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SHIFT流!障がい者雇用における「合理的配慮」~才能と能力を活かすためのマイカルテ導入までの道のり~
はじめに
こんにちは!株式会社SHIFT ビジネスサポート部の宮本&一條です。
私たちは、障がい者雇用担当人事として、障がいのある方々の採用・マネジメントなどに従事しております。ビジネスサポート部の取組みについては、過去の記事をご参照ください。
先日、合理的配慮について社外セミナーで登壇する機会をいただきました。
そこで本日は、お話しした内容をもとに「SHIFTにおける合理的配慮」についてお伝えしたいと思います!
こんな人におススメ
企業で障がい者雇用の担当をしている
合理的配慮についていまいちピンときていない
実際に合理的配慮について何からはじめたらいいかわからない
1.障がい者雇用を取り巻く社会的意識の変化
2024年4月、障がい者雇用に関する大きな変化が2つありました。 1つは、障がい者雇用促進法の改正による、法定雇用率の上昇です。 企業の法定雇用率が2.3%から2.5%に引き上げとなりました。
もう1つは、障がい者差別解消法の改正による、事業者による障がい者への合理的配慮の提供の義務化です。 今までは努力義務となっておりました。 これが義務化されたことにより、事業者は商品やサービスを提供する際に合理的配慮について考えなければならない、というわけです。
上記のように、障がいのある方々に関する社会的意識はますます高まっております。
2.登壇報告
先日、一般社団法人職場のメンタルヘルス支援委員会(https://wellbeing-omsa.or.jp/ ) 様主催のオンラインセミナーに登壇しました。「障がい者雇用における才能と能力を活かすための取組みと合理的配慮について」という題で、SHIFTビジサポは今までどんな取り組みを取組みをしてきたか、合理的配慮とは何か、についてお話しさせていただきました!
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企業人事の方から教育現場の方、就労支援に従事している方など、さまざまな方々が!
セミナー後には、
・合理的配慮の前に、何の法律に紐づくものかわかっていなかったのでためになりました。
・合理的配慮の考え方について、とても勉強になりました。最後に具体的な事例も交えてお話しして下さり、わかりやすかったです。また、業務の切り出しについては、泥臭く足を使って獲得してくるというお話が印象的でしたし感心しました。
・学校の教員なので、卒業して就労先に送り出したあとどのような配慮が得られるのか気になっていました。一人ひとりのことを考えて辞めずに働けるよう気を配ってくださっていることを知れて嬉しかったです。制度についても、本人だけでなく家族が知っているといいなと思ったので、教育現場でも少しずつ就労支援の知識を浸透させていけるようにしたいと思いました。
などの感想をいただきました。
参加後アンケートのセミナー満足度は3.9(満点:4)と、大変好評!!
ご参加いただいた方々、また機会をいただいた職場のメンタルヘルス支援委員会様には、この場を借りて御礼申し上げます!!
3.そもそも合理的配慮とは??
合理的配慮とは、障がいのある人とそうでない人との機会や待遇を平等に確保するために、環境の変更や調整といった配慮をすることです。
必要な配慮は全ての障がい者に一律ではなく、どのような障がいがあるのかということや、現在置かれている環境などによって異なります。
この合理的配慮は、主に2つの法律で定められています。
【障害者差別解消法】
2016年に施行、2021年に改正され、これまで民間の事業者に対して努力義務とされていた「合理的配慮」が2024年4月より国や自治体と同じく義務化されました。
この法律における「合理的配慮」は、「商品やサービスを提供する際に必要な配慮」 のことを指しています。
例えば、
接客の際に耳が聞こえない方が来店した場合、手話や筆談等で対応する
自動券売機やタブレットの操作方法がわからないという場合、店員が操作を行う
これらによって「障がいのある人が日常生活を営む上で障壁となる事柄について、取り除くための措置をする」ということが合理的配慮となります。
【障害者雇用促進法】
1987年に施行、2013年に改正され、2016年より企業による合理的配慮が義務化されました。
この法律における「合理的配慮」は、「障がいのある人の職業の安定を図るために必要な配慮」 のことを指しています。
例えば、
口頭での指示理解が苦手な方に対してマニュアルを提示する
聴覚過敏の方のイヤーマフや耳栓の使用許可を与えるなどをする
これらによって、「障がいのある人が能力を発揮するために必要な障壁を取り除くための措置をする」ということが合理的配慮となります。
いずれの合理的配慮においても共通して言えるのは、合理的配慮の提供を行うのは、障がいのある人が対応を望んでおり、事業者の過度な負担にならない場合に限られるという点です。
あくまで本人の意向を尊重し、柔軟な対応を行っていくことが大切になってきます。
