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実例マッピングを実施するうえで大切にしている4つのこと


はじめに


こんにちは、なまじまです。

実例マッピングをやってみたけど効果が出ていなかったり、プロセスへの導入がうまくいっていなかったり、他ではどんなやり方をしているんだろうと気になっている方に本記事が参考になればうれしいです。

リモート環境でmiroを利用して実例マッピングを実施することを想定したお話ですが、質問しながら受け入れ条件を育てるプラクティス「実例マッピング(Example Mapping)」を実施する際に大切にしていることを紹介していきます。

大切にしている4つのこと


大切にしていることについてそれぞれ説明していきます。

①事前準備


事前準備はベースとなる知識と理解と会場準備の2つあり、以下の状態で開始することが大切です。

  1. 実例マッピングを実施するための知識や理解が進んでいること

  2. 実例マッピング作業場所の準備(付箋の準備や会場の準備)ができていること

実施するための知識や理解

実例マッピングの価値を高めるための事前知識や理解は以下のようなものが該当します。

  • ユーザーやドメインの理解

  • 対象となるシステムの動作や仕様に対する理解

ユーザやドメインの理解はユーザーストーリーマッピングの実施や、ペルソナ設定をして、実例マッピングの参加であるPO/開発/QA/その他関係者が、共通理解と事前知識を身に着けておくこと、価値提供するユーザー像を明確化することで、適切な実例を出すことができます。

対象となるシステムの理解についても知識と理解を深めておくことで、実例を出しやすくなります。

作業場所の準備

付箋の準備や会場の準備は以下のようなイメージです。

miroを利用するとテンプレートが存在するので、テンプレートを選択して、対象となるストーリー受け入れ条件を記載していきます。

準備をするのにはこんな意味がある

分かっている受け入れ条件を記載しておくことで実例を短時間で出すのを助けます。

青い付箋が無くても実例は出せますが、受け入れ条件に対する説明や実例の方が書きやすいです。

②目安は1回30分


実例マッピング上記のような時間配分で、1ストーリーあたり30分を目安にしています。

目安が30分の理由

  • 実例マッピングを気軽に実施したい

  • 参加する人の拘束時間を短くしたい

  • 慣れてくるとほぼ30分で形になる

付箋を書く時間をとるのは有効

付箋を書く時間を数分決めて記載することで、様々な意見を収集できます。

内容の重複は気にせず書くようにします。

30分で終わらないと悩んだら

  • 議論対象のストーリーが大きすぎるかも

  • 参加人数が多すぎるかも

  • ファシリテーションを見直す必要があるかも

  • 実例の書き方のコツをつかむ必要があるかも

該当しそうなものがあるか確認すると解決につながるかもしれません。

③書き方は事前に理解


実例の書き方やコツを理解しておくことで短時間のセッションで有効な実例(Example)を提示することが可能になります。

Given-When-Thenで書く

  • 条件(元の状態)

  • 操作(振る舞いや操作)

  • 結果(振る舞いや操作の結果)

これを意識して緑の付箋(実例)を記載していきます。 具体的にはには「xxx(条件)の時、△△△すると、どう(いう結果に)なるか」をベースに記載していきます。

条件は数字を意識

より具体的な数字を前提条件に指定することで追加の具体例を議論しやすくなります。 QAの得意な境界値を意識すると具体例を挙げやすくなります。

ペルソナを意識

  • どのようなユーザーか

  • ユーザーが期待する価値は何か

  • 想定されるユーザーはどのような種類があるか

④ふりかえりは必ず実施


実例マッピング結果からのふりかえり(フィードバック)は実例マッピング最大の価値かもしれません。

実例マッピングのセッションで書いた付箋の量が視覚的に見えるようになっているため、議論しているルールが開発着手できるかを議論しやすくなります。

以下に当てはまる場合は、すぐに開発着手せずに疑問点の確認やルール、ストーリーの分割を議論することで適切なサイズの開発ができるはずです。

  • 解決に時間がかかる赤い付箋(疑問点)存在している

  • 青い付箋の数が多い

  • 1つの青い付箋(ルール)を説明する緑の付箋(実例)の数が多い

疑問点やあいまいな受け入れ条件のもとで開発を進めるリスクを低減できるので、必ず実施することが大切にしています。

まとめ


実例マッピングを実施する際に大切にしているこれらのことを意識することで、ユーザーにとって価値のあるものを提供しやすくなるかもしれません。

以上、実例マッピングを実施する上で大切にしている4つのことでした
Agile Testing Condensed Japanese Editionも参照されることをおすすめします。

おまけ


実例の書きかた理解のため、ふるさと納税サイト「まん福」を題材にした実例マッピングワークショップを計画中です。

まん福を福利厚生で導入する企業様を募集しています!


執筆者プロフィール:なまじま
スマートフォン業界でPMに従事していたところ、タダ酒の誘いを受け、気づいたらSHIFTにJoin。
ユーザーストーリーマッピングとの出会いからアジャイルの世界にさらなる魅力を感じ、アジャイルなチーム・組織を目指し、気が利くサービス提供のため、毎日楽しく奮闘中。

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