SHIFT Game Producer Meetup #12 必見!ゲーム業界におけるNFTの可能性~エンタメビジネスはどう変化するのか?~
はじめに
こんにちは★SHIFTエンターテインメント業界ウェビナー担当の高木です!
今回で12回目となる、ウェビナー「SHIFT Game Producer Meetup #12」では、ForN藤原 氏をお招きし、弊社 鈴木を交え、1LDK 朝岡 氏をファシリテーターに対談を行いました。
一部分ではございますが、その様子をぎゅっとまとめてお届けします!
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テーマ「現状のモバイルゲームについて」
ForN藤原氏(以下、ForN藤原):直近で言うと、ご協力させていただいているenish様の進撃の巨人を先週リリースしまして、流入としても非常に好調で売上も上げてきているところです。
ただIPタイトルというだけで売れる時代でもなくなってきているかな。
特にヘブバン(ヘブンバーンズレッド)も素晴らしいスタートを切られていますし、かといって王道はと言われると、丁寧にTwitterなどやられています。
今までは外資系が入ってきて札束の殴り合いをしてきましたが、その時代も一周したなと思っています。求められているのってユーザー目線と丁寧さというところで充分戦えるようにはなってきています。
理由として、開発力はもちろんある一定の標準値まで各社レベル上げてきているので、どういう風に丁寧にユーザーさんを定着させるか、というところにフォーカスしているタイトルの方がちゃんと売れてきていると思います。
テーマ「ブロックチェーンゲームとは」
ForN藤原:ブロックチェーンゲームというのは、一番初め『CryptoKitties』というものから始まっていて、Sky Mavis社などが出されている『Axie Infinity』というゲームがあります。
ブロックチェーンゲームって技術的な面を除いて一番魅力的だなと思うのは、経済圏を作れるということと、ディセントラライズドの考え方を持つこと。要はその分散というか、中央集権的ではない考え方。ユーザーがブロックチェーンという技術を通して経済圏を作っていけるのは素晴らしいことだなぁと思います。
プレイヤー目線で言うと「ゲームでお金稼げるって凄いなぁ」と感動しています。今まではモンスト3の期間限定ガチャに15万円で課金して、でも出ないことがあったり、出た時「よっしゃー!」と喜んだり。
でもそれも一つのエンターテイメントの形として良い体験をさせてもらっているから、別に損はないんです。
けどやはり、無形財産というものと有形財産、ある意味それが財産になるというところの形って、ようやく合法的にゲームでお金を稼ぐということができるようになったのかなと思います。
ようやくNFTやトークンという形でユーザーがゲームでお金を稼げるというものが、技術的にも色んな面でもできるようになってくる。
1LDK朝岡氏(以下、1LDK朝岡):今どれぐらいの方が国内でプレイされているのですか?
ForN藤原:国内は全然いないと思っています。国内はソーシャルゲームのユーザーって、だいたい4000万人ぐらい居るんです。
体感値で言えば10万人以下じゃないのかなと思っています。
日本は後進国、でもそれは理由があるなと。一つ目は「税制」かな。
日本の法人がトークンを扱ったゲームになると難易度が高まるんです。
監査の面でもそうですけど、ユーザー視点で考えた時に壁が大きいんです。分離課税か累進課税か、というのは結構大きくて。税金のことを気にせずに後で大問題になるパターンもあると思うので、正しい理解をしなきゃいけない。
もっと技術の進歩に伴って、「あなたの稼いだトークンはこれぐらいで、これぐらい納税しなきゃいけないよ」と簡単に知らせるべきだと思うんです。
そのうちツールなども出てくると思うんですが、それが出てこないとどうしてもリテラシーの高い人しか触れられない。
SHIFT鈴木:それこそ僕がブロックチェーンゲームを知ったのが、日本で『My Crypto Heroes』が出てきたタイミングで、その後にAxie Infinityをやりました。税務の面は本当に面倒です。
自身で確定申告している人だったら慣れもあったりするんですけど、藤原さんがおっしゃった通り累進課税になった瞬間に「本当にこれでいいのかな?」と思う時もあります。
ForN藤原:それがフォーマット化されていれば、多くのユーザーたちは絶対にできるはずなんです。根本的に日本のユーザーってすごく良質なんです。普通は、一般的な大学生が月10万円なんて使えないですよ。
テーマ「現在の国内外のブロックチェーンゲーム企業の戦略について」
1LDK朝岡:ブロックチェーンゲームにおける企業戦略、戦い方っていくつかあるんですか?
