アジャイルで村を救え!「異世界アジャイルワークショップ~ストーリーマッピング~」
■はじめに
こんにちは!SHIFTのQAエンジニア二年生のあびこです。
早速ですが、みなさん、タイトルにあった「アジャイル異世界」「ストーリーマッピング」というタイトルにひかれてこの記事をひらいたかと思います。
ですが、
まず、この図を見てみてください!
.....ファンタジー世界のマップイラストですね。
素朴な村を中心として畑がつながり、そこから果樹林、奥まったところには怪しげなモンスターがいる森、右側には川や城下町も見えています。
まるでゲームのRPGのようなマップですが、実はこのイラストを用いて今回は「アジャイル」を学ぶワークショップをおこなうのです!
...いったいどういうことなのかを、解説していきます。
■「異世界アジャイル」とは?
まず、タイトルにもある「異世界アジャイル」についての説明です!
皆さんは「異世界転生(異世界転移)」、という創作ジャンルをご存じでしょうか。
ーーー 「現代社会に過ごす主人公が、とあるきっかけで文明や人種が異なる世界に転生、転移してしまう。しかし転移するときに授かったチート能力、または現代で学んだ知識でその異世界にて活躍する」物語を指しています。
近年のライトノベルやアニメ、漫画などの題材など、ファンタジーとはまた別のジャンルとして扱われるくらいの人気となっていますね。
そんな流行りの「異世界転移モノ」、 なんとアジャイルのまとめ役である「スクラムマスター」が異世界転移してしまい、スクラムの考え方で異世界の問題を解決していく「異世界でもスクラムマスターだった件」という漫画をもとにした異世界でスクラムの本質を学んだイベントを開催しています!
…ということで今回は、はじめに見ていただいたマップを使って「ストーリーマッピング」ワークショップについて紹介させていただきます!
■プロダクトバックログ作成?どうやって作る?
今回のワーク目的は**「ストーリーマッピングのやり方について学ぶ」**ということですが、 アジャイルのどの場面で必要となるのでしょうか。 それでは、まず「プロダクトバックログ」について説明します。
プロダクトバックログとは
とても軽くいってしまうと、**「このプロダクトでは何をやればよいんだろう?」とならないための「やることリスト」**です。 プロダクトのゴールを決め、そのゴールの実現にむけて必要なものをまとめたものを「プロダクトバックログ」といいます。
スクラムイベントでは、どの辺に位置づけされるかも確認してみましょう。
スクラムについては4つのイベント
「スプリントプランニング」
「デイリースクラム」
「スプリントレビュー」
「スプリントレトロスペクティブ」
を行いますが、
そのイベントでは、「スプリントバックログ」(図:赤いメモアイコン)というものが大きくかかわってきます。
「スプリントバックログ」はスプリント(定めた期間)の間にやるタスクリストのことです。 そのスプリントバックログを確認しながら業務をこなし、「デイリースクラム」で割り振りの調整を行ったり、レビューを行います。
このスプリント期間中にどういったタスクを積むか?を考えるイベントのことを「スプリントプランニング」といいますが、
ここに、本題である「プロダクトバックログ」(図:黄色いメモアイコン)がかかわってきます!
プロダクトがどのようになったら成功なのか、ということから考えて、そのためにするタスクを積み上げ、その一部をスプリントバックログに都度分割し、実行していく…、
つまり、”プロダクトバックログは、スクラムフレームワークに欠かせない根幹のタスクリスト”ということです!
というわけで、プロダクトバックログを作成してみよう!となるのですが、どのようにタスクリストを作成してけば良いのか?が課題になると思います。
スクラムは「ユーザー価値」が第一です。なので、単純にシステム構成図からシステム単位で書いても、「ユーザーがどのように」使うのか?ということは見えていきません。
そこで、今回のワークのテーマでもある**「ストーリーマッピング」**という手法が、ユーザーはどのようなものを求めているのか?を考えつつ、プロダクトバックログを作成するというものです。
■異世界アジャイルで行ったワーク「ストーリーマッピング」
そんな「プロダクトバックログ作成」の一例である「ストーリーマッピング」を、まるで異世界転生のゲームをやっているようなワークで学べるようにしています。
改めて、最初にあったこのマップを見てください!
