チームダイナミクスを変える:尊重の実践
はじめに
こんにちは!株式会社SHIFT(以下SHIFT)の能力開発部で、コミュニケーション&リーダーシップ教育を担当している岡田洋輔(ようさん)です。
「チームメンバーと信頼関係を築きたい」
コミュニケーションやリーダーシップをテーマに研修をさせていただいていると、このようなことを良く耳にします。
マネージャーやリーダーとしてメンバーを率いたことがある人であれば、必ず一度は通る道ではないでしょうか。
では、信頼関係を築くためには何が必要なのでしょうか?
その答えは「尊重する力」にあります。
この力を理解し、実践することで、チーム内のダイナミクスは劇的に変わります。
しかし、単に「尊重する」ことと、「尊重する力」を真に理解して実践することには、大きな違いがあります。
そこで今回は、信頼関係を構築するために欠かせない土台となる尊重の真髄を掘り下げ、実践方法を一緒に見ていきたいと思います。
そもそも信頼関係とは?
ここで言う信頼関係とは、二人以上の人々の間で築かれる相互の理解、尊敬、そして共感の関係を指します。これは、「お互いに信じ、頼り合える間柄」と言えます。そして、これは単なる理想ではなく、具体的なビジネス上のメリットがあります。
信頼関係を築けていると心理的安全性が高まり、主に以下の5つのような利点があります。
① コミュニケーションの質の向上:
オープンな意見交換により誤解が減少し、相互理解が促進される。
② 協力的な関係の構築:
共通の目標に向かい、効果的に協力し合えるようになる。
③ 効率的な問題解決:
スムーズなコミュニケーションと協力関係により、問題や課題へのアプローチも円滑になる。
④ ポジティブな職場環境:
快適でオープンなサポート環境が生まれ、モチベーションや積極性が向上する。
⑤ 個々の成長と発展:
心理的安全性を感じる関係性が、新しいアイディアやスキルの学習を促進し、成長へと繋がる。
逆に、信頼関係が築けていない場合、以下のようなリスクが生じます。
① コミュニケーションの障害:
不信や誤解により、コミュニケーションが妨げられる。
② 協力の欠如:
共通の目標に対する協力関係の形成が難しくなる。
③ 問題解決の困難:
コミュニケーションの不足と協力関係の不在が問題解決を困難にする。
④ ストレスと不快な職場環境:
信頼関係の欠如はストレスを増大させ、職場の雰囲気を悪化させる。
⑤ 個々の成長の停滞:
心理的安全性の感じられない関係性からは、新しいアイディアの追求やスキルの学習への意欲が低下する。
このように、信頼関係の存在する職場かそうでないかで、チームはもちろん、個々のパフォーマンスに大きな影響を及ぼすことが見て取れますよね。
「信頼関係を構築するかしないか」どちらかを選ぶとするならば、答えは明白なはずです。
では、「信頼関係を構築するためにどうすれば良いのか」ということを見ていきましょう。
信頼関係の土台にある「尊重」
信頼関係の根底には「尊重」があります。
「相手を尊いものとして大切に扱う」―この原則が、強固なチームダイナミクスの基盤を築きます。
しかし、現実には「自分のことを尊重してくれない人を尊重するのは難しい」という声もよく聞かれます。
では、本当にそうなのでしょうか?
尊重するために、相手が何かをしてくれる必要はあるのでしょうか?
相手があなたを理解し、尊重してくれることが条件なのでしょうか?
実は、尊重は条件なしで実践できるものです。
相手の行動に左右されずに、自分から尊重を示すことが可能です。
尊重は、相手に対するリアクションではなく、自分自身のアクションなのですね。
自分主体で尊重を持ち寄る3つのアプローチ
では、どのようにして自分主体で信頼関係を築き、尊重を実践するのか。ここでは「自分主体で尊重を持ち寄る3つのアプローチ」を紹介します。
アプローチ① 意図の設定をする
「何が起こったとしても(起きなかったとしても)その人のことを尊重する」と強い意図を自分の中で決めます。コミュニケーションをとる前に自分の思考・行動の指針を決めておくことで、何が起こったとしても(起きなかったとしても)ブレない軸を持つことができます。
アプローチ② 知識を手に入れる
他者の行動を理解し、それに振り回されずに済むようにするためには、心理学やコミュニケーション理論などの知識が必要です。この知識を得ることで、より効果的に尊重を示すことができます。
アプローチ③ 尊重の態度を示す
最後に、コミュニケーションを通じて、一貫して尊重の態度を示します。これには、共感、アクティブリスニング、公平性、自己開示、相手理解などのスキルが含まれます。
これらの手段は、相手に対して「尊重しています」という明確なメッセージを送る手段となりますが、これらの手段そのものが、相手への尊重には直結しません。その根底には、自分自身の意図と行動が最も重要です。
自分主体で信頼関係を築くために
自分主体で信頼関係を築く方法はたった一つしかありません。
それは、「何が起こったとしても(起きなかったとしても)その人のことを尊重する」と自分の中で強い意図の設定をすることから始まります。
そして、人がどのような思考のもと行動をとるのかを理解することで、他者の思考・行動に振り回されることなく、自分の思考・行動をコントロールできるようになるための知識を手に入れる必要があります。
そして、コミュニケーションを通じて、一貫して尊重の態度を示し続けることによって、相手にあなたの尊重の態度が伝わります。
あなたの尊重の態度が伝わると、人には返報性の法則という“お返しをする”という心理的欲求が働きます。一貫した尊重の姿勢を持つことで、相手も自然とあなたを尊重するようになるということです。
もちろんすぐに、100%ということではありません。
でもそれで良いのです。
あるのはフィードバックのみです。
何が起きても(起きなくても)尊重し続けるという意図の設定をしていたら、やり続けることはできますよね?
そうやって100%を自分主体で、自分のコントロール化においてやり続ければ良いのです。
おわりに
チームメンバーの心理的安全性を高めるためには、尊重する力が必要不可欠です。このブログ記事を通して、信頼関係の構築における「尊重」の重要性と、それを実践するための具体的な方法について理解していただけたと思います。
重要なことは、尊重は単なる手段ではなく、リーダーとしてのあなたの姿勢や思考の根底にあるものであるということです。
尊重を通して相手を理解し、信頼関係を築くことは、チームのコミュニケーションや協力関係、さらには問題解決能力を飛躍的に向上させます。
また、自分主体で尊重の意図を持ち続けることは、自分自身の成長にもつながります。リーダーとしての成熟度を高め、チームとしてはもちろん、メンバー個々のパフォーマンスを促進する力強い存在となれるはずです。
そのためにも、相手の反応や状況に左右されず、一貫した尊重の態度を保つことが、信頼関係を築く最も効果的な方法です。
最後に、尊重は一朝一夕に成果が現れるものではありません。
持続的に実践し続けることで、徐々にその効果が現れ、チーム全体のパフォーマンス向上につながっていくはずです。あなたのリーダーシップとコミュニケーションのスキルを信じて、尊重の力を最大限に活用してみてはいかがでしょうか。
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出典元:Bing Image Creatorにて作成