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研修の講義を動画化してみたら、メリットだらけだった話

はじめに

こんにちは。株式会社SHIFT SAP1グループの加山です。教育チームでSAPグループの社内教育を担当しています。

この記事では「SAP」はSAP社が提供しているERPパッケージソフトを指します。私の所属するSAP1グループでは、SAPのパッケージソフトであるSAP ERPや、SAP S/4HANA(以下、SAP)の導入やバージョンアップ案件(以下、SAP案件)でテスト支援等を行っています。

教育チームの主催するSAP基礎研修の目的・思いは「SAP未経験者をSAPテストエンジニアにする5日間の研修の話」でご紹介しました。(関連記事へのリンクはこちらから

SAP基礎研修は、以前はオンライン講義で実施していましたが、2022年8月から各自で動画を視聴しながら学習するスタイルへと段階的に変更しており、現在ではほぼすべての講義を動画視聴の形式で実施しています。

今回は、動画化にあたっての懸念事項にどう対処したか、研修を動画視聴の形式にしてよかったこと、についてご紹介します。

この記事の想定読者

  1. SHIFTの社内教育に興味がある方

  2. 社内研修講義の動画化を検討する方

この記事のゴール

講義の動画化をするにあたっての懸念事項への対応策と、動画化のメリットをSAP基礎研修の事例で理解できます。

動画化にあたっての懸念事項

受講者の反応がわからない講義を動画にすることで、インタラクティブな質疑応答ができず、受講者の反応や理解度が直接分からないという懸念がありました。
この懸念については、以下の対策を実施しました。

  • 1日複数回のオンライン質問タイムの設定

  • QAリスト及び、チャットを活用した随時質問対応

理解度を把握する検定での初回受験合格率(研修最終日に実施)は、動画化前後で37%→48%と上がっており、動画学習でも十分に学習効果があることが証明されています。 (注釈:再受験分を含めた合格率は65%)

動画化してよかったこと

①受講者個人のペースで学習可能

未経験のメンバーに対する研修といっても、さまざまな経験・知識の方(IT経験、SAP操作経験、業務経験の有無など)が研修を受講されるため、受講者によって各講義の理解スピードは様々です。

講義を動画にすることによって、理解不足箇所は視聴しなおす、既にナレッジがある箇所は速度を上げて視聴するなど、個人の理解度に合わせて学習を進めることができるようになりました。

②研修日程に限定されず、「個別学習」が可能に

基本的には、初級研修は5日間の決まった日程で開催しています。しかし、プロジェクト業務を実施しながら、5日間の研修日程を確保するのは難しく、受講可能者が限られるという課題がありました。

そこで、5日間の日程に参加できなくても個人のスケジュールに合わせて学習し、不明点があればサポートする「個別学習」スタイルでの受講も可能にしました。「動画講義であれば、いつでも学習を進めることができる」という特性を生かし、学習者の幅を広げることに成功しました。

③講師の工数が1/5に削減

従来のオンライン講義では、講師は1度の研修で30時間程(6時間×5日間)の工数をかけていました。動画化後は講師の工数は6時間程(5日間×1時間+試験時間)となり、大幅に工数を削減することができました。

空いた工数で、トレーニングの分析/改善活動、教育コンテンツの作成/更新といったといった他業務に着手することができるようになりました。

④受講者の時間の有効活用

講義の動画化は講師にとってだけでなく、受講者の時間の有効活用にも一役買っています。

オンライン講義を行う場合、講師/他受講者のネットワーク状況や操作進捗等による、待ち時間がどうしても発生してしまいます。 動画講義では不要箇所をできるだけそぎ落とし、ぎゅっと学習内容を詰め込んでいるため、各受講者の待ち時間を削減し、時間の有効活用を可能にします。

受講者が、無駄なく有効に時間を活用できるようになったことで、学習にかかる時間を短縮し、学習にかかる”コスト”を下げることができるようになったことは、大きな収穫でした。

⑤SAPグループ以外の社員にもSAP学習をする機会を提供

これまでSAP基礎研修の受講対象者は、主にSAP1グループ、SAP2グループに所属する社員でしたが、動画化することにより「個別学習」ができるようになったことで、社員誰でも学習することができることになりました。

SHIFTでは「トップガン」という社内の検定制度があり、SAPの検定としては、トップガン12SAP、トップガン18SAPが展開されています。その学習コンテンツとして、動画講義も展開しており、トップガン制度に申し込んでいる人であれば誰でもSAPの学習ができるようになっています。

一般的に、SAP案件はエンジニア単価が高いといわれています。今後のキャリアを考えるうえでSAPを視野に入れているのであれば、動画講義を活用して自己学習することが可能です。

終わりに

講義の動画化は準備・録画・編集に多くの時間を要しました。
(動画編集をサポートしてもらった、弊社ビジネスサポートグループのメンバーには足を向けて寝られません!とても感謝しています。)

動画講義を運用開始すると多くのメリットがあり、動画化にあてた工数以上の成果がでているように思います。
今後はこの動画資料を含め、学習コンテンツをより有効活用できるような研修の運用を行っていきたいと思います。

SAP基礎研修受講者の皆様には、動画講義の狙いを理解し、オンライン質問会や個別のサポートをどんどん活用して有意義な研修にしていただけると幸いです。


執筆者プロフィール:加山
2019年から株式会社SHIFTに勤務。
SAP1グループの教育チームに所属し、SAP基礎研修運営、教育コンテンツの作成に従事。現在は学習コンテンツのアップデートに向け、勉強の日々。

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