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違和感について考えてみた②「1on1と個人面談の違い」


〜リーダーにおすすめの「育成を促す」メソッドとしての1on1〜

こんにちは、アジャイル開発推進グループに所属するQAリードの佐藤です。外の活動では、「なそ」と呼ばれています。

私はメンバーとの対話を大事にしています。雑談や面談、業務といろんなタイミングで対話が発生します。今日はその中でも1on1と個人面談を整理してみました。


自分のやったことはすぐに忘れる

きっかけはチームでふりかえりをやっていたときでした。メンバーから出てくるのは直近のイベントであり、本人にとって印象深いエピソードばかりでした。自分を含めたチームの全員がこの状態でした。

当然、今までふりかえりをしたことが無いチームで、数回しかやっていない状態だったので、今にして思えば当然の結果かもしれません。意見が出てくるのはとても重要なことです。それをさらに良くしていくためにと考えたときに、小さなことが消えてしまっているような気がしました。あのタイミングで気がつけたことは本人にとっては小さかったけれど、チームには大きかったなんてことがあります。小さいことをピックアップするのが自分だけではチームではなく、「なそとゆかいな仲間たち」から抜け出せません。チームメンバーが成長していないことを示しています。

そこでチームのふりかえりの前に、みんなと話をして直近の2週間を思い出してもらおうと考えました。これが1on1と個人面談の違いを考えるきっかけになります。

違和感ポイント「1on1=個人面談?」

ネットで1on1を調べると、「上司と部下が行う対話」と評されることがあります。そのとおりなんですが、違和感を覚えます。

個人面談は、正直やりたくないです。私が上司としゃべるとしたら、何を話をしたらよいかわからないうえに緊張しかしません。このイメージが個人面談にはついているため、どうにも1on1と個人面談が同じもの(登場の経緯は詳しく調べていませんが、対話ができる前提にない)とは思えませんでした。

1on1が1対1の対話型のミーティングだとしても、1on1と個人面談を分けて考えるようにして、以下の表のように考えました。

佐藤さん違和感シリーズ2表2
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個人面談はメンバーのものではないと整理したことで、1on1の整理も進みました。自律を促すようにするためには、早いフィードバックサイクルを回す必要があると考えています。メンバー自身の発言に本人が気づいていない視点からフォローする必要があります。逆に個人面談は、リーダーが認めた方針をメンバーが推し進めるので報連相は必要ですが、1on1のように対話は必要ないと考えています。

1on1を行う場合は、サイクルで実施するのがおすすめです。私はアジャイル開発に参画することが多いので、イテレーションのふりかえり前にメンバーに対して実施していました。

ふりかえりの前に自分がやってきたことを思い出してもらうと同時に、フィードバックサイクルを回すことができたら最強じゃないですか?

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(イメージ図)個人とチームを含めたフィードバックサイクル


4Stepで進める1on1

1on1の確認ができたので、あとは進め方と自分自身も1on1の確立のために実践あるのみです。


①1on1の目的を伝える
自分の考えを相手に言葉で伝えるのが重要です。特にこの場所が2人にとって、最も安全な場所であることを宣言する必要があります。

佐藤さん違和感シリーズ2セリフ1_2

当たり前と思うかもしれませんが、何をどこまで話をしていいのか迷います。まずは自分がこの場所をどうしたいのかを宣言して守っていかないと、相手の信頼を得る可能性すら存在しません。


②まずはファシリテートが必要

佐藤さん違和感シリーズ2セリフ2_2

とはいえ、最初は何をしたら良いかわからないです。今までやったことが無いことをお願いしているので、最初はファシリテートが必要なことが多いです。1on1に慣れてくると思考が整理され、スムーズに進められるようになってくるので、相手の話を聞いていて、わからない感情の動きや対象を深堀りするようにします。そうすることで相手との認識をあわせて、共通理解を深めることができます。


③YWTでふりかえる

いろいろとふりかえりの手法を使ってみました。その中でストンと腹落ちしたのがYWTです。特にY(やったこと)と、W(わかったこと)がメンバーの話し出しにちょうど良かったです。

Y(やったこと)を1on1で話すので、リーダーもメンバーが普段の業務でどんなことやっているのかを、今まで以上に注目することができます。

最後に、T(つぎにやってみること)を話すので、前回の会話からスタートできます。そこから2週間で何をやったかなどを聞きながら、やってみた感想や「うまくいったこと」、「うまくいかなかったこと」を共有することができます。相手が話し終わるまでは聞くに徹することが重要です。そのうえで②で話した通り、深堀りタイムです。根掘り葉掘り聞く詰問の時間ではないです。大前提として、メンバーとリーダーの共通理解をするための時間なので、相手の気がついていない感情の揺れや起こった事象を追体験できるように質問をします。


④メンバーが感じたことが重要

リーダーは視座がメンバーよりも高いことが多いです。そのため、一つ一つの悩みに対して方向を示したくなるかもしれません。しかし、メンバーからリーダーに質問されない限りは「聞くこと」と「深堀りすること」に注力することで、メンバーが自分の行動を思い返していく過程にヒントが隠されていて、自ら気がつくことが多かったです。


1on1をやってみて、メンバーとの目線を少しでも合わせられていたら

とはいえ、いくら聞いても多少なりとも忖度があると思っています。1on1をするようになると、メンバーの思考が自分の中に組み込まれるので、つまっているときなど、声のかけ時をなんとなく感じることができます。

相手を理解しようとすることは、相手の動きやすい環境をつくる要素の一つではないかと思います。


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執筆者プロフィール:佐藤 博之
SIerで要件定義から保守までを経験。テスト工程で炎上するプロジェクトで品質について考えた結果、品質保証を業務とするSHIFTに転職。SHIFTでは、アジャイル開発の品質保証を担当し、短いサイクルの中でのテストエンジニアの活動や品質について考えている日々。
発散は得意だけど、収束は苦手なファンタジスタタイプ。

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