デジタル時代のサバイバルガイド:運用保守とグローバルリスク
はじめに
皆さん、こんにちは!SHIFTの竹澤です。通信メディアのお客様向けにシステム運用支援のサービスを提供しながら、お客様のビジネスをITで後方支援に従事しています。
今日はちょっとしたクイズから始めましょう。
あなたの会社は、デジタル化の波に乗っていますか?それとも、グローバルリスクの渦中で足踏みしていませんか?
DX(デジタルトランスフォーメーション)がビジネス界の最新トレンドとなっていますが、情報システム部門の皆さんは、日々の運用保守に追われているうちに、世界的なリスクに目を向ける余裕がないかもしれませんね。
でも、ちょっと待ってください!
運用保守とグローバルリスクは、実は密接な関係があるのです。
今日はその理由を、楽しく、そして分かりやすくお話ししましょう。
運用保守って何?と思うかもしれませんが、これはシステムや設備がスムーズに動き続けるための活動のこと。一方、グローバルリスクとは、世界中の企業や組織に影響を与える外部の脅威や不確実性のことです。
では、具体的にどんなリスクがあるのか、いくつか例を挙げてみましょう。
経済情勢
世界は常に変動しています。ベンダーの合併や買収、市場の恐慌などが起こると、ビジネスに大きな影響を及ぼします。例えば、VMwareがBroadcom に買収されたとき、多くの人がライセンスの変更に頭を悩ませたことでしょう。
このようにベンダー側の合併や買収により製品やサービスの合理化や価格の改定によって業務の中断や不確実性が発生したり、変化を余儀なくされたり、コストが上昇したりする可能性があります。このまま使い続けるか、パブリッククラウドに移行するかあるいは他社製品に移行するか、判断を迫られます。
今後も経済情勢に関して鋭くアンテナを張り、リスク回避や危機管理の戦略を構築する必要があります。
サイバーセキュリティリスク
インターネットの世界は、サイバー攻撃やデータ侵害のリスクが満ち溢れています。これらは国境を越えて発生し、企業や政府のITシステムに甚大な影響を与えることがあります。
以下に具体的なリスクをいくつか挙げてみます。
データ侵害
個人情報や企業の機密情報が不正にアクセスされ、盗まれるリスクがあります。これは、個人のプライバシー侵害や企業のビジネスに大きな損害を与える可能性があります。サイバー攻撃
マルウェアやフィッシング、DDoS攻撃などのサイバー攻撃により、システムがダウンしたり、データが改ざんされたりするリスクがあります。サイバー犯罪
サイバースペースを利用した詐欺やハッキングなどの犯罪が増加しています。これにより、個人や企業、社会全体が被害を受ける可能性があります。サイバー戦争
国家間の対立がサイバースペースに広がり、サイバー攻撃によるインフラの破壊や情報戦争が行われるリスクがあります。
これらのリスクは、技術の進化やデジタル化の進展に伴い、ますます複雑化・高度化しています。そのため、企業や政府は、サイバーセキュリティ対策を強化し、これらのリスクを適切に管理する必要があります。
法規制の変更
データ保護法や貿易規制など、国によって異なる法律の変更は、国際ビジネスに大きな影響を及ぼします。
以下に具体的な例を挙げます。
貿易規制
貿易戦争や関税の導入、輸出入規制の変更などは、国際貿易に大きな影響を及ぼします。例えば、障害で海外メーカーの部品を交換するため海外から発送するとき納期が遅延したり、莫大なコストがかかったり、はたまた部品が届かず早期復旧ができない可能性もあります。データ保護法
GDPR(一般データ保護規則)のようなデータ保護法の導入や改正は、企業のデータ管理やプライバシーポリシーに影響を及ぼします。税制改革
企業税率の変更や新たな税の導入は、企業の財務状況や投資判断に影響を及ぼします。環境規制
炭素排出量の規制強化や再生可能エネルギーの推進などは、エネルギー産業や製造業に影響を及ぼします。データの所在地
クラウドサービスを利用する際、利用者のデータを保管する国がどこかにより、各国保管するデータやサーバにまつわる法規制が異なります。海外では保管するデータに法規制があり、不用意にデータ転送や保管をすると法に抵触している可能性があります。
これらのリスクは、企業が新たな市場に進出する際や、既存のビジネスを維持するためには適切に管理する必要があります。また、法規制の変更は予測が難しく、突如としてビジネス環境を変える可能性があるため、その対応は企業の経営戦略において重要な課題となります。
