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JaSST'24 Hokkaidoに参加してきました


はじめに


こんにちは! QAエンジニアの稲田です。

8/23(金)に開催されたJaSST'24 Hokkaidoに現地参加してきました✈️

本ブログでは、こちらの参加レポやそこでの気付きについて共有していきます!

JaSSTとは


全国10か所で開催されるソフトウェアテストに関するシンポジウムです。

各都道府県でテーマが異なっており、講演やワークショップなどを通じて、ソフトウェアテスト分野の幅広い情報が得られる場所でありつつ、テスト技術に関心が高い参加者が集まり交流を深められる場となっています。

今回は北海道で開催された、JaSST'24 Hokkaidoに参加してきました!

基調講演


『ソフトウェア品質のダンジョンマッピング』鈴木 一裕 氏(日立製作所)


テスト実行から始まり、バグ分析によるプロセス改善まで、階層構造(まさにダンジョン!)でQAエンジニアのリスキリングを探っていく、といった、今回のJaSSTのテーマ「りすっきりんぐテスト」につながる内容でした。

そういうことあるある!という内容がたくさんあり、興味深く聴くことができました。

バグ分析が必要な理由

(出典:鈴木一裕_JaSST'24 Hokkaido ソフトウェア品質のダンジョンマッピング_2024/8/23_https://speakerdeck.com/kzsuzuki/mapping-the-dungeon-of-software-quality-bf56ae44-f4e2-4d08-a457-98c8bbba1c32?slide=27

QAエンジニアとしての活動の中で、なぜバグ分析にQAエンジニアは時間をかけるべきなのか、なぜの部分が言語化されていてすごく腑に落ちました。

バグ分析は極めれば極めるほど、根本である「チームの開発力」の底上げに通じるんですね。

これからもバグ分析能力を高めていくぞ!とモチベアップにつながりました。

テスト設計技法の広がり

(出典:鈴木一裕_JaSST'24 Hokkaido ソフトウェア品質のダンジョンマッピング_2024/8/23_https://speakerdeck.com/kzsuzuki/mapping-the-dungeon-of-software-quality-bf56ae44-f4e2-4d08-a457-98c8bbba1c32?slide=50

アジャイル開発とともに普及の進んだ技法については

  • 探索的テスト

  • シナリオテスト

の2つが挙げられており、探索的テストについては実業務で頻繁に行なっている内容であるため、聞き入りやすかったです。

探索的テストは実施するにあたり、属人化するものであるものの、バグの検出効率が高い点が自分の認識とも一致しており、加えてその部分によりアジャイル開発と相性がよく、それにより普及が進んだという点が興味深かったです。

今後(現在含む)の流れとしてのAI4QA(QAのためのAI)の箇所では、仕様やテストモデルを生成AIにうまく答えてもらうためには、スクリプトで正しくわかりやすく伝える技術としての言語化能力が必須であることが印象に残っています。

言語化能力(私はわかりやすく論理的に伝える技術と読み替えました)の重要性を再認識しました。

招待講演


『食と農のプロデュースからVTuber運営も。いろいろこなすHTAの企業経営』中村 剛(HTA 代表社員)

SEからキャリアをスタートした中村さんが、何を学び経験してきたことによって、投資、コンサル、執筆活動、メディア、商品開発など幅広い分野の今の仕事に活かされているのかという内容でした。

特に以下の内容が印象に残っています。

  • 大学で改めて学んだ人文系の学問を通して身に付いた言語化能力が今役立っている

  • いろいろな能力を身に着けることで後で役に立つ

  • 学び直しをすることで、その時は無駄だと思ってもあとで展開・適用できる

「企業経営」とタイトルに入っていたため、「どんな内容で今回のJaSSTのテーマとつながっていくのだろう?」と思っていたのですが、考え方としてどの分野としても通ずるものはあるのだなと思いました。

個人的には、変わった案件の紹介のお話で、農家の方のビニールハウスを建てるのをお手伝いしたエピソードが面白かったです。

利益とは金銭的な側面があるのはもちろんではあるものの、動画のネタとして使わせてもらったり、畑の一部に食べたい野菜7年分(!)を育ててもらう、といったような満足感を含んだものでもある、という内容が印象的でした。

ブース


SHIFTではスポンサーブースを出してきました。

テーマはこちら!

