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成功する企業の人材育成戦略:人材要件フレームの活用


はじめに

こんにちは。 株式会社SHIFTの能力開発部で検定や教育制度を開発をしている、林 稔明(りんりん)です! 今回は企業の人材育成においてとても重要な人材要件フレームについてお伝えしたいと思います。

そもそも人材要件フレームという言葉を聞いたことがあるでしょうか? 人材要件フレームとは、自社が求める人材としてどういったスキル、特性、経験、志向を持っている必要があるかを体系的に整理したものです。

人材要件フレームは大きく「スキル」と「志向・素養」の2つに分類されます。 そして、スキルは更にテクニカルスキル、リテラシー、ポータブルスキルに。志向・素養はスタンス、ポテンシャルに分解できます。

スキル

  • テクニカルスキル:業界・職種・地域(文化)に関する専門知識・技術

  • リテラシー:業界・職種・地域(文化)を超えて求められるITやツールなどの技術・能力

  • ポータブルスキル:業界・職種・地域(文化)を超えて求められる社会人基礎力

志向・素養

  • スタンス:物事に対する姿勢や志向、組織における役割期待

  • ポテンシャル:ビジネスパーソンとしての知的基礎能力

人材要件フレームは以下のようなピラミッドで表せます。 ピラミッドの先端(上層)にいくほど、先天的に身につけにくく、後天的に身につける要素です。 逆もしかりで、底(下層)にいくほど、後天的に身につけにくく、先天的に決まってしまう要素です。

注目されるテクニカルスキル、そうでないポータブルスキル

人材要件フレームでは大きく「スキル」と「志向・素養」に分類できることをご紹介しました。 ここからは企業の人材育成において、注目される「スキル」に絞ってお話していきます。

上でも紹介しましたが、「スキル」はテクニカルスキル、リテラシー、ポータブルスキルの3つに分解できます。 この中でもテクニカルスキルは企業活動における売上向上に強く影響するスキルだということはお分かりかと思います。 そのため、どの企業でもテクニカルスキルの教育に対して多くの教育コストを支払っています。

しかし、ピラミッドの図を改めて見てみると、テクニカルスキルは上層に当たるため面積が他のものに比べ小さいことが分かります。 面積が小さいということは、テクニカルスキルの中にある特定のスキル(例えばSHIFTではテスト設計スキルなどが当たります)は他の職種への汎用性は低いことがわかります。 生成AIの急速な発展や市場経済の不安定性などが蔓延るVUCAの時代において、汎用性の低いテクニカルスキルは市場価値の継続性という観点でリスクがあります。

反対に、ポータブルスキルは人材要件フレームにおいて中間に位置し、面積としても大きいことがわかります。 ポータブルスキルも更に「対人力」「対自分力」「対課題力」の3つに分解することができますが、字面からわかるように特定の職種に限らず、どのような職種でも応用が利く汎用性の高いスキルとして定義されています。

しかし、ポータブルスキルに焦点を当てて人材育成している企業はどれぐらいの割合いるでしょうか? それぞれコミュニケーション研修やアンガーマネジメント研修といったもので部分的に教育されていることはありますが、体系的にポータブルスキル全体を教育している企業はかなり少ないと思います。

教育はBS思考、PL思考の両面から考えることが重要

従来教育は、教育効果が見えにくい、教育効果が出るまで期間が必要、費用対効果が悪いといった多くの課題があります。 これらの背景には、多くの経営者は目の前の売上や利益を目指しており、すぐさま教育によって売上を上げたいという気持ちがあるのではないかと考えています。

経営者としてPL思考(損益計算書上の売上や利益を最大化しようとすること、またこれをよしとする思考のこと)で物事を考えることは非常に重要であると思いますが、未来への投資としてBS思考(資産や資本を重要視する思考のこと)で考えることも重要であると思います。

また、人材育成担当はPL思考が多く教育を投資と考えることが多いと思います。そのため、教育効果が出るまで時間がかかるという先入観からウォッチを怠り、結果費用対効果が悪い教育になってしまった。ということも少なくないと思います。 教育はPL思考の側面が強いですが、なぜ人材育成をするのかといった目的からあらためて考え、BS及びPLの両方に影響を与える人材育成戦略を立案し、実行していくことが重要です。

SHIFTでは従業員を対象としたキャリアUP制度である「トップガン」を活用し、PL思考、BS思考の両面で人材育成を実現することができています。テクニカルスキルを身につける過程で、それを支えるポータブルスキル、リテラシーを同時に習得することができ、また検定を活用した能力の可視化を実施しています。



執筆者プロフィール:林 稔明(りんりん)
新卒で銀行系SIerでシステム運用を経験後、開発系ベンチャーへ転職、開発と運用を経験する事により、品質の重要性を認識し、SHIFTへジョイン。
デリバリー部門で案件管理者を経験した後、能力開発部で検定や教育制度の開発に携わる。仕事のモットーは、「全力で楽しみ、残業は0」

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