テスト実行経験がないけどテスト実行管理をやってみた~後編~
まえがき
半年前、私はひょんなことからテスト実行経験がないのにテスト実行管理を行いました。タスクのサイズの出し方がわからなかったり、開発が遅れていたりいくつもの壁がありました。そして乗り越えた先にはまた壁があります。
今回は後編となります。
前編をまだお読みでない方はこちらからお願いします。
【テスト実行経験がないけどテスト実行管理をやってみた~前編~】
第四の壁 どこまでテストした?
「ここってテストしてる?」
案件管理者Ⅿさんに聞かれて私はすぐに答えられなかった。
仕様の手順に沿って操作し、障害の確認を行うシナリオテスト。それを私はどこまで確認しているのか把握していなかった。その辺は前管理者がきちんとやってくれているだろうと思っていたからだ。
「どこまでシナリオテストを行ってるのかわかんないから、見えるようにしといて!!」
「承知しました!!」
今回も何をするのかあまり考えず、勢いで返事をしてしまって後で困ることになった。
30分後…
「やるとは言ったんですが、どうすれば可視化できますか…??」
結局私はⅯさんのところに戻ってきた。
そこで教えてもらったのがシナリオフロー図だ。
シナリオフロー図とは業務の流れを箱と矢印を使って図で表したもの。
この画面は目的に沿ってユーザーがどのような流れで使用するのか、それを一通り作成し、シナリオテストに含まれていないものを発見することができた。
テスト実行範囲だけでなく仕様整理にも役に立つ技術だ。活用していこう。
余談だが、このシナリオテストによって障害が見つかった。もし、漏れたままだったら大変なことになっていた…。
第五の壁 テストの実施漏れが発覚
私たちはテスト実行をする際に「CAT」を使用している。「CAT」とは弊社が提供するソフトウェアテスト管理ツールだ。テストケース数の可視化や障害の共有など様々な機能がある。(CATについて詳しくはこちら)
テスト実行も後半に差し掛かったある日のこと。私はその日もテスト実行管理を行っていた。しかし、CATに上がっている残りのテストケース数と、自分の見積もっていたテストケース数が合わない。何故だ。
調査の結果、設計書のCATへの上げ忘れが発覚した。
今回のフィーチャーは全編で記述した通り長期的なものであった為、テスト実行ケース数も約2000ケースあった。その分、設計書の数も40個以上あった。その中の1つが漏れていたのだ。実行ケース数が極端に多いものでもなかったので、影響はあまりなかったのは良かったが、対策が必要だ…。
CATは仕様上、No順(CATにアップロードした順)や仕様書タイトルの五十音順、ケース数順などで並べ替えることができる。今回のように仕様書の数が多いとどこまで何がアップロードできていて、何がアップロードできていないかの判断はしづらい。又、設計書に修正があるときは再度アップロードするので、No順で管理するのは難しいところがある。
であればすべての設計書にナンバリングをするのはどうだろうか。このフィーチャー内では実施できなかったが後に別フィーチャーで実施をした。
設計書のナンバリングはCATのあげ忘れだけでなく、どの設計書化を番号で簡潔に人に伝えることができるので実行管理者目線でも非常に良かった。今後もこれは継続していきたいと思う。
第六の壁 言いたい事が言えない
「何も発言しないのなら会議に参加する意味はない」
これは上司に口酸っぱく言われていた。しかし、そう言われても自分より開発の知識がある協力会社の人たちに意見を言うのは少し勇気がいる。質問をして「こいつ何言ってんだ」と思われるのが怖かった。
そんなことに悩んでいたある日のこと。テストの進捗についての共有や、仕様についての確認を目的とした「開発夕会」をテストチームがメインとなって週2回実施することになった。開発の人ともっと関わることのできる環境を作ろうと思い、私は勇気を出してそのファシリに立候補をした。
週2回、あまり関わったことのない開発の人たちと自分がファシリとなって意見を交換する。それも数回行うと不思議と緊張もしなくなるものである。又、自分のわからない部分を開発の人に個人的に時間を取ってもらって教えてもらうということもあった。
私は気付いた時には開発とのコミュニケーションへの恐怖心が消えていた。チャットでの連携も今までよりしやすく感じた。自分で逃げられない環境を作っておいて良かったと感じた。笑
テスト実行も全て終わり、不安な部分は探索的テストやSTGテストも終えた。
全ての壁を乗り越えてついに本番リリースの日が来た…。
第七の壁 本番リリース?
となると思ったが案外、本番リリースは何もなく終えた。笑
最後に
前編に引き続き最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事が『はじめて実行管理を行う人』の参考になったら嬉しいなと思います。
【テスト実行経験がないけどテスト実行管理をやってみた~前編~】
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