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SAP基礎研修の改善活動|SHIFT SAP教育担当のブログ

はじめに

こんにちは。株式会社SHIFT SAPグループの加山です。教育チームでSAPグループの社内教育を担当しています。

執筆者プロフィール:加山
2019年から株式会社SHIFTに勤務。SAPグループの教育チームに所属し、SAP基礎研修運営、教育コンテンツの作成に従事。現在は新卒研修に向け、日々勉強・準備に奮闘するワーキングママ。
仕事と家庭を両立した働き方に興味があるはこちらもご覧ください!

この記事では「SAP」はSAP社が提供しているERPパッケージソフトを指します。私の所属するSAPサービスグループでは、SAPのパッケージソフトであるSAP ERPや、SAP S/4HANA(以下、SAP)の導入やバージョンアップ案件(以下、SAP案件)でテスト支援等を行っています。

SAPグループでは毎月SAP未経験のメンバーを採用し、5日間のSAP基礎研修を経て、SAP案件に送り出しています。 (SAP基礎研修に関する記事は、こちらから

SAP基礎研修は、SAPテストエンジニアとして案件に入る前の大切な研修です。受講者が限られた時間でより効率的・効果的に学習ができるよう、教育チームでは定期的にPDCAサイクルを回して、研修の改善を行っています。

このブログでは、どのようにSAP基礎研修の改善活動を行っているか、それぞれのフェーズの実例をお話しします。

この記事の想定読者

  1. SHIFTの社内教育に興味がある方

  2. SAP未経験者への教育に興味がある方

この記事のゴール

  • SAPグループのSAP基礎教育への本気度がわかります。

  • 改善活動の方法をSAP基礎研修の事例で理解できます。

改善活動のサイクル

SAP基礎研修の改善活動はPDCAサイクルに則って循環させています。

  1. Plan(計画):研修準備

  2. Do(実行):研修実施

  3. Check(測定・評価):SAP初級検定・アンケート回収

  4. Action(改善):改善点の抽出・対策の検討

今回は、Checkからスタートする改善活動の流れを説明します。

Check(測定・評価)

SAP基礎研修の評価は、研修の最終日に実施するSAP初級検定アンケートによって行います。これらの情報が、前回の改善対応の効果を測り、新たな問題点を把握するための要素となります。

SAP初級検定

この検定は、SAP基礎研修の最後に、受講者の理解度を測る目的で実施していますが、合格率や不正解のポイントなどを確認することで、研修の効果を測ることにも利用しています。

このテストの結果が、学習の効果を判断するための要素となります。

アンケート

受講者には、本研修を評価するアンケートに回答してもらいます。 このアンケートでは、改善活動の効果を数値で測るとともに、改善点をコメントによって収集します。

特に、SAP初級検定の理解度が低かった受講者のアンケートについては、どんな課題があって理解度が上がらなかったのかを入念に分析することで、改善点を見つけるようにしています。

内容:
回答者情報(IT経験、業務経験、SAP経験)
研修全体の評価(目的は明確か、スケジュールは適切か)
各コンテンツの質、難易度
自己評価(理解度、アサインへの自信、モチベーション)

この結果は、学習の効果に加え、学習のしやすさを判断するための要素となります。

小さな気づきや個人的に困ったことも、今後の研修改善のヒントになります。 そのため、正直(+できれば具体的)な意見はとてもありがたいです。

Action(改善)

集めた評価要素を分析することで改善点を洗い出し、それぞれの原因考察、対策検討を行います。

改善点の抽出

アンケートのスコア分析では、以下に注目して問題点を洗い出しています。

  • 特定の講義のみ低い→この講義のどこに問題があるのか?

  • 特定の背景を持つ受講者のみスコアが低い→特定の背景を持つ受講者の学習阻害要因は何か?

  • 前回の評価スコアから伸びている/落ちている→何の影響をうけているのか?

対策の検討

想定した課題を解決するための対策を具体的に考えます。

1か月のサイクルで基礎研修を実施しているため、次の研修日まではあっという間。改善策の優先度に応じて期限を設け、段階的に対応できるように完了期限も併せて設定します。

報告書の作成

私はこの作業が苦手で時間を要しますが、、、とても大切なステップです。

報告書自体の目的は「上長に現状を報告し、今後の方針を確認すること」ですが、報告書作成の目的はこれだけではないと感じています。 報告書に体系的に意見をまとめることにより、思考が整理され、矛盾点や不足点、また新たな考えが浮かぶことがあります。

提出した報告書に対する上司からのフィードバック・追加質問には、ハッ(!)とさせられることが多く、自分の視野では見えていなかった新たな課題が見つかります。

Plan(計画)

明確にした改善策は、次回研修に向けた準備として反映していきます。

ここまでの流れを1つの改善点の例で見てみましょう。

  • 【Check(測定・評価)】「演習の理解が深まらなかった」という状況を把握し、評価として①演習の進め方、②演習の目的の不明瞭さに原因があると考察します。

  • 【Action(対策)】この原因への対策として、①演習の進め方を具体的に指定する②演習のゴールを事前に伝えることを改善策として設定します。

  • 【Plan(計画)】研修開始時に行う、導入説明の資料に①演習の具体的な進め方②演習のゴールを明記し、説明の準備を行います。研修中、受講者が確認できるように共有フォルダに格納します。

Do(実行)

アップデートしたSAP基礎研修を実施します。

実施期間中は、受講者の意見を直接聞くことができる機会となります。受講者の質問から、理解しずらいポイントを把握し、今後の改善につなげます。

おわりに

このように、5日間という限られた期間で、受講者が現場で活躍できる基礎知識を効率的・効果的に身に着けられることを目指し、改善活動を行っています。

未経験からSAPグループに参加することを不安に思う方もいるかと思います。このSAP基礎研修が少しでも新規配属者の安心材料になれば幸いです。



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