「あなたならではのテスト観点を教えてください!」

今回は参加型のコンテンツを用意してみました。

SHIFTでは蓄積したナレッジを結集した標準観点一覧があるのですが、この会場でのテストの観点一覧を作れたら面白いのではないか?という目的で出してみました。

SNSでの拡散もいただいたのもあり、たくさんの観点が集まりました!

基本的な観点というよりは、過去出会った面白い観点が集まった印象です。

貼っていただくにあたって、「そういうのもあるよね。」「こういうものもあるのではないか?」など、情報交換や議論のような会話をさせていただくのがすごく楽しかったです。

ブースに来ていただいた方と情報交換をしている様子

どういうものを求めるのかをもう少し明示的にやるともっと深堀りできたかも、とも思ったので、次回はカテゴリや象限など、聞きたいところを絞って聞いてみるのもありだな、と思いました。

オフラインならではの参加型のコンテンツ、やってみてよかったです!

ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました!

参加メンバーからの声


今回SHIFTから参加した品質保証PMの岩館さんからも、感想を聞かせてもらいました!

初めてJaSSTに参加したのですが、基調講演「ソフトウェア品質のダンジョンマッピング」でお話されていた、「プロセス改善」「渋谷交差点の価値」に関するトピックが心に残っています。

QAエンジニアをベースにした発表で、聴衆の巻き込み方も内容も終始魅力的でしたが、その中でも「渋谷交差点の価値」に関するお話は印象深かったです。海外からの観光客が、人が行き交い混雑する「渋谷スクランブル交差点」を一目見たいと考えているのに対して、例題での案内役の日本人は「それであれば混み合う前の午前中早めにじっくり交差点を観光しよう」と提案してしまいます。 

海外の観光客が、渋谷スクランブル交差点の何に魅力を得ているかは明白であり、例題では分かりやすい事例でしたが、良かれと思った提案であってもサービス提供側とお客様の求める価値がズレている可能性が有ることを示した一例でした。 

また、「テスト分析」「テストプロセス」が大事だとの話はその通りであり、それらが重要であることを改めて答え合わせしながら、プロジェクトを進める意義を再確認した次第です。

展示ブース出展でも、業界の様々な著名人や業界関係者と品質に関して対話することができ、JaSST'24 Hokkaidoに参加出来て大変貴重な機会を得ることが出来ました。

まとめ


JaSST'24 Hokkaidoのテーマ「りすっきりんぐテスト」にある通り、自分にとって今あるもの、さらに学び直すべきものを再確認しました。

「アジャイルQAエンジニアとして足りない部分をどう埋めていくのか」も考えさせられたので、他のイベントにも参加していろいろな事例発表をたくさん聞いて、自分の中の知識と紐づけて昇華させていきたいと思いました。

学び直しと聞くと少しハードルが高いと思っていたのですが、そうではなく、自分の今なんとなくやっているものを言語化するだけでも意味のあるものになるんじゃないかなと思いました!

ブース企画の部分から参加して、大変な部分もありましたが、それが自分の経験の一部として成長につながると確信しています。

今回は地方JaSSTならではのおすすめスポットを教えてもらったりなど、とても楽しい参加となりました。

JaSSTは全国10か所で開催されています。知識を広めるというよりつながりや相談会のような温かい場ですので、興味がある方はぜひお近くのJaSSTに参加してみてくださいね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

Let's reskilling!

SPECIAL THANKS


戸川 慶太さん
岩館 大志さん
高橋 雄太さん
中野 晴菜さん


執筆者プロフィール:稲田緑
2021年に住宅業界から第二新卒・全くの未経験でSHIFTに入社。
現在はQAエンジニアとして、成長できるよう日々奮闘中。
人と話すのが大好き。ついつい余計な事まで話してしまう。

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PHOTO:UnsplashNathan Dumlao