技術の進化
AIやクラウドコンピューティングのような新技術は、企業や社会に新たな課題をもたらします。これらの技術は急速に普及しており、企業は変化に対応する必要があります。
以下に具体的な例を挙げます。
サイバーセキュリティリスク
デジタル化やIoT(モノのインターネット)の進展により、サイバー攻撃のリスクが増大します。これは企業の情報資産だけでなく、社会インフラにも影響を及ぼす可能性があります。プライバシーリスク
ビッグデータやAIの発展により、個人情報の取り扱いに関する問題が増えています。データ保護法の遵守やプライバシーの保護は、企業の社会的責任となります。雇用リスク
AIやロボット技術の進化により、一部の職種が自動化され、雇用に影響を及ぼす可能性があります。技術格差
技術の進化は一部の人々や地域に恩恵をもたらす一方で、他の人々や地域は取り残される可能性があります。これにより社会的な不平等が増大する上、ユーザが求めている商品やサービスが提供できないなど大きな機会損失につながり、デジタル競争の敗者となる恐れがあります。既存ITシステムの崖(2025年の崖)
2018年に経済産業省が発表したDXレポートによると、「複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合、2025年までに予想されるIT人材の引退やサポート終了等によるリスクの高まり等に伴う経済損失は、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)にのぼる可能性がある※1」と説いております。レガシーシステムの継続利用に伴う影響とは、膨大なデータや技術を活用しきれずDX推進が実現できない上、IT人材の不足により運用保守する担い手が足りないことや、ベンダーサポートが終了などで、既存業務基盤の維持や継承が困難になる可能性があります。
※1 DXデジタルトランスフォーメーション レポート
~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~ (2018年9月リリース)より抜粋
これらのリスクは、企業だけでなく政府や社会全体で対策を講じる必要があります。また、これらのリスクを適切に管理し対策を講じることで、新たな技術の恩恵を最大限に引き出すことが可能となります。
人材不足
ITスキルを持つ人材の不足は、企業の成長を阻害し、イノベーションを遅らせる可能性があります。
以下に具体的なリスクをいくつか挙げてみます。
事業成長の阻害
企業が新たなビジネスチャンスを掴むためには、適切なスキルや知識を持つ人材が必要です。人材が不足すると、事業の成長が阻害される可能性があります。イノベーションの遅延
技術的なイノベーションを推進するためには、高度なスキルや専門知識を持つ人材が必要です。人材が不足すると、イノベーションが遅れ、競争力が低下する可能性があります。労働コストの上昇
人材が不足すると求人に対する競争が激化し、労働コストが上昇する可能性があります。これは、企業の利益に影響を及ぼす可能性があります。社会問題の深刻化
特定の職種や業界で人材が不足すると、社会的な問題が深刻化する可能性があります。運用保守の場合では既存業務基盤の維持もままならず、業務基盤停止などに陥る可能性もあります。
これらのリスクを管理するためには、企業や政府は、教育や訓練の機会を提供し、人材の育成や引き留めに努める必要があります。また、多様なバックグラウンドを持つ人材を活用するなどキャリアシフトをすることで人材不足の問題を緩和することも可能です。
まとめ
さて、これらのリスクをどう管理するかが問題です。運用保守とグローバルリスクは、企業の持続的な成長や安定性を確保するために重要な要素です。リスク評価や予防策、対応策を策定し、適切なリスク管理体制を構築することが必要です。
SHIFTでは、これらのグローバルリスクに対応するための多様なサービスを提供しています。もし、これらのリスクに少しでも心当たりがあるなら、ぜひお気軽にご相談ください。私たちの専門コンシェルジュが、お客様の課題をアセスメントし、ご要望に応じた最適なサービスを提案いたします。
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