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IT完全未経験の元教師がJSTQB FLに合格!~スクラムを添えて~

はじめに


皆さん、こんにちは!
SHIFT QAエンジニアの黒木です!
2022年10月末に小学校教員を退職し、2023年6月にSHIFTへ転職しました。

社内研修でアジャイルについて学び、初めて参画したアジャイル案件。
約9か月間QAエンジニアとしてテスト設計やテスト実行等の業務にあたってきました。

分からない、できないことが多すぎるポンコツエンジニアなので、周りのチームメンバーのサポートを受けながらなんとか頑張っています。。

そんな私が資格を取得して、少しでもできることを増やそうと思い、JSTQBの取得を目指しました。

このブログでは自分が取り組んだ 勉強方法勉強時間の管理方法やってよかったことやらなかったこと をお伝えします!


JSTQBとは


JSTQBについての説明は下記のとおりです。

JSTQBとは、日本におけるソフトウェアテスト技術者資格認定の運営組織 で、 各国のテスト技術者認定組織が参加しているISTQB(International Software Testing Qualifications Board)の加盟組織として2005年4月に認定されています。
ISTQBの加盟組織の各国団体は資格および教育・訓練組織認証について相互認証を行っています。
つまり、JSTQBが運営するソフトウェアテスト技術者資格は海外でも有効な資格となっています。

また、JSTQBはレベルが分かれており、

FL(Foundation Level):基礎レベル
AL(Advanced Level):上位レベル

があります。
今回私が取得したのはFLになりますので、今回はALの説明は割愛します。

詳しくはホームページ をご確認ください。

海外でも有効な資格 なのは魅力的ですね!

JSTQB FLの試験概要

①試験実施期間:予約できる日であればいつでも受験可能 です!
②制限時間:60分
③出題数:40問
④合格ライン:65%(=26問正解)

となっております!

受験しようと思ったきっかけ


自分自身の課題として、開発者との会話やテストに関する技法や単語について理解できていない 箇所が多くあることがありました。
言われた内容を即座に理解できない という弱点がありとても悔しい思いをしていました。。。

会議の中で使われる言葉の意味が分からず、会議後に検索する日々…
そのため、JSTQBの学習を行うことで、

用語の意味を理解して、会話の内容をより理解できるようになろう!
ソフトウェアテストの知識と技術を向上させ、基礎的な能力を証明しよう!

と思い、学習を決心しました。

勉強方法


次に自分がどんな勉強を行ったかをご紹介します。
参画していた案件内に既に取得されていた先輩がいらっしゃったので、その方に教えていただいた学習方法に加え、自分がやってみた学習内容と反省点もあわせてお伝えします。

①テス友


まずは有名な「テス友」のアプリを使用しました。
こちらはスマホにダウンロードして、JSTQBの模擬問題を解くことができるアプリです。しかも無料。
先輩にお勧めしていただきました。

【テス友のいいと感じたところ】
①出題数を 10~40問 から選択できるので、ちょっとした隙間に学習することができます。

②各章をランダム で出題したり、間違えた問題を優先して出題 してくれる機能もあります。

③問題の後には解説 もついています。

学習時間も記録 してくれます。

⑤章ごとの理解度をグラフ で表示してくれます。自分が苦手な章が数値で分かりやすいです。

シラバス用語集 もアプリ内で確認することができます。

自分は毎日数問でも問題に触れることを目標にしていたので、通勤時は電車の中、業務後は子どもを寝かしつけた後、お風呂の中、トイレ中など暇さえあれば解くように心がけていました。

10問であれば、解くだけだと2~3分で解くことができます。眠くても10問やればOKという精神で取り組みました。

解いて間違えた時は、解説をスクショし、ノートに間違えたポイントをまとめて、「青本」にも書き込んで…を繰り返しました。
「青本」については次に記載しています。

個人的には、テス友アプリに出題される問題の難易度は比較的簡単かなと思います。

【反省点】

学習を始めたころは、参考書を読まず、先にテス友で問題を解いて解説を読んでを繰り返しましたがこの方法は良くなかったです。試験に合格するための勉強になっていました。目標は試験の合格 、ではなく知識を身につける用語を理解 することなので。
参考書を一度読んで、その後問題を解く→解説確認→参考書確認→問題を解く…の方が確実に定着します。急がば回れですね。

👉テス友についてはテス友公式HP をご覧ください!