参考:
障害者差別解消法リーフレット https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai_leaflet.html
障害者雇用促進法に基づく障害者差別禁止・合理的配慮 https://www.mhlw.go.jp/tenji/dl/file13-04.pdf
4.SHIFTビジサポの合理的配慮
SHIFTでは、「マイカルテ」というものを入社前に作成していただき、体調や合理的配慮についての認識合わせを行っています。
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内容としては以下の通りです。
仕事/プライベートの目標
得意なこと
特性/困りごと
自己対処
不調時のサイン
相談先
障がいに関することだけではなく、仕事やプライベートに関する目標や得意なことも確認しながら詳細に確認を行っていきます。
特に「不調時のサイン」については食事や睡眠、思考や行動など、当てはまるものにチェックしてもらいます。 また、現在は配慮として必要ないが、環境の変化によって体調が悪化する場合の症状の出方や、障がいの症状の変化も把握できるようにしています。
入社後はチームの異動や業務の大きな変化が生じた際は適宜見直し、配慮事項をアップデートする形で長く働けるよう努めています。
5.マイカルテ導入までの道のり
マイカルテは元々あったものではありません。 他社様の取り組みや私自身が経験した就労移行支援員時代の考えをもとに作成しています。
まず、障がい者雇用の採用面接では、以下の内容も質問しています。
障がいの詳細
不調や困りごとに対するご自身の対処法
我々企業側に求める合理的配慮
誰しもがそうだと思いますが、人は相手に対して自分を良く見せようと考えてしまうもの。 特に応募者の中には初めて障がいを開示して働くという方や、就労移行支援事業所などの支援機関を利用されていない方もおります。 そのため、「どこまで話して良いのかわからない」「前職で体調を崩したことをあまり言いたくない」 という方もいらっしゃいます。
マイカルテを運用していなかった頃は、入社後に体調を崩してしまった際に「事前に伝えていなかったことなので言い出せなかった」「実は言いにくかったが○○ということもあった」ということがありました。
その結果、体調不良への早期対応や悪化してから発信をする、ということがありました。
マイカルテを作成していただくのは内定承諾を頂き、入社が確定してから。
つまり、障がいの詳細の開示が内定には影響ないことを前提に、入社前にできるだけ自己開示できる場を設けることで、入社後に些細なことでも相談できるような流れを作るようにしました。
その結果、業務で想定される不安事項や、体調悪化まで至らなくともその傾向など、早期に相談をもらい、支援機関との連携や業務の調整を行うことができています。
6.今後について
ビジネスサポート部が掲げているミッションは、「才能と能力を活かして、みんなが活躍できる社会の実現」です。
現在、SHIFTの障がい者雇用は、業務数は500以上、定着率は84.4%(2024年2月時点)という実績もあり、ありがたいことに社内外から評価を頂くことも増えてきました。
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しかし、私自身感じているのは、まだまだ道半ばであるということ。 才能と能力を活かすための環境を今後も整備し、さまざまな取組みを実行し続ける必要があると考えています。 それを社会に発信していくことで、SHIFTが目指す社会課題の解決へとつなげていきたい。
SHIFTは、障がい者雇用分野においても「その常識、変えてみせる」の精神で取り組みを続けてまいります!
SHIFTの障がい者雇用に興味をもっていただいたかたへ、以下よりご応募をお待ちしています♪
障がい者雇用・管理業務推進担当
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◎SHIFT HR BLOGでは、人事のみなさまが知りたいことを大募集しています! 参考にして記事にしていきますので、ぜひともご回答よろしくお願いいたします♪
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執筆者プロフィール:宮本
2015年に福祉系ベンチャー企業へ入社し就労支援員として従事。同社で特別支援学校の外部講師、内部監査室等の経験を経て、2021年4月、SHIFTへ入社。 アシスタントマネージャーとして数チームのマネジメントを経験したのち、現在はマネージャーとして専門職を中心とする7チームの目標や業務管理、グループの環境調整などに従事している。
執筆者プロフィール:一條
社会福祉士。2016年より障がい者就労支援に従事。2019年、豪・シドニーに滞在し福祉を学ぶ。2020年よりソーシャルベンチャーにて事業所マネージャー・一人人事を務める。2023年3月SHIFT入社。主にグループ会社の障がい者雇用支援・職域開発に従事。