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便利なPCリモコン “nanoKVM” の紹介

こちらは、公式アドベントカレンダー2024_A IT技術関連トピック Day.22の記事です。
公式アドベントカレンダー2024_B 仕事術・キャリア・体験記も毎日記事を公開していますので、ぜひあわせてご覧下さい。

★Day21のアドベントカレンダー記事
「Sqlite3のデータベース更新通知をリアルタイムで受信する方法【Unity編】【C#】」(髙橋一生)


はじめに


こんにちは。

ITソリューション部 インフラサービスグループの中冨と申します。

SHIFTには2023年の10月に中途入社し、現在はお客様先の情報システム部門にて仕事をしております。

日本でインターネットサービスが始まった当初からISP/MSP、データセンタにてサーバー系インフラエンジニアとして長年携わっており、現在はお客様サイドにてMicrosoft 365 Copilot関連の仕事を行っておりますが、今回初めて技術ブログの執筆をさせていただきました。

nanoKVMとは?


今時のIAサーバ機器に標準装備となっている「IPMI(Intelligent Platform Management Interface)」と同等の機能を、普通のPCで利用出来るように外部に増設する機器(IP-KVM)です。

IPMI:HP=iLO DELL=iDRAC etc
IP-KVM:IP通信でKeyboard,Video,Mouse操作を行う機器

著者の家にはProxmox Clusterが動作しており、宅内用Web広告ブロッカーとしてAdGuardが動作している都合上、遠隔からサーバ機のコンソールが必要になることが稀にあります。(「サーバが落ちた」「BIOS画面操作」など)

これに対応するためにキーボード、マウス、モニター一式を配備しておくのもスペース的に邪魔ですし、コンソール作業する場所が固定されてしまうのもなかなか不便だったりします。かといってオークションサイトや中古サーバー業者などから企業の償却落ちのラックマウントサーバー機をそこそこの価格でで購入するのも気が引けたため、このnanoKVMを購入してみました。機器の紹介と使用感をお伝えできればと思います。

nanoKVMは、Sipeedが開発したコンパクトで多機能なIP-KVMデバイスです。

LicheeRV Nanoプラットフォームをベースにしており、小型かつ高性能な設計が特徴です。以下のような特長があります。

省電力設計:0.2Aの電力で動作し、エコフレンドリーです。
高解像度のビデオ出力:1080P @ 60fpsの映像を提供し、クリアな画面表示が可能です。
多機能なインターフェース:HDMI、USB、Ethernetポートを備え、リモートでのコンピューター管理が簡単です。
柔軟な運用:UEFI/BIOSサポート、仮想HID、仮想CD-ROM、IPMI、Wake-on-LANなど、多彩な機能が搭載されています。
簡単なセットアップ:初心者でも簡単にセットアップでき、プロフェッショナルにも対応可能です。

nanoKVMは、個人ラボなど数台程度のサーバー・ネットワーク機器をリモート管理するには便利な機材かと思われます。

nanoKVM(FULL) の本体


photo:sipeed.com

上記の画像を見ていただくと分かるように軽量コンパクトな作りであるにもかかわらず、状態表示用のOLEDモニターまで装備しており大変便利です。

HDMI、USB、イーサネットポートを備え、複数のデバイスとシームレスに連携します。

nanoKVMの動作画面は1080p@60fpsの高解像度で、リモートからでもスムーズでクリアな操作が可能。

また、UEFI/BIOSのフルサポートや仮想HID、仮想CD-ROM機能により、柔軟かつ効率的なシステム管理を実現します。

nanoKVMを利用するメリット・デメリット


おすすめポイント

気になる点

PoE非装備の部分に関しては下記のような機器(配線)もあります。

これは PoEのLAN配線からLAN配線とUSB-Cで5V 3Aが取得可能な配線のため、配線本数自体は減りませんがUSB電源の確保などを考える必要性がなくなります。

私も注文してみましたが、残念ながら本記事投稿時までに到着しておらず使用感がわからない状況です。

photo:Aliexpress「Ewindギガビットpoeスプリッタ48に5v 12 5vマイクロusb/タイプc/dc 10/100/1000mbpsパワーオーバーイーサネット用のciscoのためのhuawei社とカメラ

個人的おすすめポイント


「デバイス単体でtailscaleサービスに対応している」と言う点が特筆しているポイントかと思われます。

tailscaleとは?

一般的なVPN機器を用いたVPN GWなどを用いたVPNとは違い、Wiregurd VPNを用いた分散型P2P VPNサービスとして動作します。

メリットとしては

  1. 対象機器に対して外部からのアクセス用のPORT空けなどのリスクを取らずにVPNサービスを提供できる

  2. MagicDNSを併用する事で、IPアドレスでは無くホスト名でのアクセスが可能

  3. VPN GWなどを経由せず、各機器がP2Pで通信を行うため比較的スループットがよい

  4. 外部から対象機器にVPN接続を行い、対象機器経由で対外的な外部接続も可能(Exit Nodes機能)

本サービスを利用することで、外部からの攻撃をあまり考慮する必要なくnanoKVMやtailscale登録機器などに接続することが可能な点は、非常にメリットがあるかと思います。

Tailscale · Best VPN Service for Secure Networks

nanoKVM参考ページ


nanoKVM商品紹介ページ
https://sipeed.com/nanokvm

nanoKVM Github
https://github.com/sipeed/NanoKVM

nanoKVM Wiki
https://wiki.sipeed.com/hardware/en/kvm/NanoKVM/introduction.html

NanoKVMで自宅サーバをリモート操作するhttps://blog.masa23.jp/posts/2024/10/04/nanokvm/

NanoKVMは期待通りコンソールサーバにもなりました。https://tenko.hatenablog.jp/entry/2024/10/12/171251

Tech Specs



執筆者プロフィール:中冨勝利
1983年に受託系ソフトウェア企業に入社、23歳の時にフリーランスのSEとして活動を開始し、1996年に地方ISPの立ち上げに参画、以降 -> MSP -> NTT系ISP -> データセンター事業者にてサーバーエンジニアやセキュリティエンジニアなど経験し2023年10月にSHIFTに入社。

SHIFTグループ公式アドベントカレンダー2024【A】 IT技術関連トピック Day23は「開催報告「CloudNative Days Winter 2024 一日で学ぶクラウドネイティブ技術実践ハンズオン」」(武井 竜一)

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PHOTO:UnsplashBoliviaInteligente


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