標準化に重きを置いたQAの進め方~いつ?どこで?使うのか 前編~
こんにちは。株式会社SHIFT エンターテインメントサービス部の大和田です。主にゲーム開発のテスト(QA)のプロジェクトマネージャーをしております。
前回の記事で標準化を行うことで課題が解決できるイメージは持っていただけたと思います。まだの方は今からでも振り返って読んでいただくと、今回の記事も理解しやすくなると思いますので、是非読んでみてください。
ここでまず前回の補足にもなるのですが、標準化というのは標準化したい対象、目的があるものです。それを実現するために「標準」を定義する必要があります。
前回のブログを例に挙げて言うと「大将が作るラーメン」が「標準」となり、この「標準」に倣って、同等の品質を作り出せる状態とすることが最終的なゴールとなっていましたね。実現したいことを明確にして、その手段として標準化を用いたということですね。
今回は標準化についてもう少し具体的に知っていただく為に
・どのような場面で行うべきか
・どのような個所に適用すべきか
という点について掘り下げて説明しつつ、標準化のメリット/デメリットについても説明していきたいと思います。
■標準化すべき場面とは
前回のラーメン店の場合は「大将が弟子にラーメン作りを教えたい」
というところでラーメン作り自体の標準化の必要に迫られていましたね。
標準化することのメリットから考えると
使うべき場面も見えてくるかもしれません。
では、標準化することのメリットを考えてみましょう。
標準化のメリット
・品質の確保
基準を設けることで常に安定した品質を保つことができます
・生産性の向上
作業フローや手順に対して基準を設けることで
作業効率が上がり、生産性の向上に繋がります
・技術の継承
・属人化の防止
作業の引継ぎ時や突然の人員交代など
対応する担当者が変わった場合においても
アウトプットの品質を落とすことがない
・共通認識、認識の統一
情報ロス、認識齟齬による手戻りややり直しなど
工数やスケジュールへのリスク回避
など
主だったものを挙げてみましたが、結構な利点が挙げられました。
技術の継承については前回のラーメン店の話がまさにそれですね。
話を戻して、標準化すべき場面とはについて考えますと、上記メリットに挙げた部分について懸念や不安やリスクが感じる場合にそれを改善するために標準化を行うのが良いと見えてくると思います。
「えっ?それじゃ、だいたいいつでも必要になるじゃん!!」
そうなんです!
特殊な場合(毎回ユニークな作業など)を除いては標準化することで得られるメリットが大きいということなんです!
■標準化をすべき個所とは
続いては、標準化はどのような個所(業務)に適用させるのが効果的なのかということについて考えていきましょう。
以下に効果が得られる主な作業を出してみました。今回はゲーム開発のテスト(QA)を意識して、チームバトル系ゲームアプリのテスト作業を題材に出してみました。作業の括りとしては大きく3つあります。
・反復作業
例
ノーマルバトルをn回実施
タイトル画面からホーム画面への遷移n回実施
・同じ作業を複数人で行う作業
例
全キャラの性能確認(キャラ毎に作業分担)
ギルドメンバーの確認(ユーザー毎に作業分担)
・複数機能/画面で共通した作業
例
ノーマルバトル画面、イベントバトル画面の確認
ノーマルバトルデッキ編成、ギルドバトルデッキ編成の確認
これらの作業に対して標準化を行うとメリットが得やすいというのは
感覚的にでもイメージを出来るようにしておくとよいと思います。
では、逆にこれらの作業が標準化できないと、どのようなリスクが生じてしまうのかを考えてみましょう。
生じ得るリスク
・反復作業でのリスク
・品質のバラつき
・生産性の低下
・同じ作業を複数人で行う作業でのリスク
・属人化 ※属人化ついては後述
・技術継承が困難
・複数機能/画面で共通した作業でのリスク
・認識齟齬
・情報伝達ミス
メリットで挙げた内容の裏返しですね。日々気を付けて作業しているとは思うのですが、明文化して標準化していないと、どこかで綻びが出てしまうかもしれません。
ぜひこれを機に現場の作業を見直して、標準化を検討してみてください。
いかがだったでしょうか?
今回は
・どのような場面で行うべきか
・どのような個所に適用すべきか
に絞ってお伝えしました。
まだもう少しだけ補足したい内容がありますが、
それはまた次回お伝えすることにしましょう。
■次回予告
・属人化はなぜダメなのか?
・標準化にデメリットはないのか?
それでは次回またお会いしましょう。
※画像はすべてフリー写真素材ぱくたそ
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