S/4HANA Cloud 社内向け学習環境構築記~5~S/4HANA Cloud環境のユーザ登録
はじめに
こんにちは。株式会社SHIFT SAPグループの八木です。SAPグループの社内教育を担当しています。
この記事の想定読者
SHIFTの社内教育に興味がある方
SAP未経験者への教育に興味がある方
SAP S/4HANA Cloudの非商用ライセンス環境利用に興味がある方
SAP S/4HANA Cloudの初期設定に興味がある方
この記事のゴール
SAP S/4HANA Cloud”Cloud test, demo, and development for SAP S/4HANA Cloud, one-system landscape”の環境構築の経験談を知ることができます。
ユーザを登録してみんなが使えるように!完成まであと一歩!
前回の記事 では、 CBC Central Business Configurationでの初期設定について説明しました。
これまでに行ったプロビジョニングの手続きで、以下の4つの環境が有効化されています。
SAP Cloud ALM - Production
SAP Central Business Configuration - Test
SAP S/4HANA Cloud Partner Demo - Customizing
SAP S/4HANA Cloud Partner Demo - Development
以下の手順でシステムの設定を進めていきます。
CBCへのアクセス
CBCの初期設定
S/4HANAの初期設定 <<今回のブログではこの手順について詳しく説明します
Cloud ALMの初期設定
購入後の手続は、Roadmap Viewer のS/4HANA Cloud, public edition 向け SAP Activate (3 システムランドスケープ)の記載を参考に行いました。
ビジネスユーザ(Business User)と要員(Worker)
S/4HANA環境で最初に実施することはユーザの登録です。 S/4HANA環境の「ユーザ」に関する設定にビジネスユーザ(Business User)と要員(Worker)という2つがあります。 私が読み解く限り、以下のようなものです。
Worker :HR領域で使う「従業員マスタ」のようなもので、SAP Success Factors等、HRソリューションと連携して使うID
Business User:S/4HANA Cloudを使うための「ユーザ」のような役割を果たすもの
SAP ERP(ECC)ではSAPへのログオンに使う「ユーザ」を直接登録できましたが、S/4HANA Cloudでは、Workerが登録されていないと、Business Userが登録できません。
SAPのヘルプポータルにも以下の注意書きがありました。
管理者ユーザの設定
管理者のビジネスユーザは、購入時に申請した管理者のメールアドレスでSAP側が初期設定してくれます。そのビジネスユーザでログインした後、ビジネスロールを設定し、Worker情報の紐づけを行いました。
ビジネスユーザのビジネスロールの登録
既存のビジネスロールテンプレートをコピーして、管理者ユーザに割り当てました。
要員情報の更新
登録済みの要員情報に対して、Worker ID(要員ID)の項目が未入力の状態なので、IDを入力しました。
一般ユーザの設定
管理者ユーザの登録完了後に、一般ユーザの登録を行いました。
S/4HANA Cloud環境を使う人をユーザとして登録します。登録の流れは以下のとおりです。
要員登録
ビジネスユーザ登録とロールの割当
IAS(Identuty Authentication Service)へのユーザのアップロード
認証メールの送信と各ユーザによる有効化
要員登録
要員登録アプリを使って登録します。テンプレートをダウンロードして情報を入力し、アップロードしました。テンプレートの項目にデフォルト言語を指定する項目があり、日本語で利用するユーザのためにこの設定をJAにしてアップロードしました。
ビジネスユーザ登録とロールの割当
要員を登録すると同時にビジネスユーザも作成されました。作成されたビジネスユーザに対して、ビジネスユーザ更新アプリの一括変更の機能を使って、ビジネスロールを一括で割当てました。
この設定の際に割当てたビジネスロールの一部のみが設定された状態になるという問題が発生しました。原因を調査したところ、割当てるビジネスロールを選択した際に、一覧を下までスクロールしないで全選択にチェックを入れた場合、表示されているロールのみが選択されるという動きであったためという事がわかりました。
一覧を一番下までスクロールしてから全選択のチェックを入れることでこの問題を解消できました。
IAS(IdentityAuthenticationService)へのユーザのアップロード
まず、S/4HANA Cloudの環境で、登録したビジネスユーザを、ビジネスユーザ更新アプリの「IDPのダウンロード(DownloadforIDP)」の機能を使ってファイルにダウンロードしました。
次に、IASにログインし、S/4HANA Cloudからダウンロードしたビジネスユーザのファイルを使い、IASにユーザのインポートを行いました。
認証メールの送信と各ユーザによる有効化
ユーザのインポートが終わると、インポートしたユーザのメールアドレスにアクティベーションのメールが送信されました。 初回設定時には自動で送信されたように思いますが、現在はアップロード完了後にメール送信ボタンをクリックして送信する形になっています。
各ユーザが受け取ったメールをクリックして、パスワード設定を完了すれば、テナントの利用が可能になります。
終わりに
今回はSAP S/4HANA Cloud”Cloud test, demo, and development for SAP S/4HANA Cloud, one-system landscape” S/4HANA CloudのCustomizing環境でのユーザ設定について書きました。
これで伝票登録、マスタ登録ができる状態になりました。次はBest Practiceを参照して行ったマスタ登録と伝票登録について書きたいと思います。
なお、本ブログに記載内容は筆者本人の経験談となります。実際の設定手順はSAP社が提供する資料をご参照ください。
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