引用元:https://www.qbook.jp/info-testomo/

②公式の教科書と呼ばれている青本


次は青本です。
正式名称は 「【ソフトウェアテスト教科書】JSTQB Foundation 第4版 シラバス2018対応」 という参考書です。こちらも偉大な先輩にお勧めしていただきました。

定価は「4,200円+税」と少しお高いですが、各章を分かりやすくまとめてあり、手元に置いておくと分からないときはすぐに開いて調べることができます。合格した今でも重宝しています。各章ごとに模擬問題があるので、章ごとに読んで、問題を解いて、間違えた部分の説明を読み直して…を行いました。

ここで注意!

JSTQBのシラバスが2023年に更新され、 2024年11月以降の試験では2023年版のシラバスに対応した試験内容になります!!
青本の内容も改訂に伴い内容が更新されるので、ご自身で受験したいと考えている受験期に合わせて 書籍の購入や学習を進めてください。

引用元:https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798160665

③ソフトウェアテスト技法練習帳


こちらは主にテスト技法に関する参考書となります。
定価は「2,280円+税」となっております。
内容としては 「同値分割法」「境界値分析」「デシジョンテーブル」「状態遷移テスト」 などのテスト技法に関する問題が記載されています。
自分は全問解きました。
試験でもテスト技法に関する問題が出たので、解いておくと合格できる可能性は上がるのではないかと思います!

引用元:https://gihyo.jp/book/2020/978-4-297-11061-1

④YouTube「GTM【プログラミング講座】」の「JSTQBとは」の視聴


次はYouTubeです。便利な世の中だ~

「GTM【プログラミング講座】」 という名前でJSTQBのシラバスの概要を分かりやすく説明してくれるありがたーい方がいらっしゃいます。
要点がまとまっており、分かりやすかったので、まずはこの方の動画を見ることをお勧めします!

取り組んだこととしては、1周目は動画を見て、重要だと思う場面では動画を止めてポイントをノートに書き込んで 内容の理解を深めました。
(本を読むのが得意ではないので、動画を見ながらの方が学習に入りやすかったです。(元教師のはずなのに…泣))

この動画視聴も、通勤時間に電車の中でノートに書きこんだ内容を思い返しながら聞き流しました。
3~4周は聞き流したと思います。

👉気になる方はこちら からどうぞ!

⑤無料de試験:JSTQBテスト技術認定模擬試験


こちらはネット上の模擬試験を受けることができるサイトです。
こちらはテス友よりも問題の難易度が高く難しい です。
10問ずつの出題ですが、学習を始めたばかりのころは何回解いても2~3問 しか正解出来ませんでした。
かなり凹んでいたことを覚えています。。

ですが、勉強を進めるうちに徐々に点数が上がってきます。
8割以上の点数を取ると 「合格証」 が発行されるので、初めて合格証を手に入れたときはとても嬉しかったです。

学習期間の後半はテス友よりこちらの問題を多めに解きました!

👉問題はこちら からどうぞ!

勉強時間


全部で約35時間勉強しました。
短期間集中でがっつり学習をするともっと少ない学習時間で合格できるのではないかと思います。

学習時間は自分でExcelにフォーマットを作成し、どれくらい学習することができたかを管理していました。

こう見るとテス友と青本の学習時間が多いですね!

最終的なテス友の学習結果はこうなりました!
40問を完全ランダムで解いて、80~95%の正答率でした。 各章の正答率80%を目標にしていました。
受験前の1つの指標になると思います。

他にも、自分がアジャイルサービス部であることもあり、スクラムで学習を進めてみようと思い、月曜日開始~日曜日終了を1スプリントとして計画し、そのスプリント内で何を学習するのかを決めて進めました。
やったこととしては

①まず自分はなぜJSTQBを取得したいのかを考える(インセプションデッキ:我なぜ)。

②月曜日開始→日曜日終了のスプリントを設定。

③スプリント開始の月曜日にプランニング(何をするのか、今スプリントのゴールは何か)を行い、やるべきことを明確化、可視化。

④タスクが完了したらDONEに移動。

⑤木曜日にはリファインメント(タスクの見直し)を実施。予定したタスクの進捗はどうかを検査。
(終わりそうにない場合は、タスクの量を調整して対応。)

⑥日曜日にはレトロスペクティブ(振り返り)を実施。課題に対する対策の適応。
この方法で学習を始めた当初はレトロを行っていなかったのですが、レトロを行うことで学習における課題や次にやるべき課題が明確になります。最初から行っておけばよかったと反省しています。。。
振り返りはKPTの方法で行いました。
(※K:Keep(続けること)、P:Problem(課題)、T:Try(対策))

Pに対してTを適応させることが重要です!
Pを出すだけではよくなっていかないです。小さくてもいいのでTに取り組み、少しずつカイゼンしていく。

これがスクラムのポイントです!

