プロジェクトマネージャ試験の勉強法と試験体験記
初めに
こんにちは、株式会社SHIFT DAAE(ダーエ)のさとうです。
少し前の話ですが、令和5年度秋期のプロジェクトマネージャ試験を受験し、初挑戦で合格することができました。 今回は試験について振り返りながら、試験の勉強法について共有できたらと思います。 特に午後Ⅱの対策に焦点を当てていますので、次回のプロジェクトマネージャ試験を受験される方にとって参考になれば嬉しいです。
プロジェクトマネージャ試験について
IPA(情報処理推進機構)のサイト によれば、高度IT人材として確立した専門分野をもち、組織の戦略の実現に寄与することを目的とするシステム開発プロジェクトにおいて、プロジェクトの目的の実現に向けて責任をもってプロジェクトマネジメント業務を担う者を対象としています。
試験は午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱの4部で構成されており、9:30〜16:30までの長丁場となっています。
私自身について
普段はプログラムを書いているため、プロジェクトマネジメント業務は行なっていません。 過去に1年ほどプロジェクトリーダーをやったのみで、実務ではほとんどプロジェクトマネジメント業務の経験はありません。 そのため、問題を解く際は、実際に自分がプロジェクトマネージャだとどのようにするかと考えながら問題を解いていました。
また、受験理由は尊敬していた先輩から受験をおすすめされたからです。あまり勉強せずに合格でき、比較的簡単だったと聞いており、自分も何とかなるかなと思い受験を決意しましたが、実際に試験対策を行うとそんなことはなかったです。
学習期間
学習期間としては約2ヶ月設定しました。
平日は1日1時間、休日は2日合わせて3時間、1週間で8時間勉強することを心掛けました。 モチベーションが湧かなかったり、週末の予定などで勉強時間を確保できない日もありましたが、最終的には約60時間ほど勉強することができました。
対策
午前Ⅰ・午前Ⅱ
30問選択式の問題が出題され、60点以上が合格になります。 私の場合、午前Ⅰは免除で受験することができたため、午前Ⅱのみプロジェクトマネージャ試験ドットコム で勉強しました。 ただ、午後Ⅰ、午後Ⅱの方が優先度が高いため、上記のサイトで全ての年度の過去問を1周して、不正解だった問題を再度解き、本番に臨みました。
午後Ⅰ
問1〜問3の中から2問選択し、60点以上が合格になります。 私は情報処理教科書 プロジェクトマネージャ を利用して過去問を解き、問題に慣れました。
個人的には正直午後Ⅰが一番苦手でした。 いざ問題として問われると意外と答えられないことが多く、苦手意識がありました。 例えば、CDO、CIOなどの会社の重役から全社的にメッセージが発信される狙いや、組織横断的なチームを編成する狙いなどが出題され、解答を指定の文字数以下にまとめるのに苦労しました。
また、3〜5年以内の過去問は解くことをおすすめします。昔の過去問に比べてここ最近はアジャイルのプロジェクトに対する問題が頻出しており、慣れておく必要があります。
選択する問題について、過去問を解いた結果、問1、問2を選ぶようにしました。理由としては、問3はある程度前提知識が必要な問題が多くあるような気がしており、問1、問2は文章中の文言を加工して解答する問題が多くあるような気がしたためです。ただ本番では問題を見た結果、問3を選択しようとしてしまいました。詳しくは後ほど記載します。
午後Ⅱ
問1・問2の中から1問選択し、Aランクが合格になります。 こちらも情報処理教科書 プロジェクトマネージャ を利用して過去問を解きました。
ただ、実際に制限時間を設けて解いたことは1回もなく、それよりも解答に必要なテンプレートを充実させることに注力しました。
解答に必要なテンプレートとは案件の概要や目的などをまとめたものです。このテンプレートを作成しないと不合格になるようなので必ず作成します。
複数のテンプレートを用意するのではなく、1つのテンプレートを用意し、どのような問題が来ても用意したテンプレートの内容を基に対応できるよう準備しました。ネットの意見を見ても複数のテンプレートを用意するよりは1つのテンプレートを用意する方が多いようです。
