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ChatGPTで思考フレームワークを横展開する~「社長GPT」や「テスト設計自動化プロンプト」へ向けて~

はじめに

こんにちは。株式会社SHIFTのDAAEの栗山です。

本稿ではChatGPTを使用して「諸行無常」という仏教の考え方を様々なものに適用したり、様々な状況におけるマインドフルネスの実施手順を作成したりします。

これらを通して以下のようなことを示します。

  • 「特定の考え方(思考フレームワーク)」を示すことで、ChatGPTは様々な対象に対して、その考え方に沿って思考し、回答を出せること。

  • 「特定の何かを対象とした手順」を「様々なものに適用可能な抽象的な手順」へと変換できること。

こういったChatGPTの能力が「社長GPT」や「テスト設計自動化プロンプト」にどう繋がるかを説明したのち、展望として「テスト設計やテスト実行の自動化にLLMをいかに活用していくか?」に触れます。

タイトルにある「思考フレームワーク」とは、諸行無常のような「考え方の枠組み」やマインドフルネスの実施手順のような「言語で示された手順(アルゴリズム)」を本稿では意味しています。
※あまり一般的な使い方ではないのですが、ほかに適切な言葉が見つからなかったため。また「横展開」は「様々のものに適用していく」という意味で使っています。

諸行無常をChatGPTで様々な対象に適用する

まずは「諸行無常」という考え方を様々な場合に適用する例をお見せします。

この例を通して、以下のようなことが体感的に理解できると思います。

  • 諸行無常というかなり複雑で難しい考え方をChatGPTは扱うことができる。

  • こういった考え方を様々な対象に適用することを機械的に行うことができる。

諸行無常を手順として書き出す

まずは以下のようにして、諸行無常の考え方を手順にします。

諸行無常を様々な対象に適用する

手順として書き出すことができれば、あとは簡単です。
以下のようにして、色々なものに適用することができます。

「会社員」に適用した例。

以下の下りには頭が下がります。

「会社員は、変化の激しい現代社会において、常に学び、変化に適応することが求められます。業務内容や技術が変化するたびに、自己研鑽し、必要なスキルや知識を習得することが重要です。
また、状況や環境が変化した場合には、柔軟に対応し、自ら進んで変化を受け入れる姿勢が求められます。」

「結婚生活」に適用した例。

非常にいいことを言っていますね。

これからの例から、考え方の手順をしっかりと与えればChatGPTは適切な回答をできることがわかります。

※余談ですが「ソフトウェアエンジニア」や「SNSでいいねの数を求める人」「年収UPを追い求める会社員」などにやってみた結果が私は興味深かったです。

マインドフルネスをChatGPTで様々な対象に適用する

次は「マインドフルネス」を様々な状況で実践する方法を作成します。

今度の例では、以下のことが体感的に理解できると思います。

  • 特定の何かを対象とした手順を、様々なものに適用可能な抽象的な手順へと変換できる。

マインドフルネスの手順を書き出す

では手順を作成します。

繰り返しになりますが、ポイントは特定の何かを対象とした手順を、様々のものに適用可能な抽象的な手順へと変換することです。
上記では、はじめは「座る」「目を閉じる」などシチュエーションが限定されていたものが、次の手順では様々な状況で実施できるようになっています。

マインドフルネスを様々な対象に適用する

作成した手順を使い、色々な状況でシミュレーションしてみます。
マインドフルネスの有効性を見たいこともあり、ストレスフルな状況でやってみます。

「妻と口論になり、ストレスを感じている夫」の例。

こういう辛い状況をマインドフルネスで切り抜ける具体的な例になっています。

「上司に誤解され、他人がしたミスについて叱責されている会社員」の例。

これもいい例になっています。

「社長GPT」や「テスト設計自動化プロンプト」にいかに繋げていくか?

上記の例により、以下のようなことがわかると思います。

  • 考え方や手順を示せば、ChatGPTはその考え方や手順を色々なものに適用できる。

  • 諸行無常やマインドフルネスのように複雑で難しい考え方や手順をChatGPTは扱うことができる。

  • 特定の何かを対象とした限定的な考え方や手順を、様々なものに適用可能な抽象的なものへと変換できる。

こういった能力を活用すれば、大まかには以下のような手順で「社長GPT」や「テスト設計自動化プロンプト」を作れそうです。

「社長GPT」の作り方の構想

「社長GPT」は「各社の社長のような目線で物事をとらえ、回答をするもの」というイメージです。弊社の場合は「丹下社長のような目線で物事をとらえ、回答をするもの」になります。

  1. 社長ブログ(弊社の場合はこちら)などを読み込ませ、社長の考え方を「あらゆる対象に適用可能な抽象的な考え方」へ変換。

  2. 1によりたくさんの考え方が出てくるので、それをデータベースに保存。

  3. 上記のデータベースを使用して、状況や課題を入力すると、適切な考え方を返すAPIとして提供する。

  4. ChatGPTプラグインとして上記のAPIを実装する。

  5. 上記プラグインをインストールしたChatGPT上で「○○という課題があるのだけれど、社長ふうの回答を教えて」といったプロンプトを入力する。

ChatGPTプラグインはサードパーティのサービスとChatGPTを連携させるための機能です。
まだ一般には公開されていません(使いたい方はwaitlistに登録しましょう)。

「テスト設計自動化」プロンプトの構想

ChatGPTのプロンプトを作りこめば、テスト対象の機能要件から、テストケースを作成することはかなり自動化できるでしょう。

ここでは本稿で示した手順を利用しての例を示します。

  1. 何か特定の機能を対象に、機能要件からテストケースを洗い出す手順を作成する。

  2. 1の手順を「あらゆる機能を対象に適用できる抽象的な手順」へと変換する。

  3. 2の手順を使用し、ChatGPTで機能要件からテストケースを作成する。

最後に

「社長GPT」は各社、何かのイベントのネタとしてチャレンジしてみるのも良いのではないでしょうか?「テスト設計」や「テスト実行の自動化」へのLLMの活用には、大きな可能性を感じます。

これを推進していくためには、いくつかのレイヤーに分けて、実施していくのがよいと思います。「機械学習でがっつりやるレイヤー」はコストも労力もかかりますが、ほかのものについては敷居は高くありません。
ちょっとしたイベントが提案されれば進みそうです。

以上です。ChatGPT × LLM で夢が広がりますね!


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執筆者プロフィール:Kuriyama Akira
DAAE開発エンジニア。ベランダのイチゴがたくさん花をつけました。

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