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現役UIUXデザイナーがオススメする!本当に使えるデザインシンキングの手法:エクストリームユーザー編


はじめに


こんにちは。SHIFT DAAE(ダーエ)戦略部でUIUXデザインを担当している山田と申します。初めての寄稿、何かみなさまのためになれば、ということで、今回は表題のような記事を書いてみました。

この記事を書こうと思った経緯

最近、といってもちょっと前ですが、デザインシンキング(デザイン思考)というものが世の中から注目を浴びることが多くなりました。デザインシンキングとは、端的に言うとデザイナーが日常的に行っている思考や発想をフレームワーク化した、新しい思考法のことです。

一般的なロジカルシンキングではたどり着きづらかった思考や発想を、デザインシンキングを用いることで新しく発見し、ビジネスにイノベーションを起こそうと期待されています。

……という概要を見ると「なんだか良さそうなものだな」と感じられると思いますが、私はこのデザインシンキングにはとても大きな課題があると考えています。

それが、

具体的にどうしたらいいのかわからない

です。

「いやいやそんなもの、デザインシンキングを謳った本に書いてあるだろう」とお考えかもしれませんが、書いてある事例はキレイでうまく行き過ぎている事例が多く、かつ導入元が元々自由度の高そうな会社・組織であることが多く、どうにも自身では生かせなさそうに見えてしまうのです。

また、「デザインシンキング」という言葉のダイナミックさが先行してしまい、現場に立たない経営層にとって耳聞こえの良い内容に終始していることも多く、この場合は概要ばかりがクローズアップされ、漠然とデザインシンキングが万能なイノベーションツールに見えるので"導入する"ことのみが決まってしまいます。

そうすると、現場の担当者がいざ自社で取り組もうとしたとき、具体的にどうしなければならないのか・何を評価するべきなのが不明瞭で、そのギャップに直面した結果として導入を断念する、というケースも散見されます。

非常にもったいないですね。

そこで、現役のUIUXデザイナーである私が、どのように日常の中でデザインシンキングを用いて仕事をしているか、本当に使える具体的な手法を個人的にお伝えしよう!というのが今回の記事の主旨です。
この記事を通して、もし皆さんの行き詰っているアイデアが少しでも前進するきっかけになれば、嬉しいです。

この記事はこんな方におすすめ

  • 新しい施策やアイデアに行き詰っている人

  • デザインシンキングを用いてみたいがどうしていいかわからない人

  • デザインシンキングが本当に効果的なのか懐疑的な人

エクストリームユーザーを観察する


第1回の今回は「エクストリームユーザー」について紹介します。

多くの場合、サービスグロースを行う場合はどれだけの人に届くか・受け入れられるかをベースに施策を練ると思います。

もちろんこれは当たり前で、9割のユーザーに受け入れられないサービスは発展しないですし、9割のユーザーから同じフィードバックをもらっていた場合、それに対応しなければサービスは衰退していくでしょう。
この考え方はすべての根本にあるべきだと、私も考えています。
またマスマーケティング系の話は、当たれば大きいパイを取れるため、上司からのGOもかかりやすいものと思います。

一方、今回ご紹介する「エクストリームユーザー」は、ターゲットとするユーザーの中で最も尖ったヘビーユーザーのことを指します。

このエクストリームユーザーを徹底的に観察することで、一般的なユーザーインサイトとは異なるインサイトを発見することができ、こちらが想定していないプロダクトの使い方や偶然解決してしまっている課題などを洗い出すこともでき、最終的には一般的なロジカルシンキングではたどり着きづらい、新しいアイデアを生むことができます。

まん福の事例


具体例をを用いて説明します。
私は現在メインでは「まん福」という、福利厚生型ふるさと納税サービスのUIUXに従事しています。

※まん福はこちら から

ふるさと納税を利用されたことのある方なら、何となくわかると思いますが、ふるさと納税は年末にかけて非常に利用が伸びます
大みそかに紅白歌合戦を見ながら、滑り込みで何に申し込もうかな、と考えられている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

非常に利用が伸びる=この時期に多くの一般的なユーザーが集まって行動している、ということになるので、この時期に申し込みを促進できるような施策を打つというのは、当たり前に行わなければならないマーケティングと言えるでしょう。

一方、上記のエクストリームユーザーに視線を伸ばしてみます。
何をエクストリームユーザーとして設定するかは様々あると思いますが、今回はわかりやすく、ふるさと納税の利用額が大きい方をエクストリームユーザーと設定してみましょう。

この方の行動を追ってみると、年末に集中せず、何なら年始から時折利用しているケースがあるようです。
何故でしょうか。ふるさと納税の大ファンなのでしょうか?

