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ITコンサルはいらない?!ITコンサルとSEの違い ~コンサル未経験の若手SEがITコンサルになった話~


こんにちは。ITコンサルタントの、とみおです。
2020年にITコンサルタントとしてキャリアをスタートさせた、元システムエンジニア(以下、SE)で社会人になり4年が経った、ごく普通のサラリーマンです。


はじめに

この記事では、私が未経験からITコンサルタントに転身し、日々の業務で壁にぶつかり、悩みながらも学んだこと、体験したことをベースに皆さんに情報を発信していければと思います。

まずは、今回の記事の結論を言いたいと思います。

この記事で私が伝えたい事は、
「コンサルタントは、何を解決するかを大事にするべし。」
ということです。

本内容は、以下のような方にお勧めの記事になっています。


コンサルタントという職業に憧れはあるが、
自分に自信がない就活前の学生。


成長を求めて、システムエンジニアから
コンサルタントに転職を考えている人。


本記事の登場人物

とみお
システムエンジニアからITコンサルタントへ転職した駆け出しコンサルタント。日々悩みながらも、毎日の業務に励んでいる。社会人になり4年が過ぎ、時の流れの早さを感じている。

上司
「とみお」の上司。「とみお」を温かく見守っている。

お客様
「とみお」が顧客として接している部署の部長。


これは私がお客様先に常駐して、システム開発案件のPMO(※1)として参画したときのお話です。

※1 PMOとは、プロジェクトマネジメントオフィスの略で、プロジェクトの円滑な推進の支援を行う人や組織のことを言う。



お客様からの問いに悩んだ理由

ある時、担当先との定例会にて、先方の「お客様」から何気ない質問を投げかけられました。

お客様:プロジェクト工程終了時(※2)の何か良い品質評価の方法はないの?

※2
システム開発をする際は通常いくつかの工程に分かれており、一つの工程が完了するたびにその工程の品質が良いか悪いかといった評価をする。


私は固まった・・・


とみお:ちょっと社内の情報集めて、提示しますね!

その場は何か探しますといい、持ち帰っては見たものの・・・

何を出せばいいものか・・・

SEはどちらかというと依頼されたことに具体性があり、要件がすでに決まっていて、それ通りにシステムを構築することが仕事だったので、なんか良い品質評価の手法ないの?という漠然とした依頼の正しい正解がわからない中で、どうすればいいのか頭が真っ白になった。

とりあえず資料を作成し始める。

が・・・悩む。


なにを知っていて何がわからないのか、知っている知識を出しても、相手に幻滅されるだけ、相手が何を欲しているのかわからない。

なにか相手が驚くような資料、「これが欲しかったんだよ!」といわれる資料を作らねばという、プレッシャーに押しつぶされそうになった。

(周りの誰もそんなことは思っていなく、自分だけ理想が高いところに行ってしまっていたかもしれないが・・・)

なかなか進まず行き詰まりを感じ、「上司」に相談してみた。


ポイント|相手の悩みの本質をきちんと把握する

とみお:
「お客様」から良い品質評価の手法がないかを聞かれているのですが、どう品質評価の手法を提示すればいいでしょうか?
そもそも良い品質評価の手法ってなんだと思いますか?

上司: 
ふむ、なるほどね。お客様はなぜその質問をしてきたのだろう?

とみお: 
え?どういうことでしょうか?(どうしたんだ急に)

上司: 
もし友人に自転車を貸してくれと言われたとする。君はすぐに貸すかい?

とみお:
いえ、まずはなぜかを聞きますかね?

上司:
そうだよね。まずはなぜ自転車を貸してほしいか?
つまり、自転車を貸してもらうことで何を達成したいのかを聞くよね。

とみお:
そうですね・・・。(何が言いたいんだ?)

上司:
もし、近くのスーパーで買いものをしたいだけなら、自転車を貸すだけで済むかもしれないね。けれど、もっと遠い場所、東京から北海道に行きたいと思っていたとする。すると自転車だけが移動手段、つまり解決策ではなくなるよね。

とみお:
はぁ、まぁ、そうですね。
(早く良い品質評価の手法教えてくれないかなあ・・・)

上司:
そして、家族が倒れたとか、友達の家に遊びに行きたいとか目的によって、
いつまでに到着したいのか?とか予算はいくらで到達したいのか?とか、いろんな情報があれば、より良い情報が提供できると思わないかい?