ForN藤原:もちろんいくつかあります。普通に単純にトークンを発行して、それこそAxie Infinityで言えば、AXSとSLPというのがあるのですが、うまくトークンを活用してエコシステムを作っていって、トークンで巨大な利益、巨大な価値を作っていきつつ、NFTアセットなども販売できるので、そこで利益を取っていくという方法もあります。
日本の企業だと割とIPが優秀じゃないですか?ここの難しさというのは、やはり民主化がどこまで行われるか、ライセンスホルダーたちもその考え方をどれだけ裾野を広げてあげられる、発想のお付き合いができるかどうか。という点です。
シンプルに言えば怪しいじゃないですか?それこそ二次流通的にIPブランドが汚されてしまったりするかも、など色んなリスクがあると思います。ただ、考えたいなと思ったのが、IPがパチンコに参入してきたことです。
1LDK朝岡:確かに。『FAIRY TAIL』などありますね。
ForN藤原:パチンコやスロットになぜIPホルダー達も参入したのかと、ちゃんと分析したいなと思ったことがありました。どういうメリットとリスクを取ってでもあそこに参入するメリットを感じたのか?グローバルにパチンコやスロットの文化があって市場がすごく大きいものであるなら理由は分かるんですけど。
でもそうではなくて、日本国内のいちエンターテイメントである娯楽、ギャンブル業界の中で自分たちのIPを出すのって「何でそういう結論に至ったのかな?」と紐解くと、もしかしたら答えがあるかもしれないです。
1LDK朝岡:そんな中で藤原さんの会社は、どんな戦略を取って行かれるのですか?
ForN藤原:僕らはコミュニティやギルドという考え方なのですが「YGG」というゲーミングギルドをご存知ですか?まずアクシー(Axie Infinity)の素晴らしさの話をすると、フィリピンやベトナムなどで、コロナによって職を失った方が増えた点が非常に大きな要素なんです。
その時にゲームをプレイする人と、お金を持っている方々をマッチングさせ、そこでスカラーシップという形が生まれました。
お金を持っている方たちがアセットを買い、それを貸し出してその稼いだ分を割合で分けていくようなモデルで、爆発的にヒットを生み出しました。
ギルドにはメリットとデメリットがあると思っています。
まずメリットという面で言えば、立ち上げがしやすいです。
トークンが目を付けやすい点もあるし、プロモーション、マーケティングの側面でも初期ユーザーアセットを獲得するというのが非常に経済圏を作りやすい。流動性も高まるし、非常に取引量も増えるから良いことが多いというのが一つ側面としてあります。
二つ目の側面として危険な点は、ゲーム側が正しい設計を行ったときに、簡単にそのゲーム側のエコシステムなどを破壊する可能性があること。
「GameFi」という言葉がありまして、GameとDeFi。要は金融とゲームが絡んでいるんです。金融とゲームの知識をどっちも混ぜなきゃいけないから、ブロックチェーンゲームを作る人たちは本当天才だなと思います。
質疑応答
―ここで視聴者からの質問にお答えいただきました。
「藤原さんがNFTで指標にしている企業、サービスなどあるのでしょうか?」
ForN藤原:もちろん世界各国のギルドたちです。あとコミュニティ。BlockchainSpaceやGuildFi、もちろんYGGも。海外のVC系の動きなどは非常に注目しています。
「ブロックチェーンゲームの中でゲームであることの必然性が分からないです」
ForN藤原:はい。その通りだと思います。ゲームにしないでNFTで良いとも思いますけどね。 没入しやすかったり、NFTって二次流通などで価値が引き上がっていったりするとは思いますけど。
