CAT・TD開発者によるCAT活用体験記
お久しぶりです!
SHIFTのCAT・TDの開発チームに配属されて11ヶ月目のfukanokiです。
CATの紹介はこちら (公式HP)
TDの紹介はこちら (公式HP)
これまで開発者としてCATに携わってきましたが、実際の案件で利用することはありませんでした。
今回、CAT・TDのリリーステストを実施するにあたり、CATを初めてセットアップして使うことになりました。CATを実際に使ってみていろいろと気づきがあったので、率直な意見を共有します。
前提
概要
私の役割:テストリーダー(テストケース準備、作業依頼、進捗管理、実施中の問い合わせ管理など)
テストメンバー:3人
リリーステストと、リリースバージョンに含まれる改修に関するリグレッションテストを5日間で実行してもらった
CATに期待すること
進捗情報をリアルタイムに追うことができ、遅れがあった場合にすぐ気づけること
不具合報告された不具合情報の管理(情報蓄積、ステータス、担当者、残件数確認)
不具合情報の簡単な傾向分析
利用するプロセス
※今回はテストを管理する単位であるサービス、プロジェクトの登録は省きます
課題管理の報告体系を整える
テストの項目を決める
ダッシュボードの表示項目を設定する
テスト仕様書をアップロードする
テスト予定を設定する
ユーザーを登録して使えるようにする
テストの実施や起票のルールを決めてメンバーに伝える
テストを実施してもらう
いくつかのステップについて説明します。
1.課題管理の報告体系を整える
次の内容を踏まえて、課題管理の設定をします。
報告してほしい内容
管理したいステータス
ステータスごとに入力してほしい項目
↓不具合起票の例
あまり項目を多くすると起票に時間がかかるため、テストリーダーおよび開発者が最低限知りたい項目に絞りました。
入力してほしい項目やその形式、ステータスのワークフローなどを柔軟にカスタマイズできることは改めて便利だと感じました。
3.ダッシュボードの表示項目を設定する
テスト実施中にモニタリングをしたい項目を設定しました。
↓今回使用したダッシュボード
表示している項目についても簡単に説明します。
①不具合集計
起票された不具合を設定したフィールドで集計します。
②進捗グラフ
テスト進捗を視覚的に表現します。
自分で設定したプロパティや各担当者ごとにも絞り込むことができます。
③ノート
マークダウン形式で自由記述できるエリアです。
今回は、テストメンバーにテストの実施や起票のルールを共有するために活用しました。
※画像上は実際の記載内容を割愛しています。
④進捗サマリー
テスト進捗および課題の発生・解決状況のサマリを表示します。
5.テスト予定を設定する
テスト仕様書ごとに1日何件ぐらい終われば良いかの目安を設定します。
開発チーム外からテストメンバーを呼んだのが初めてということもあり、初日の実績を元に算出しました。
↓テスト予定一覧
8.テストを実施してもらう
メンバーにテストを実施してもらい、結果や不具合の起票、エビデンスの登録を行ってもらいます。
こうして私自身で一通り準備したのは初めての経験でした。
実際にテストを依頼して進めてみると、次のような気づきがありました。
実際にCATを運用して感じたこと
直感的にスケジュール管理できる!
テストを実行している途中で、当初の進捗計画とのずれが生じることがあります。今回もそのような状況がありましたが、CATを使えば直感的に予実管理が更新でき、さらにグラフや表で視覚的に表現できるので、上長への報告もスムーズに行えました。
自作ツールだとメンテナンスに手間取ることも多いですが、CATはその点で非常に便利だと感じました。
改善サイクルのきっかけになった!
CATを使うことで、テスト結果や進捗の予実内容、起票された課題など、さまざまな情報を一元管理できます。これにより、次回のリリーステストを計画する際に前回の結果を参考にしながら改善点を考え、実践することができます。
品質改善のサイクルを回して、より安定したサービスを提供できるように努めていきたいと思います。
テスト管理環境を1から作るには少し慣れが必要...
CATは多機能であるがゆえに、初めて触る設定などではやりたいことの設定箇所に迷うことがありました。
既存のUI/UXをいきなり変更するのは難しいですが、ユーザーが操作する時の意識を思い浮かべながら開発していくことが大事だと思いました。
最近、開発チーム内でもUI/UXの観点でディスカッションを行うことが増えてきたので、自分から積極的に提案できるように地道にキャッチアップしていきたいです。
最後に
今回、テスト管理という経験を通して、実際のユーザー目線でサービスを触ってみることの大切さを改めて実感しました。
開発者としてユーザーのペインを積極的に理解し、CATを使ってよかったと思ってもらえるように日々の業務に取り組んでいきたいです。そして、もっとソフトウェアテスト全般の知識やCATに関するドメイン知識を身につけ、SHIFTのメインビジネスに貢献できるエンジニアを目指します!
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PHOTO:UnsplashのSteve Johnson