを誰がやるのか、ちゃんと整理しよう。」
「プロダクトのアウトカムはこれだってお客様は説明してくれたけど、これだと物足りない。設定し直そう。となると、他社がどんなアウトカムを想定しているかも知っておくべきだな。市場調査をしてみようか。」
「他にもあれとこれとそれと・・・」

「ワッ・・・ワッ・・・!」

キックオフ中に私は、「後で考える時に必要な情報だから」と考え、メモを取っていた。しかしその間に、Sさんはたっぷりメモも取るし、お客様が感じている課題に対してどういった解決策を打つかまで考えていた。さらには、前日に用意した数々の質問事項を駆使して、お客様自身が気づいていない課題さえも見つけ出していた。

S「やることいっぱいあるなぁ。一気に言っちゃったけど大丈夫?」

「ハイ・・・(この時もメモを取るので精一杯だった)」

S「じゃ、これを行動計画書に書き起こして、今日中にお客様に送ろう!」

「今日中ゥ!!!」

そこから私は必死に計画書を作成した。Sさんの言っていた「やること」を並べてみたら、1ヶ月先まで埋まった。つい半日前まで、私たちがこの案件でやるべきことが何一つ分からなかったのに、あっという間に1ヶ月分の仕事ができてしまった。

計画書はなんとか送付した。

PdM支援2日目|めちゃくちゃ信頼される

昨日作った計画書の内容をお客様に承認してもらうべく、参画2日目にもミーティングを設定した。私から、各タスクの目的と完了時期を話していくと、お客様は異を唱えることもなく、最後まで「はい、はい」と聞いていた。

そしてミーティングの最後に、お客様はひとことだけ言った。
「これから先、我々のことをしっかり支援してくれそうだと感じました。肩の荷が下りました。」と。

お客様と初めて顔を合わせてから2日。
私たちは早々に「しっかりやってくれそうだ」という評価を得た。

学んだこと

「お客様から早々に信頼される」という観点から見て、この一連の流れの中で最も重要なポイントは何だったか。それは、いち早く計画書をお客様に提示することで、「どのような支援を、どれくらいの速度でしてくれるのだろうか?」という、お客様の不安を解消したことです。

・どこにどんな課題があるのか(お客様が気づいていない課題も含めて)
・それに対してどんな行動をとるのか
・その課題をいつまでに解決する計画なのか

を明確にしたことにより、お客様を安心させ、信頼を得ることができました。

しかし、これを実現するためには、色々な能力が必要です。

お客様が感じている課題を聞き出すだけでなく、お客様自身が気づいていない課題も見つけるために、色々な角度から質問を投げかけて、現状を把握する力。
いち早く計画を立てるために、課題を聞き出しているうちから解決策まで考えを巡らせる力。
見つかった課題に優先順位をつけ、解決策の重みを見積もり、計画を立てる力。

逆に言えば、これらの能力を身に着けることに注力すれば、「お客様から早々に信頼される人」に最短距離で到達できるでしょう。

ということで、お客様からの信頼を手探りで得ていくやり方は卒業します!


★★★\クリスマスまで毎日公開!明日はどんな記事?!/★★★


執筆者プロフィール:三谷 瞳
スクラムマスター目指して日々奮闘中。
でも「なんでもやります精神」なので、PdM支援もQAもやる。

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