ゲームであればもちろんトークンの流動性もイベントによって高まってきたりもしますし。NFTには無い要素で、ユーザーが継続的にトークンホルダーとなって流動性を生みやすい点もある、という良さがあります。
SHIFT鈴木:どこかが発表していた統計データで、GameFiユーザーとNFTユーザーとで比較すると、GameFiユーザーの方が裾野自体のユーザーが広いようです。NFTはとっつきにくいなどで、関わりの広がりという意味ではゲームは敷居的に低い感じはします。
ForN藤原:そうですね。でも不思議ですよね。ゲーム内のNFTでも価値で言えば、100万以上付くんです。
その感覚って今までソーシャルゲームをやってきた人間からしたら違和感ありますよね?しかもそれが電子的なウォレットという、ウェブの中にお財布があって、そこでNFTが管理されるのはハラハラドキドキしますよね。
「最近はウォーク系と連動した『STEPN』などの話題になっていますが、その他期待のタイトルなどありますでしょうか?」
ForN藤原:『STEPN』がめちゃくちゃ面白いと思いますよ。Move to Earnっていうのがテーマなんです。僕、自分のスニーカーにそんなにお金を使わないのに、まあまあな金額する靴を人生で初めて買いました。
GPS機能が付いていて、歩くとトークンがもらえるんですよ。靴と靴をブリード、配合するとガチャみたいなのが手に入るんです。
そのガチャを回すとレアリティが靴にもあるんですけど、それをいっぱい持つと体力も増えて稼げるGSTなども増えます。
STEPNは、日本のユーザーもキャズムを超える良いきっかけになるゲームだなと思います。
テーマ「現在のユーザーの動向について」
ForN藤原:ブロックチェーンゲームにおける「パズドラ」「モンスト」が出てくるか?
うまく日本のユーザーのカルチャーとフィットするのかという問題もあると思うし、その時の税制や法律、法整備はどうなっているかという問題もあると思いますし。
あと技術の進化に伴ってウォレットや、暗号通貨の取得の方法など、変わってくる考え方もあるかなとは思うので。そういったものがうまくバチッと嵌れば日本でも市場は立ち上がるかなとは思います。
1LDK朝岡:本日視聴者の方からご質問いただく中で「ゲームで稼ぐのは魅力的だけれども、なぜそこに価値が生まれるのか理解できず資産化というところがぴんとこない」「ゲーム内アイテムに価値を持つ概念が腹落ちしない」というのが、今の市場の声なんだろうなと思いました。
ForN藤原:でも、NFTもブロックチェーン上にもちろん刻まれるので、承認欲求を満たすようなことができると思いますけどね。NFTって価値判断の基準がメジャーじゃないじゃないですか。だから評価しにくいというところもある。例えばバイオリンに興味がない人からしたら「これ1億円」と言われたら「1億の価値分からないし」という話と多分一緒だと思うんです。
ここで、ゲストの皆さまから最後に一言頂きました。
ForN藤原:もうちょっと突っ込んだ話をするかどうか、難しいところもあったりしましたが、ご興味ありましたらぜひ視聴者の方々にご連絡いただいて、別でお話できると非常に嬉しいです。
SHIFT鈴木:藤原さん含めて皆さん、ご参加いただいた方ありがとうございました。いずれDAO的チームやNFT特化型チームの立ち上げをしたり、皆さんそこだけで色々喋ってみたり、そんな挑戦があっても面白いかなと思っておりますので、そういった機会についてはご連絡をさせていただければと思っております。
本日はありがとうございました。
―ここでトークセッションも終了。
いかがでしたでしょうか?今後も「SHIFT Game Producer Meetup」を開催してまいります。ご期待ください!
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