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[対話方式]オンライン版フィッシュボウルのススメ

はじめに

初めまして、スクラムマスターの瀨川です。

今日はオンラインでの「フィッシュボウル」という対話方式の良い点について共有させていただきます。

特にこんな方に読んでもらいたい

  • 色々な対話方法があるけど、どう使い分けたら良いのか分からない

  • 参加人数も多く、初対面の方の割合も高い緊張が見込める場で対話をファシリテートしなければならない

フィッシュボウルって何!?

まずオフライン版(会議室で行う場合)のフィッシュボウルを元にご説明させていただきます。

■役割

  • ファシリテーター

  • 対話グループ、観察グループという2つのグループ(この2つのグループは時間になったら入れ替わります)

■進め方

  • 椅子を2重の円形に並べ、内側に対話グループ、外側に観察グループが円の中心を向いて着席します。

  • ファシリテーターの説明と合図の後、内側の円のメンバーでテーマに沿って一定時間対話を進めます。その間、外側の人たちは対話の様子を観察しながら要点や気づいたことをメモしていきます。

  • 1回目の対話が終わったら内側と外側のメンバーを入れ替え、1回目同様対話とメモをそれぞれ進めます。

  • 2回目の対話が終了したらランダムにペアもしくは3,4人のグループに分かれてメモをもとに感じたことを共有しあいます。

■人数の目安

対話グループの人数目安は2~10人です。

全体の参加人数の目安は特になく、大人数でも対話を深められるのが良い点でもあります。

■時間の目安

ファシリテーターからの説明:5分

1回目の議論:5~10分

2回目の議論:5~10分

小グループでの共有 5分

計:20~30分

から試してみて、対話が深まる様子や参加者の慣れに応じて時間は調節してみてください。

以上がフィッシュボウルの進め方です。 この「内側の対話を外側から観察する」様子からフィッシュボウル(金魚鉢)と呼ばれています。

フィッシュボウルは内側の席に空席を作る進め方もありますので気になる方は調べてみてください。

全員一斉参加の対話と比べたフィッシュボウルのメリット

そのメリットを全員一斉参加の対話と比較すると

  • 観察する側は傾聴することに集中できるので初対面の方が多くても多少の安心感がある。

  • 人数が絞れるので話題が逸れにくく対話の方向性の管理がしやすい。また、対話する人同士は賛否や付け足しといった意見の積み上げがしやすい。

  • 大人数でも対話が深まっていく過程を参加者全員で把握できる。

といった点が挙げられます。

オンライン版フィッシュボウルのやり方

さて、ここからが本題です。 そもそもフィッシュボウルをオンラインで試すことになった経緯ですが、私が運営に参加している BIT VALLEY -INSIDE- という社外コミュニティで「本コミュニティを再構築しよう」というプロジェクトが発足しました。

その議論の際、オンラインでフィッシュボウルをZoomとmiroを使って下記のように実施しました。 ツールは上記以外でも一般的なオンラインミーティングツールとコメントを同時共有可能なツールであればスムーズに実施できます。

■役割

オフライン版と同様。

■進め方

  • 対話グループはカメラ、音声共にON。観察グループは逆にカメラ、音声共にOFF。

  • ファシリテーターの説明と合図の後、一定時間テーマに沿って対話グループが発言し、観察グループはmiroに気づいたことや要点をメモする。

  • 対話中、観察グループの方も参加したいトピックであればカメラと音声をONにして途中参加/途中離脱してOK。

  • 1回目の対話が終わったら議論グループと観察グループを入れ替え、1回目同様、対話する。

  • 2回目の対話が終わったらmiroのメモをもとに感じたことを共有しあう。

■人数、時間の目安

オフライン版と同様

○○なテーマを取り扱う時にフィッシュボウルを試してみて!

さて、ここで先述のメリットに加え、テーマの内容に対するフィッシュボウルのメリットを挙げさせていただきます。

それは参加者全員が経験や知見の少ないテーマを取り扱う場合、対話を深めやすい、という点です。

テーマについてよく理解している人が少ない場合、意見が深まりづらかった。。という経験はございませんか? 例えば今回社外コミュ二ティで実施したときは「コミュニティの再構築」というのがメインテーマで何からどう話して良いか理解している参加者は私も含めて少ないように感じました。

そんな時は是非、フィッシュボウルを試してみてください。 緊張感と距離を置き十分に傾聴することで気づきを促進しながらテーマに対する理解や対話を深められると思います。 また議論だけでなく、どんなテーマで深まるか予想がつかない初対面の方ばかりのオンライン親睦会などにも使えると思います!

最後に

以上、私がオンライン版フィッシュボウルを使ってみた感想になります。

他にもフィッシュボウルの使い方として、対話スキルを向上させたいときにも使えます。

対話グループの

  • 対話の仕方の良いと思った点

についても観察グループにメモしてもらいフィードバックすることで参加者の対話スキル向上に役立つと思います。これは意見の積み上げに慣れていないグループや参加態度をより向上させたいときに有用です。

気になった方は是非、一度試してみてください!それではまた。


執筆者プロフィール:瀨川 晋平
通信系事業会社でバックエンドエンジニア、インフラエンジニア、システムディレクターとして従事。 40人ほどのチームをどうやったら改善に導けるかを考えた結果、ファシリテーションに目覚める。 より良いチーム作りを目指すスクラムマスターとしてSHIFTにジョイン。 字と絵は決して上手くはないがみんなで囲むホワイトボードが大好き。

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