マルチタスクの非生産性を実感するワークショップ
こんにちは。基盤開発チームの三輪です。
僕は魚介類を捌くのが趣味で、この間今が旬のワタリガニを購入して蒸し蟹にして食べました。まあカニなので捌くというより解体するだけなんですけどね。でもこれがめちゃくちゃ旨かったです。こんな見た目がグロテスクなものが、蒸しただけでこんな旨くなるなるのかと、衝撃的でした。
さて、昔からマルチタスクは作業効率を落とすよ、一つのことに集中しようねと言われています。実際自分の経験則でもマルチタスクは作業スピードを落とし、ミスを引き起こしやすいということは実感しています。
しかし、具体的にどれくらいマルチタスクによって作業効率が下がるのかは自分は分かりませんでした。
最近基盤開発チームでは社内の他部署からスクラムマスターをお借りしてスクラムでの開発を進めているのですが、スクラム導入にあたって受けた研修の中にマルチタスクに関して面白いワークショップがあったので、今回はそれを紹介していこうと思います。
ワークショップの内容
まず鉛筆と紙を用意してください。(無ければエクセルも可) 下記のような、一番左はアラビア文字、真ん中が漢数字、一番右がローマ数字で埋められた3列の表があるとします。
この表が空であるとして、作業Aではこの表を左から右の順に一段ずつ進め、作業Bでは上から下へ1列ずつ進めます。書き終わるまでの時間を計測し、作業Aと作業Bのかかった時間を比べて見てください。
結果
いかがだったでしょうか?作業Aの方が作業Bよりも時間がかかったかと思います。自分はエクセルでこの作業をやりましたが、作業Aは90秒かかったのに対して作業Bは42秒しかかかりませんでした。
つまり、作業Aは作業Bに対して2倍以上効率が悪いということです。
作業Aと作業Bの違いは別文字への切り替え回数の差にあると言えます。作業Aでは終了までに29回の切り替えを行う必要があるのに対し、作業Bではたった2回の切り替えで済みます。 別文字への切り替えをタスク切り替えと同義であるとすると、マルチタスクで並列に作業を進めることがどれだけ非効率的なのか実感出来ると思います。
仕事への応用
スクラムではマルチタスクを推奨していません。スクラムはユーザーの要望に応じて短いスパンで開発していくので、開発中に「このチケットって、こういうことですよね?」みたいな確認を何度も行うから必然的にマルチタスクになるイメージがあるかもしれません。
しかし実際は、スクラムではプロダクトバックログの定義→スプリントプランニング→スプリント→レトロスペクティブという流れの中でチケットを消化し、各チケットには作成段階で受け入れ条件が定義されているので、良いスクラムでは開発中に確認を行うことは少なくなっていきます。(もちろんそれでも0ではない)
基盤開発チームの今までの開発では、チケットを作成しても要件がざっくりとしか記載されていないか、ほとんど記載されていないかという状態だったので、開発を進めながら都度確認する必要がありました。
しかしスクラムではスプリントプランニングでチケットの詳細と受け入れ条件が定義されるため、開発中の確認回数を削減できます。
結果、作業効率化につなげることが出来ました。
開発だけでなくても、普段の仕事や勉強でもタスクの切り替えを少なくできるような計画を最初に立てることで、作業効率を上げることが出来ます。
私は毎日仕事が終わった後に英語学習をしていますが、一日のノルマを終わらせるまで他の作業を入れずにやりきった場合、1時間半ほどで終わらせられるのに対し、家事などの作業が入った場合は元の学習に戻るために10分ほどかかったりします。
そのため、自己学習の場合も出来るだけ他の作業を入れない時間を確保してから行うようにしています。
このように、マルチタスクを減らして順番にタスクを片付けることは良いことづくめなのです。
まとめ
いかがでしたか?時間があればぜひワークショップをやってみてください。そして非効率なマルチタスクを今すぐやめましょう!
我々基盤開発チームは、スクラムの考えを取り入れ効率的な開発体制を構築することを目指しています。スクラムでの開発をやりたいエンジニアの皆さん、SHIFTの基盤開発チームに興味があれば、ぜひ応募してみてください。
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