とみお:
そうですね。より具体性があったほうが、こちらも教えてあげられる情報は多くはなりますかね。それなら船で行った方がいいとか、このクーポンを使えば船のチケットが安くなるとか教えてあげることはできますね。


ポイント|コンサルタントの本来の使命を再確認


上司:
そうだよね。友達が目的を達成するために船がいいのか?車がいいのか?はたまた、飛行機がいいのか、最適な手段を教えてあげるよね。それと同じことだよ。大事なのは何を達成したいのかということを深堀して聞くこと。

とみお:
あっ!そういうことですね!
相手の希望をそのまま叶えてあげることは、相手を満足させることだけど、もっと根本的な問題をより良い方法で解決に導いてあげることが大事というわけですね!その方が相手の満足度が高まるということですね!

上司:
そう、それがコンサルタントの役割だ。
だからコンサルタントは様々な移動手段を知っていなければならない。つまり、多くの知識を知っていないといけない。じゃないとアドバイスできないよね。

とみお:
その通りだと思います!ありがとうございます!
お客様にもっと深堀して聞いてみます!

上司:
そうだね。背景にはどういった課題があるのか?大事なのは何を解決するか?どうやって解決するか?お客様の課題の本質をとらえることでいろんな解決手法が提案できるはずだよ。

お客様の依頼を受けるだけがコンサルタントではない。本当の課題を発掘し、その課題を解決する。それをお客様の利益に結び付けることがコンサルタントの使命だよ。頑張って!

とみお:
はい!ありがとうございます!


後日、お客様先にて・・・

とみお:
なぜ、お客様は品質評価についての質問をされたのでしょうか?何か課題として感じていることがあるのでしょうか?

お客様:
実は、品質評価で「品質目標値の指標値内に収まっており、品質に問題無し」と評価しても、いざ次の工程でテストすると不具合が多く見つかるような事象が散見されておりまして。品質評価の方法が良くないのではないかと思うようになりました。

とみお:
なるほど。工程での不具合のすり抜けが多く、不具合が後工程での発見になり、手戻り工数が多いというわけですね。

お客様:その通りです。

とみお:それでしたら・・・


この経験から、お客様の言葉の裏にどんな課題があるのかを深堀、何を解決するかを大事にすることの重要性に気づくことができました。お客様にとって、本当はなにが必要なのかを考えることが大事だと言うことです。

SEは顧客の依頼通りのものを作るのが大きな仕事ですが、コンサルタントとの違いはそこにあると感じました。

ただ、もしかすると
「本質をとらえ、解決策を考えるだけなら、コンサルタントっていらないよね?」という風に考える方もいるかもしれないです。

確かに課題について考え、解決するだけならコンサルタントはいらないです。しかし、私は現場で業務にあたっている中で、以下のような理由からコンサルタントが必要とされていると考えました。

・日々の業務にとらわれ課題を発見、解決するリソースがない

・内部環境が常識になると課題を発見しにくい
 -第三者視点がないから課題が見つかりにくい

・他者からの意見は説得力がある
 -社内で課題解決に向けた方向性が決まりやすくなる


などなど。

これらの理由から、コンサルタントには需要があり、その仕事には、「本質をとらえ、課題を発見し、課題をお客様と考え、解決に導くこと」が求められるのだと気づくことができました。

もっと簡単にいうと、自分や企業の利益ではなく、お客様に対して思いやりをもち、相手が何を達成したくて、何を欲しているのか考えるということがコンサルタントに一番大事なのかもしれません。

学生の頃はテストが出されて、解くべき問題がわかっていましたが(解くべき問題に対して、議論の余地はない)、社会人になると途端に解くべき問題が出されなくなり、解くべき問題を見つけ、それは本当に解くべきか?問題の解き方はあっているかを日々考えて、行動する必要があると思っています。

これからはどうやって課題を発見し、解くべき課題を選定、解決に導くか。
そんな力をつけていかなくてはいけません。まだまだ道のりは長いようです。

また機会があれば皆さんに情報を発信できればと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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執筆者プロフィール:とみお
新卒から金融系Sierの会社に就職。主にプロジェクト管理を3年ほど経験後、SHIFTへ参画。ITコンサルタントとして上流工程からのプロジェクト支援に従事している。

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