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格闘ゲームから学ぶスクラム

こんにちは。スクラムマスターの佐々木 孝博(すたか#アジャイルフィロソフィア)です。「みんなが笑顔で貢献できるチーム・組織を作る」を自分のミッションとして、24/365でスクラムのことを考えながら生きています(誇張あり)。

そんな私が、「あ、これアジャイルぽい!」「あ、この考え方スクラムマスターに生かせそう!」など思ったもの・思った部分について語ります。記事を通じてスクラム・アジャイルの理解を深めていただければ言うことはございません。

今回は、私が長年やっている『格闘ゲーム』について語っていきたいと思います。


格闘ゲームと私

格闘ゲームの定義はwikiを見ていただくとして、私の格ゲー歴についてまずは記載します。

高校:
スーパーストリートファイターIIをやるために、ゲーセンに時折いく。スーパーファミコンで、スト2が出ていたので友達とやりまくる。
大学:
時間的にもお金的にも余裕ができ、ゲーセンであれこれやりまくる。
・スパ2X、ヴァンパイアシリーズ、ストzeroシリーズ、スト3など
・SNK系(KOF、サムスピ)もたしなむ程度にやる
・3D系(バーチャファイター、鉄拳etc.)もたしなむ程度にやる
(しばらくたって・・・)
社会人:
ストリートファイター4が出ることを知り、会社帰りに毎日ゲーセンに通う。PS3でもスト4をやりまくる(バルログで頑張っていました)。
最近:
PS5がようやく買えたのをきっかけにスト5にはまる。(ぎりぎりプラチナランク)

まぁ要するに、ブランクがあったりするものの、20年以上は触れているということです。このまま格闘ゲームの話もしたいのですが、趣旨が変わってしまうのでこれぐらいにします。次からはどのあたりで「アジャイル・スクラムぽい」部分があったのかの話をしていきます。

守破離

日本の「道」から発生した思想で、そのプロセスを「守」「破」「離」の3段階で表しているものです。守破離という言葉は、「SCRUM MASTER THE BOOK」にも記載があります。

『格闘』ゲームというだけに、考え方がマッチする部分は多いかなと感じます。

格闘ゲームにおける守破離は、ざっくりというと下記のような感じでしょうか。

守:使用キャラクターのコンボ、セットプレイを覚え、使えるようにする
破:あえてセットプレイを変えて動くことが出来る
離:自分のゲームメイクが出来るようになる

セットプレイが癖ついてしまって、「破」難しいなぁと、日々スト5やりながら思っています。自分プレイ動画をみてふりかえりしして・・・とかやろうと思うものの対戦を楽しんでしまう毎日です。

スクラムにおける守破離は、「SCRUM MASTER THE BOOK」から抜粋します。

守:個々のプラクティスを訓練する
破:本来の意味と哲学は維持しつつも検査と適応を行い、独自の逸脱を生み出す
離:新しいコンセプトを開発して共有し、他社に教える

こうやって見てみると、格闘ゲームのときと同じく「守」→「破」のハードルが高い感じがします。「守」で得た基礎をもとに理解を深くすることで維持すべきところがどこかがわかり、そのうえで独自のものを生み出す必要がある、と。例として、デイリースクラムで考えてみました。

守:15分で実施する。昨日やったこと・今日やること・困っていることを話す。

破:チームみんなの検査と適応の場である(維持すべきところ)
検査できるならファイブフィンガーだけでよくない?(独自の逸脱)

離:ほとんどモブでやってて検査も適応も常にできてるし、朝に時間作るのではなくて1時間ごとにアイコンで報告するのでいいんじゃない?→(やってみて)あ、いいねこれ!ちょっと広めてみよう。

上記の例が唯一の正解でもないですし、チームによっても変わると思います。メンバー間での対話が重要だな、と改めて思いました。

ふりかえり

梅原 大吾』。格闘ゲームをやったことある人、やったことなくても知っている方も多いかもしれません。彼の著書1日ひとつだけ、強くなる。がすごく響いた部分が多かったのでいくつか抜粋します。

1日ひとつだけ、強くなる。

まずタイトルからしてアジャイルぽいじゃないですか!