当人にヒアリングしてみると、そんなことはなく、
「上限額まで申し込みたいが、一気に申し込むと返礼品もまとめて届いてしまい、冷凍庫がいっぱいになってしまう」
という理由からのようです。

このインサイトは年末に滑り込みで申し込むユーザーからは中々得られないもので、しかしながらサービスの改善点として非常に的を得ている意見でもあります。

これが分かれば、あとはこの課題を解決できるよう、例えば年末以外でも定期的に利用しやすいような仕組みを考慮することで、サービスをグロースさせることができそうですね。

もしくは冷凍庫がいっぱいだという理由であれば、いっそ据え置きの冷凍庫をプレゼントしてあげてもいいのかもしれません。
仮にふるさと納税の利用額が大きい方が皆さん広々とした家に住まわれているのであれば、冷凍庫を置くスペースも用意してくれるかもしれません。
それで利用が伸びれば、これも施策として成功と言えるかもしれません。

何となく、面白そうなアイデアが出てきましたね。
もう一つ、プラクティスということで事例を出してみましょう。

コワーキングスペースの事例


コワーキングスペースは現在非常に数多くあり、スポットで入れるものから会員限定のものまで、そのサービスの内容や質は多岐にわたっています。
群雄割拠となったコワーキングスペース業界において、どのようにすれば利用者を獲得することができるでしょうか。

まず、一般的なマーケティングで考えると、コワーキングスペースを利用したい人が自社のコワーキングスペースに来てくれるためにはどうしたら良いかを考えます。

この場合は、例えば衛生面に気を使ったり、ゆとりのある座席構造にしたり、無料で飲めるドリンクをちょっとリッチなものにしたり、価格を抑えめにしたり、ということになるでしょうか。
どれもサービスグロースには必要な施策と思えます。

一方でエクストリームユーザーに着目してみます。
今回は週7でコワーキングスペースを利用している人をエクストリームユーザーに設定してみましょう。
週7も利用するのであれば、そのお金を使って自宅にいい環境を作ればいいのではないか?もしくは普通にオフィスに出社すればいいのではないか?と一般的には考えますね。
何故週7もわざわざ利用するのでしょうか。

ヒアリングしてみると、
「そもそも週7同じコワーキングスペースにいるわけではなく、幾つかのコワーキングスペースを契約している。どこにするかは気分で決めることもあるが、同じコワーキングスペースユーザーの仲間が今日は○○にいる、と言っているからじゃあ自分も今日はそこにする、という感じで決めたりする」
とのことでした。

このインサイトが分かった地点で、コワーキングスペース自体の質を刹那的に高めても、このエクストリームユーザーにはあまり即効的な効果は見込めなさそうなのがわかりますね。

むしろ彼らにとっては「誰がいるか」の方が大事で、そうすると様々なコワーキングスペースを横断してどこに誰がいるかがわざわざLINEなどをしなくてもわかるような・伝えられるような仕組みを作ったほうが、彼らの利用促進にはつながりそうに思えます。
もしくはそうした方々の交流を促すレセプションを企画する、なども効果的かもしれません。

突拍子なく、しかし面白い


このように、デザインシンキングを用いて、一般的なマスユーザーとは異なるエクストリームユーザーにスポットを当てることで、今まで見つけられなかった新しいインサイトを発見し、ビジネスの成長に役立てることができます。

そして、その新しいインサイトに起因するアイデアが「突拍子なく、しかし面白い」アイデアに見えることでしょう。
この「突拍子なく、しかし面白い」が世間一般のデザイナーに対する評価や期待するところだと思います。

しかし、これまで見てきたように、何も我々デザイナーはぽっと出の尖った思い付きが泉のようにあふれ出ているのではなく、ちょっと違った見方をして新しい発見をしているだけなのです。

デザインシンキングは決してデザイナーだけができる、よくわからないものではありません。
ぜひ皆さんのビジネスでも同じように思考いただき、
デザイナーっぽいアイデアを出せた」と感じていただければ、今回筆を走らせてよかったなと感じます。

もし反響が大きければ、第2回を書いてみようと思います。
ご清覧ありがとうございました。

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執筆者プロフィール:山田
DAAE戦略部のUIUXデザイナー。興味があったらすぐ深入りするタイプ。SHIFTに来る前は仕事しながらダンスしたり大学院に行っていた。最近は推し活で忙しい。

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PHOTO:UnsplashFrederick Medina

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