こんにちは。SHIFTでインフラコンサルタントをしているUENOです。

今回は、ファイルサーバ(Windows Server)のデータをAzure Filesへデータ同期するため「Azure Files Sync」の検証を行いましたので、検証内容、結果を掲載させていただきます。

概要

Azure Filesとは

Azure Filesは、Azureが提供するストレージサービス(ファイル共有)です。マネージドサービスとなるため、オンプレミスファイルサーバのような基盤、OSレイヤーでの運用が不要です。また、Azure Filesのファイル共有を従来通り、OS上からマウントすることが可能です。

Microsoft公開：Azure Filesの概要

Azure Files Syncとは

Azure Files Syncは、オンプレミスファイルサーバとAzure Files間でデータ同期させるサービスです。 オンプレミスのファイルサーバーとAzure Filesを統合することで、データの管理、バックアップ、アクセスを効率化する強力なツールです。これにより、クラウドの利点を活用しつつ、既存のインフラストラクチャを最大限に活用することができます。

Microsoft公開：Azure Files Syncの概要

Azure Files Sync導入の流れ

①Azure Filesの作成: AzureポータルでAzure Filesのストレージアカウントを作成します。

②Azure Files Syncエージェントのインストール: オンプレミスのファイルサーバーにAzure Files Syncエージェントをインストールします。

③Syncグループの作成: AzureポータルでSyncグループを作成し、オンプレミスのサーバーとAzure Filesを関連付けます。

④フォルダーの登録: 同期したいフォルダーを登録し、同期を開始します。

ネットワーク要件

Azure Files と Azure File Sync を設定して、オンプレミスの Windows ファイル サーバーと共に使用する場合、インターネット接続以外に Azureへの特別なネットワークは必要ありません。

データ転送に標準の HTTPS が使用されるため、ポート 443 のアウトバウンド アクセスを可能にする必要があります。 Azure File Sync では、オンプレミスの Windows サーバーと Azure ファイル共有間のデータ転送に SMB プロトコルは使用されません。

Microsoft公開：Azure File Sync のネットワークに関する考慮事項

検証

検証環境

Azure上に以下の環境を構築し、検証を実施しました。

• Azure仮想マシン(Windows Server 2016)

• Azure仮想ネットワーク

• Azure Files

• Azure File Sync

Azure仮想マシン上へAzure Files上へ移行するフォルダを作成、移行対象のファイルを配置(作成) 今回は、「C:\SyncData」へ「testfile.txt」を作成し、Azure Files上へ同期されることを確認する

手順

本書では、Azure仮想マシン、Azure Filesの作成手順は割愛いたします。

■ Azure File Syncの展開手順

■ Azure File Sync 同期グループ作成

Azure Potalよりサインインし作成した[ストレージ同期サービス]-[同期]-[同期グループ]より[＋同期グループの作成]を選択する

■ Azure File Sync エージェントインストール

① [ストレージ同期サービス]-[同期]-[登録済みサーバー]より「Azure File Syncエージェント」をダウンロードする

② ダウンロードしたインストーラーを対象仮想マシン上で実行しインストールする

③ インストール完了後、Azure PotalへのサインインおよびAzure Filesの指定が求められる

④ 上記完了後、対象ストレージ同期サービスへ仮想マシンが登録される

■ 同期対象のフォルダを指定

① [ストレージ同期サービス]-[同期]-[同期グループ]より対象のグループ名を選択する

② [サーバエンドポイント]-[＋サーバエンドポイントの追加]を選択する

③ 「登録済みサーバー」を選択、「パス」より同期先のフォルダパスを入力する

④ 同期方法「●Azure ファイル共有内のファイルとフォルダーを、このサーバーのパスのコンテンツで優先して上書きします。このオプションでは、ファイルの競合を回避します。」をチェック入れる

⑤[作成]を選択する

上記を実施後、エンドポイントが作成され、ファイル同期が開始される。

■ 同期動作確認

同期完了後、Azure Filesへ仮想マシン上のファイルが同期されていることを確認。

同期について

仮想マシン(オンプレミス)からAzure Filesへの同期:

Azure File Syncは、主にオンプレミスのファイルサーバー上のデータをAzure Filesに同期するために設計されています。ファイルサーバー上でファイルが作成、変更、または削除されると、その変更がAzure Filesに反映されます。初回同期は時間かかりますが、初回移行の同期はリアルタイムで即時同期されます。

Azure Filesから仮想マシン(オンプレミス)への同期:

Azure Files上に保存されたデータは、Azure File Syncを通じて自動的にオンプレミスのファイルサーバーに同期されることはありません。ただし、Azure Filesに保存されたファイルをオンプレミスのファイルサーバーに手動でコピーすることは可能です。

Azure Filesから仮想マシン(オンプレミス)への同期手段

① Azure Storage Explorer: Azure Filesに保存されたデータを手動でダウンロードし、オンプレミスのファイルサーバーにコピーすることができます。

② PowerShellスクリプト: Azure PowerShellやAzure CLIを使用して、Azure Filesからオンプレミスのファイルサーバーにデータをコピーするスクリプトを作成することも可能です。

最後に

今回、仮想マシン(Windows)上に格納されているデータをAzure Filesと同期させる検証を行いました。

昨今クラウド移行でオンプレミスで稼働しているファイルサーバを合わせてクラウドへ移行することも多いかと思います。Azure Files Syncを利用することにより、オンプレ-Azure間でデータ同期が容易に行えるため、移行検討されている方は掲載内容を活用いただければと思います。

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