始まりは「自分にしか分からない小さな成果」を支えにして「成長のループ」を促していた。今度は逆の形で一方が影響を与えることになる。双方が互いに影響を与えて強化し合うという関係が、続けていくことで実感できたらしめたものだ。

あれ、これってとてもうまく回っているふりかえりに見えてきません?

リズムがあって、小さくともカイゼンがあって、そのカイゼンがチームにとっていい影響となって、以下繰り返す、みたいな。

外からはなかなか評価されない、評価してもらえない内的な成長を、どれだけ意識できるかで、モチベーションは大きく変わってくる。

チームでふりかえりやるのって認めてもらうためとか、成果を出すとかじゃないですよね。自分たちを良くしていくためであり、それが前向きな気持ち(=モチベーション)につながる、というのもふりかえりぽいですよね。

負けることは挫折ではない。それよりも「今日は何の発見もなかった」と思うほうが僕にとっては怖い。

この「発見」がすごくふりかえりの本質とつながってる感じがします。例えばKPTとかでProblemばかりが出て、というのは「勝つか負けるか」にフォーカスが当たっている状態。ふりかえりが前へ進むためのものという「なぜ」を理解し、活動している=「発見」にフォーカスが当たっている状態。

勝負でもなんでも、大局観がないと行動できなくなる。そこが欠けていると目先のことしか考えられないので、異常に行動が小さくなってしまう。

これ、ふりかえりのTryがよくない、と言われてる感じがしました(笑)

「xxxが出来ていない」→「xxxをやる」という意味ないだろそれ、というTryが出てくるのとか、この大局観がなく行動が小さくなっているパターンそのままだな、と思いました。

その他響いたもの

アジャイルの話をしたいのか、格闘ゲームの話をしたいのか、本の紹介をしたいのかわからなくなってきましたが・・・、

「何かあるはず」と思って探していると、大抵の場合は何かがある。
(中略)
何も出てこないのはどうしてだろう。うまくいかなくて視野が狭まっているのかもしれないし、こびりついた習慣や常識が、自由で客観的な発想を邪魔しているのかもしれない。自分の立場から離れてみるのもいい。自分はどん詰まりだと感じているかもしれないが、他人はそう感じていないかもしれない。それはどうしてだろう。そういうところにもヒントはある 。

スクラムマスターは「コーチング」や、「パワフルクエスチョン」など、視点を変える質問を使うことはそれなりにあると思います。格闘ゲームの本なのに上記みたいな発想が出てくるのすごいですね。

疲れていると、どうしても枝葉の部分ばかりが気になってしまう。「本当に大切なことは何か」という核の部分に目が届かなくなり

これ、スクラムマスターとしてしっかり刻み付けておいた方が良いと思いました。チームに無理をさせてベロシティをあげることはいいことなのか・・・?

目的が「優勝」になると、優勝した時点でその人は急激に弱くなる

目的が「プロダクトを完成させること」になると、完成した時点でプロダクトは急激に価値が低くなる、と言われてる気がしました。アウトプットとアウトカムの話です。

自信のあるという態度というものが、世間では誤解されている。本当に強い人は、いわゆるマニュアルにあるような、自信ありげな態度は取らない。虚勢や誤魔化しがない。そういうことをする必要がないのだ。極めて普通である。

こういうスクラムマスター(アジャイルコーチ)になりたいと思いました。

最後に

本記事からスクラムについて、ふりかえりについて、新たな刺激となれば幸いです。そして格闘ゲームに興味をもって始めてもらえればもっと本望です。

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執筆者プロフィール:佐々木 孝博(すたか)
メインフレームの品質管理をしたり、フィールドSEやったり、Python開発やったりと色々やったなかでスクラム沼にどっぷりはまり、スクラムマスター道を極めるべくSHIFTに入社。
Advanced Certified ScrumMaster®(A-CSM)、GCS認定コーチ。
「みんなが笑顔で貢献できるチーム・組織を作る」を自分のミッションとし、人と人の対話による気づきを促すのが好き。「アジャイルフィロソフィア」を名乗り、もっと対話の力を広めていきたいと考えています。

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