下のようなものです。
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異世界転生した(というテイで)私たちは、この真ん中にある集落「ロマーネ村」にやってきました。
その村ではマップにあるように様々な問題があり、被害が出ている、とのこと。
村長から”この村の村人が安心して暮らすためにできることがないか、みんなで話し合ってほしい”というおたっしが。
プロダクトゴールを[この村の村人が安心して暮らすためにできることは?]とおいて、このマップを見て
私たちができることは何のか?ストーリーマッピングの手法を用いてこの村にでいることを話し合ってみましょう。
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...というわけで、ストーリーマッピングの手法にて、何をやるべきが考えていきましょう。
手順について解説していきます。
ストーリーマッピングについては、3つの要素があります。
①EPIC(村人に必要なことはなにか)を書き出し、
②STORY(その必要を満たすためにできることは何か)を考え、
③TASK(ストーリーを達成するために必要な作業は何か)を上げていく、というような具合です。
例をあげてみましょう!
まずEPICとして、村人に必要なことは何かということで今回は人が生きる上で大切な衣食住の一つというEPICを立てましょう。
そうすると、そのEPICとして、食料を確保するためにどういう事例、つまり物語あるかを考えてみてみます。
このマップで読み解くとしたら、村の近くに畑があるから「畑で作物を育てたい」隣の大きな林に果実が実り始めているので「果樹園を管理したい」というSTORYがあげられると思います。
では、このSTORYを解決するために、何をすべきかの課題、TASKを画像から見つけていきましょう。
「堀を作る」「イノシシが入れない大きさの柵を作る」「果樹園に住み着いているモンスターを退治する」...
様々な課題が上がると思います。その課題をチーム内でみんなで話し合って出し合っていきましょう。 自分では思いつかないEPIC、STORY、TASKが出て来るものがあると思いますどんどん記載していきましょう。
そのでてきた課題TASKに優先順位をつけることで、ストーリーマッピング手法により「プロダクトバックログ」が完成していきます。
このワークを通じて、どのようなプロダクトで、どのようなユーザーに価値を届けたいのか。 また、その価値を届ける際に、本質として重要なEPICは果たして何にあたるのか、を考えていくことが「プロダクトバックログ作成」にあたり、大切なこととなります。
ちなみに、EPICの書き方は、目的を達成するために何が必要か「○○を~~したい」という要望(want)の形で書くのがおすすめです。 このプロダクトは、何が求められているものなのだろう?と考えること、
例えば、プロダクトゴールは”誰でも簡単に使える会計ソフト”とするなら「会計処理がしたい」「シンプルなデザインにしたい」「誰でも使えるソフトにしたい」等のEPICが上がると思います。
「ユーザーが受け取れるものが価値」としているアジャイルでは、一番に考えなければならないことです。
実際の業務でも、このマインドを持つことによってチームが取り掛かるべきタスクは何なのか、チームでの意見の活性化なども図れます。
スクラムというものは、チーム一丸となり動くことが名前の由来にもなっています。そのため、自分の意見も発信しつつ相手の意見も傾聴し、ゴールへと導くことを考えていきましょう。
■終わりに
今回は面白さを伝えるために「ワークでやること・学べる事」にも触れて解説しましたが、このワークをやると毎回思いつかないような意見 や話をまとめる面白さ、やはりチーム全体で動く楽しさが味わえる、「何回やっても楽しいワーク」だと思っています! 他にも「スクラムでプロセスを改善することを感じることのできるワーク」「チームビルディングを学べるワーク」等も学べるワークがあります。
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