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Service Cloud における顧客情報の配置場所について

はじめに

こんにちわ、SHIFT でインフラコンサルタントをしている torano です

今回は、コールセンターなどのカスタマーサポート業務を効率化し、チャットや電話・メール・SNSなど様々なタッチポイントでお客様とのつながりをサポートする Service Cloud の導入時に、検討事項となる顧客情報の配置場所についてご紹介させていただきます。

具体的には、顧客情報は既存の基幹システムなどで作成・更新など行われており、Service Cloud を顧客情報の原本として運用して良いの?って、悩まれている方の一助になれば幸いです。

顧客情報を管理するにはどんな選択肢をとることができるのか

まず、Service Cloud を利用しつつ顧客情報を管理していくには、どんな選択肢があるでしょうか。 顧客情報の管理手段は、大きく分類して 3つ あります。

① Service Cloud の取引先責任者を顧客マスタにする

② Salesforce Connect または Heroku Connect などを利用して参照可能な外部DBを顧客マスタにする

③ API 連携を利用して Service Cloud に顧客情報を連携する

では、それぞれの特徴を以降で整理していきましょう!

パターン① Service Cloud の取引先責任者を顧客マスタにする

一番スタンダードであり、Service Cloud の標準機能や連携していく様々な Salesforce 製品と、特別な設定やカスタマイズをせずに連携していくことができます。 では、このパターンを選択した場合に考慮すべきことはどんなことでしょうか。

・基幹システムなど既存システムで顧客情報を作成・更新するイベントが動く場合、Service Cloud と都度 API 連携を行うなどの必要がでてきます。

・都度の API コールは保有しているライセンスあたりの API コール数上限、バッチ連携を行うにしても、ガバナ制限などを念頭において、全体を設計する必要があります

・Service Cloud で利用できるストレージ容量は、Service Cloud を利用するユーザ数(ライセンス数)と比例するため、ユーザ数が少ない場合、ストレージの追加ライセンス数が必要になります。特に昨今のチャットボットやWebサイトを利用したセルフサービス化が進んでいるお客様では、エンドユーザ数の多さに対して、Service Cloud を利用するユーザが少なく、このバランスがとれないという事態も生じます。

Salesforce 製品は、お客様情報を中心をとして様々製品を展開しているため、多くの業務領域で Salesforce 製品を活用していくということも視野にいれて考えいく利活用シーンを増やしていくということを考慮していくことが必要になってきます。

パターン② Salesforce Connect または Heroku Connect などを利用して参照可能な外部DBを顧客マスタにする

こちらは、顧客マスタをオンプレの既存システムなどにもちつつ、Service Cloud から参照し活用する方法になります。 このパターンを選択した場合、考慮すべきことはどんなことでしょうか。

・Service Cloud からも更新する様なケースの場合、同期(双方向の更新)ができる Heroku Connect を利用します。Heroku Connect を利用するには、別途 Heroku 環境(Heroku Postgres)を契約・利用する必要があります。

・Heroku Connect はテーブル(オブジェクト)単位の同期をする仕組みのため、テーブル間でリレーションをはり整合性を意識したアプリケーションが存在する場合、注意が必要です。

・リアルタイムで外部データを利用したい場合は、Salesforce Connect(OData) を利用します。Salesforce Connect を利用する際には、OData でやりとりできるように、DataSpider などの製品が必要になってくるケースもあるため注意が必要です。(Service Cloud から書き込みこともできますが、遅延や注意事項があります)

・標準オブジェクトは外部参照できないという制約があるため、取引先責任者を Salesforce Connect で参照するような仕組みを検討する場合、カスタムオブジェクトで同様なオブジェクトを作成する必要があります。また Service Cloud が標準オブジェクトに対して備えているリレーションや機能が利用できなくなるため、注意が必要です。

パターン③ API 連携を利用して Service Cloud に顧客情報を連携する

こちらは、外部の顧客マスタから必要な顧客情報を API で連携して Service Cloud に取り込み活用する方法になります。 このパターンを考慮した場合、考慮すべきことはどんなことでしょうか。

・顧客とのつながりがあるチャネル、例えば IVR やチャット、Web フォーム等から、問い合わせがあり Service Cloud を利用する方にアサインされたタイミングで顧客情報が参照可能になっている必要があり、イベントの検知、そこから利用者に違和感なく操作できる様にデータの取り込みと一連の動作を済ませる必要があり、Apex 等を利用して一部プログラミンで開発する必要があります。

・プログラミング開発した部分は、Service Cloud のアップデートの際に、設定等で実装した部分より、よく動作確認を行う必要があります。

・データ取得の際には API を呼び出すことが必要になるため、ユーザ数や想定される問い合わせ数などを考慮して、ライセンスを用意する必要があります。

・外部の顧客マスタとは、API を介した非同期の連携となるため、データ取り込み後に顧客マスタが更新された場合の Service Cloud への反映のルールや、Service Cloud から顧客情報の見え方に差があるなど、業務で Service Cloud から顧客情報を参照する部門とも、あらかじめ合意形成をしておく必要があります。

最後に

この様に顧客情報をどこに持ち、どう Service Cloud に反映させるのかでも、いくつか手段があり、特徴があります。 SHIFT には、このような検討/導入支援の事例があり、ノウハウがあります。

お悩みのお客様は、ぜひ SHIFT にご相談ください!

最後までお読みくださり、ありがとうございました!


執筆者プロフィール:Satoshi Torano
SIer、コンサルティングファーム、クラウドプロパイダーと IT を様々な業態で経験。システム構想・企画~リリースまで経験し、直近はお客様と伴走するかたちで、システム企画・構想や PoC のプロジェクトを多くデリバリーしています。

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