この方法で学習を行うと、

・最終ゴールに対して1スプリントの中でどんな学習をいつどこまで行うといいのかが可視化 できる!
スクラムを自分で回してみる 経験でができる!
学習の状態、進捗が把握できる!

などなどメリットがたくさんありました!
この方法を始めたころは、タスクの積み方、タスクの粒度、Excelのカンバンをどう作るか・・・悩むことはたくさんありましたが、その都度改善を繰り返しました。
その結果、スクラムに関する知識もJSTQBの取得もできて一石二鳥 でした!

👉スクラムについてより詳細に知りたい方はこちら からどうぞ!

やらなかったこと


シラバスを何回も読む ことはしなかったです。
全ページ印刷して手元にはおいていましたが、参考書の方を読むようにしていました。

また、参考書も最初から最後まで全部を読んだのは1回でした。
あとは問題を解いて間違えた部分を青本で探し、なぜ間違えたのかを書き込み、また問題を解く、間違えたら青本に書く…を繰り返しました。

この方法が個人的には記憶に定着しやすいと思いました。

受験とその後


受験当日

2024年の7月6日に受験をしました。
受験会場に到着すると、書類の記載や顔写真の撮影があります。

青本をもっていきましたが見る時間はなかったです。電車の中でも見ようと考えましたが、精神統一のために目をつぶっていました。(zzz)

試験ではホワイトボードと水性のマジックペンを2本貸してくれます。
が、このペンなかなか消えない です。どうして…

消そうと思っても消えないので、違う部分に書き直しました。
もう少し字を小さく書くとよかったです…(会場によると思いますが…)

時間的には45分で全部解いて、15分で見直し くらいの時間配分でした。
(本番の方が難しかった…不安を残し帰路へ…)

受験結果

試験結果は7月11日に受験を申し込んだ個人ページで確認できました。

結果は…

!!!!!無事合格!!!!!

気になりすぎて毎日5回くらいはサイトを確認していました。
結果はメールでも通知が来ます。約5日 で結果が出ました。

結果が出るまでは個人差があるかもしれないです。

感想


ソフトウェアテストに関する用語の意味を受験前に比べてかなり理解できるようになったと思います。

自分が参画していた案件では、シナリオテストを実行する前に、実際にテストで使用するアカウントでログインし、テストで確認したいギリギリの部分まで手順や期待値を確認する「リハーサル」を行っていました。
学習を進める中で、そのリハーサルは、レビュー技法の1つ 「シナリオベースドレビューのドライラン」 に当てはまっているな、と学習内容と業務内容が結びついたときは鳥肌が立ちました。

また、自分が設計したシナリオテストの設計書を顧客の開発の方に向けてレビューを行っていました。
この方法でレビューをする方は多いのではないでしょうか?
実はこのレビュー方法は 「ウォークスルー」 という方法であり、こちらも学習と実践が結び付きました。

用語の意味を理解したかった自分にとっては目標達成 です!

他にも
テストの全工程(UT、IT、ST、UAT)
テストプロセス
インスペクション

といった用語の意味についても学ぶことができます!
テスト業務に行かせること間違いなし!

終わりに


以上が自分の合格体験です!
合格した後はどうやってパフォーマンスに生かし脱ポンコツ できるかです。
地に足つけて頑張ります。

この記事を読んだ皆様が少しでもJSTQBに興味を持っていただき、スクラムについて知り、勉強方法のヒントにしていただけたら嬉しく思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!


執筆者プロフィール:黒木 聡
2023年6月にSHIFTに第二新卒として入社。前職は小学校の先生。
現在は、駆け出しのQAエンジニアとして日々ご迷惑をおかけしながら奮闘中。。
もうすぐ3歳になる娘がいます。
近寄ると「こっち来ないで!」と言われることが最近の悩み。

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