私の人生を変えてくれたWell-beingとはなにか?|ソフトウエア開発現場歴30年の経験者ブログ
はじめに
こんにちは。 SHIFTアジャイルコーチの谷川と申します。
ここ数年で、「Well-being(ウェルビーイング)」 という言葉を良く聞くようになってきました。更に、その考えを企業経営に取り入れた 「Well-being経営」 という言葉も聞くようになっています。
そして、Well-being経営を進めている企業の良い取り組みを紹介するWell-being Awardというものも 開催されており、企業価値としてアピールしているような状況です。
実は、私の人生を大きく変えるきっかけを作ってくれたのが、このWell-beingとの出会いなのです。
今回は、このWell-beingについて、皆さんに知ってもらいたいと思います。
「Well-being(ウェルビーイング)」とは
Well-Beingとは、
「身体的・精神的・社会的に満たされた状態(健康な状態)」
のことを示します。
これは、世界保健機関(WHO)憲章前文でも定義されています。
身体的、精神的に健康であるというのはわかりやすいと思いますが、 「社会的」 に健康であること。ここがWell-beingのわりと重要なところになります。
Well-beingになるための幸せの4つの因子 (*1)
1.やってみよう因子
いきいき、ワクワクやっている人は幸せ
2.ありがとう因子
感謝をする人は幸せ 利他的な人は幸せ
友達の数に比例(多様の方が良い)
3.なんとかなる因子
前向きで楽観的 チャレンジする
4.ありのままに因子
自分と他人を比べない 自分らしさ
Well-beingの効果、魅力
●Well-beingな人は長寿である。
●Well-beingな人はパフォーマンスがあがる
・Well-beingなサラリーマンは売上が56%高い
・Well-beingなマネージャーは顧客満足度が42%高い
・Well-beingな人は創造性(イノベーション)が3倍
・Well-beingな人は生産性が3倍
・Well-beingな人は離職率が4倍低い
(*2)
この効果を知ったら、ちょっと興味出てきますよね。
また、Well-beingは 「幸福学」 として、ちゃんと学術研究されている領域でもあります。
Well-beingな状態をもう少しわかりやすい言葉でいうと 「幸せな状態」 ということができます。この 「幸せな状態」 も、人によって価値観が違うため、その人なりの幸せな状態 があります。具体的には、多くのお金が得られることで幸せを感じる人もいますし、お金が少なくても働き甲斐によって幸せを感じる人もいます。
そして、幸福学では、年収と幸福感の関係 の分析も進んでおりまして、年収が高ければ高いほど幸福感を感じるように思いますが、実はリニアに幸福感があがるのは年収800万円くらいまでで、その後はほぼ横ばい、もしくは若干低下するというデータもあります。
このデータから、「私は、年収1億円になる可能性はもうないから、絶対に幸せになれない」と 考えは、間違えである可能性が高いことに気付けます。
つまり、その人の今の状態に応じた「幸せ」がある訳であり、それを満たすことができれば、人は幸せを感じることができる訳です。
そのため、このWell-beingという考えは、誰もが共感できる可能性が高いものとなります。
「Well-being経営」とは
Well-Being経営とは、このWell-beingの考えを社員にて適用して、これを重視した 企業経営をするというものになります。 似たような言葉に、「健康経営」 というものもありますが、 Well-being経営は、その発展形と考えてください。
Well-being経営では、 従業員エンゲージメントの向上や組織活性化といった社会的要素にも着目し、 やりがいを持って生き生きと働ける職場の実現を目指す点が特徴です。
今、なぜWell-being経営なのか
Well-beingの考え方は、世界の共通目標となっているSDGsの発展形と考えられています。特にGoal3の「すべての人に健康と福祉を」やGoal8の「働きがいも経済成長も」を踏まえ、 「従業員のことをどの程度考えた経営をしているのか?」といった観点から、 これを企業価値として評価する投資家は少なくありません。
そのため、最近では、このWell-being経営を目指しますと宣言する企業が増えており、 良い活動をしているところはWell-being Awardなどで紹介がされるようになっています。
Well-being経営の実態
ここまでWell-beingを宣伝するとものすごくいいものに思えると思いますが、その実現はそう簡単ではありません。 まずは、掛け声だけという感じになっている企業もあります。
キーポイントは、社会的に健康な状態をどう実現するのか?というところであり、 経営TOPがしっかりと現場の状況を理解して、従業員全員を社会的な健康状態にすることができるのかを考える必要があります。
この社会的な健康状態はを示すものとして、「従業員エンゲージメント」 があります。
人的資本経営で、この従業員エンゲージメントが可視化されることにより、企業の社会的な健康状態が数値化されるということになります。
つまり、企業価値を高めるためにも、このWell-beingに企業として取り組む必要が出てきている訳です。
どうすればWell-beingになるのか?
では、このWell-beingになるため、Well-being経営をするためにはどうしたらいいのか?という話なのですが、答えは簡単には見つかりませんでした。
私は、職場に活気を取り戻すための活動の一環としてその研究を始め、Well-beingと心理的安全性に密接な関係があることを知り、更に、その心理的安全性確保にアジャイル・スクラムの各種プラクティスが有効であることを学びました。
そして、ちょうど2021年頃から、チームの心理的安全性を確保し、自走するチームを作り出す「組織アジャイル」が注目され出し、この「組織アジャイル」を自分が実践することで、自分や自分と関わる人をWell-beingな状態にできることに気が付きました。
そこから、私の「組織アジャイル」を普及させる挑戦が始まった訳です。
#でも、この挑戦も苦難の道のりでしたが。。。
#「組織アジャイル」の詳細については、過去のブログ記事を参照してください。
組織アジャイルの展開により、現場に心理的安全性が生まれ、社員がいきいき・ワクワク働くようになり、従業員エンゲージメントが上がり、社会的な健康状態を良くすることができ、Well-beingな状態に近づくことができるということで、アジャイルに仕事をすることは、自分を幸せにでき、 お客様も幸せにすることができる、とても 「夢」 がある仕事なのです!と皆さんに伝えたいです。
まとめ
私は、この夢のある仕事を本気でやりたいと強く思うようになり、SHIFTに入社しました。Well-beingには、「社会的な健康」以外に「身体的、精神的」な健康状態も関係しますので、その対策も必要になります。
ちなみに、私は毎週三日、計10時間くらいテニスをしているので、もう10年以上は体重もベストをキープしていますし、しばらく病気になった記憶もないので、割とWell-beingな状態にあると思います。だから、私は、周りの方々に 「とても楽しそうに働いているように見える」 と言われるのだと思います。私は、今後も 「組織アジャイル」 の普及活動を、社内でもどんどん進めたいと思います。
そして、もっと社内でWell-beingな社員 を増やして、 お客様にもWell-beingを届けられるようにしたいと思います。
◆参考文献
(*1)(*2) 慶応義塾大学 前野隆司教授 「ウェルビーイング」 2022年3月
Youtube 「ウェルビーイング」 発売記念トークセッション
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