以下は私が用意したテンプレートの一部になりますが、ネットの記事を見てもみんなどのようなテンプレートを用いているのかがわからなかったため、もし良ければ参考にしてみてください。
※以下は私が過去実際に参画した案件とは一切関係ありません。
概要:とある費用の支払いを行うA社のマスターファイル管理システムの構築
目的:ホストサーバーで運用されたシステムについて老朽化及び保守費用の増加からクラウドを利用して新システムを構築し、保守費用の削減を行うこと。
開発期間:2020年1月から2020年12月までの12か月間
開発規模:200人月
開発費用:200百万円
開発工程:PoC&要件定義(3か月)→基本設計(2か月)→詳細設計(2か月)→PG・UT(2か月)→IT(1か月)→ST(1か月)→UAT(0.5か月)→リリース(0.5か月)
立場:プロジェクトの開発を受託したB社のプロジェクトマネージャ
体制:自部署から6名、フレームワーク・クラウドの有識者6名、協力会社C社から8名
契約:全期間一括請負契約
リスク:
コロナ禍での開発
最新技術へのノウハウ不足
プロジェクトへの要求事項:
新システムを利用し、今まで年間約200百万円かかっていた保守費用を100百万円の半額以下に削減したい。
→システムの利用者数が限られることからサーバーレスアーキテクチャを採用し、利用数に応じてコストを支払うことにした。
2021年4月には新システムを利用したい。
課題:
既存システムの仕様把握に時間がかかり、基本設計工程が2か月から3か月へと大幅に遅れてしまった。
基本設計工程の遅れを後工程で吸収するためコンティンジェンシー予備費を利用して詳細設計・PG・UT工程で要員を追加し、それぞれ1.5ヶ月で対応し、何とか遅れを取り戻すことができた。
上記テンプレートを基に、例えばプロジェクトの動機付けが必要な場合の対応やリスクの特定・評価と対応策についての問題が出た場合に備えて、解答を用意しました。 5つほど過去問を基に解答例を作成し、準備しました。
試験当日
会場には30分前に入り、時間に余裕を持って準備しました。 会場はホテルの一室でしたが、ここでまさかの時計がないことに気づきました。 最初は午前Ⅱからだったので、時間に追われることはあまりなかったのですが、急いで昼休みに近くの100円ショップに買いに行きました。 受験される方はちゃんと時計を持っていくように注意しましょう。
午後Ⅰは最初どの問題を解くか決めていた際、問2の穴埋めが全てわからないかもしれないことに気づいて急遽方針転換し、問1、問3を解こうとしました。 ただ、問3を解いている中、うまく解答をまとめられない問題が多いことに気づき、結局問2を選択することにしました。時間を15分ほど無駄にしてしまいました。 なので、時間もない中とても焦りながら問2を解いていました。
午後Ⅱは10分くらいで大まかな構成を考え、後はひたすらに書いていきました。正直文章を書くのが苦手なため、他の人より時間はかかりましたが、なんとか必要な文字数を書き切ることができました。
ただ、午後Ⅰで時間が足りず、受験後は正直合格は厳しいかなと思いました。
感想
なんとか1回で合格できたのは嬉しかったです。
試験当日は緊張の中で臨みましたが、過去問の準備やテンプレートの整備が功を奏し、思ったよりもスムーズに解答できました。
試験対策にはプロジェクトマネージャ試験ドットコム と情報処理教科書 プロジェクトマネージャ を利用し対策しましたが、両方ともコンテンツが充実しており、効果的でした。ただ、反省点として午後Ⅰの問題が苦手だったため、もう少し練習を積むべきでした。
また、試験当日には時計を持参することを忘れずに、という点も改めて実感しました。私以外にも時計を購入している受験者が何人もいたので、多くの人が同じ失敗をしている可能性があります。気をつけましょう。
以上が私の試験体験記です。参考にしていただければ嬉しいです。
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