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JaSST'21 Tokai で学んだ『ソフトウェアファースト時代のテストの在り方』|イベント参加レポート

はじめに

こんにちは。株式会社SHIFTでQAエンジニアをしている坪根です。今回は2021年12月3日(金)に開催された、JaSST'21 Tokaiに参加してきました。忘れないうちにセッションで学んだことと感想を残していきたいと思います。

ちなみにJaSST'21 Tokaiのテーマは、
「みんなでやろう! ソフトウェアファースト時代のテストの在り方」です。

参加したセッションは以下になります。

【基調講演】
「もうちょっと楽に単体テストしませんか?」
(高橋 寿一氏・デジタルハーツ)

【特別講演】
「アメリカで働くQAエンジニアの現場から - Ask Me Anything! -」
(植月 啓次氏・Amazon.com Services LLC)

■基調講演レポート|もうちょっと楽に単体テストしませんか?

講演者:高橋 寿一氏・デジタルハーツ

単体テストとは?

講師の方の著書によると日本では単体テストに以下の意味が混在しているそうです。

・コードに対する確からしさを確認するテスト
・単機能に対するテスト

講演では単体テストを前者の「コードに対する確からしさを確認するテスト」の意味で使われていました。

高橋 寿一 34ページ「ソフトウェア品質を高める開発者テスト アジャイル時代の実践的・効率的なテストのやり方」より引用

なぜ単体テストが必要なのか?

上流工程の単体テストをすることで、開発コストを減らせるからです。

なぜ開発コストを減らせるのか?

上流工程の単体テストをしなければ、下流工程のシステムテストでバグを修正することになりますが、出荷日を優先することで、出荷後に市場バグが発生する恐れがあります。

同じバグを修正する場合、後の工程で修正するほど開発コストは高くなるため、上流工程で単体テストをすると開発コストを減らせます。

どうすれば楽に単体テストができるのか?

2:8の法則を使えば単体テストを実施する対象を絞れます。
8割のコードからは致命的なバグは出ないので、残り2割のコードを網羅するように単体テストを実施すれば、単体テストで見つけるべきバグは見つけられるからです。

2割のコードは具体的にどのファイルのコードか?

TOP.1 よく変更されるファイル
TOP.2 長いファイル
TOP.3 複雑度が高いファイル

《このセクションの感想》

今後下流工程のシステムテストが減り、上流工程の単体テストが増えても、以下をすることで、品質向上に寄与できそうだと感じました。

・今まで学んだテスト手法を活かして単体テストのコードレビューに参加する
・下流工程のシステムテストにかけていた分の工数で、定量的な品質指標の定義をする

■特別講演レポート|アメリカで働くQAエンジニアの現場から - Ask Me Anything!

講演者:植月 啓次氏・Amazon.com Services LLC

植月氏はAmazonでQAエンジニアを担当されており、現場の生の声を届けてくださいました。 講演資料を公開されているので気になった方はぜひご覧ください。

仕事の進め方について

テスト設計書などのレビューは、初回は対面レビューを実施し、次回からはドキュメント上でコミュニケーションを取り、効果的・効率的な非同期コミュニケーションを目指しているそうです。ドキュメントの背景が伝わるように初回の対面レビューで説明しているそうです。レビュー以外のmtgも非同期で実施しているそうです。

働き方・カルチャーについて

■以下の理由から労働時間は短くないそうです。
・同じ会社のほかの国の人とも働いているので、夜MTGするしかない。
・日本と比べてアメリカは祝日が少ない

■また、条件次第で転職は積極的なので、人の入れ替わりは激しいですが、業界が成長しているので解雇はあまりないそうです。

待遇について

QAエンジニアの給与は日本(平均540万円)と比べてアメリカ(平均838万円)のほうが高いそうです。ただしアメリカは地域によって物価が違うので、高ければいいわけではないそうです。

単体テストについて

単体テストについて質問された方がいらっしゃったのですが、Amazonでは単体テストはSoftwareエンジニアが実施しているそうです。

《このセクションの感想》

非同期コミュニケーションについて興味があったので、お話を聞けて良かったです。ドキュメントの背景を伝えるために対面レビューを実施し、ドキュメントの背景が伝わってからはドキュメント上でのコミュニケーションに切り替えるというやり方は、私自身の業務に取り入れたいと思いました。

JaSST'21 Tokaiに参加した感想

  • 普段の業務から離れて講演を聞くことで、視座が高くなり、視野も広くなったように感じました。

  • コロナ禍なのでオンラインのイベントが増えており、講演後に実際に会って交流できませんが、逆に初参加の場合のハードルは低くなっているように感じました。

  • なのでオンラインの外部イベントにもっと参加して、イベントで得たナレッジを普段の業務に活かしたり、同僚にシェアして、普段の業務での品質向上に寄与したいと思いました。

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執筆者プロフィール: 坪根 圭佑
ERPパッケージソフトの開発会社で会計ソフトの手動テストを2年経験したのち、2019年にSHIFTに参画しました。普段はAPIテストを担当しています。

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