スクラム開発経験者が社内アジャイル研修を受けてみた | 前編
はじめに
こんにちは。SHIFTでアジャイルQAをやっている小波津です。
先日1日半に及ぶ社内のアジャイル研修を受けてきました。(SHIFT Agile Academy、略してSAA)
こちらはアジャイル初心者、アジャイルってなに?という方を対象にした研修で、基礎から実践までを学習・経験できる内容の研修となっております。
研修を通していろんな気づきと再認識を得られたので、このブログはアジャイル初心者にはもちろんのこと、現場を経験している方々にもおすすめしたいです!
※今回一緒に受講したかたも現場でアジャイルQAを経験している方だったため、特別仕様として、本来の研修と異なる部分もあるかもしれません。ご了承ください。
長くなるので、前編・後編に分けたいと思います。後編もお楽しみに!
そもそもアジャイルとは?
本題に入る前に、アジャイルの簡単な説明と単語の説明を載せますので、本題に出てくる話はこちらを参考にしながらお読みください。
アジャイルとスクラム
アジャイル(Agile)とは「すばやい」「俊敏な」という意味の言葉で、
アジャイルソフトウェア開発は、小単位で開発とテストを繰り返しながら開発を進めていくソフトウェア開発手法です。
アジャイルソフトウェア開発宣言には以下のように述べられています。(引用元:アジャイルソフトウェア開発宣言)
このようにコミュニケーションを大事にしながら変化に対応していくことに重きを置く開発です。
スクラムはアジャイルソフトウェア開発手法の1つで、少人数のチームを組んで役割やタスクを分散しつつ、いろんな方法(ミーティングなど)でコミュニケーションを取りながら開発を進めるという特徴があります。
各用語については研修の流れの中で簡単に説明していきます。
実際のスクラムではより多くのミーティングなどが発生することもありますが、今回は研修に沿った内容のみを説明していきます。
折り紙動物園~スクラムを体験しよう~
研修は主に講義と実践の2つの構成となっていて、本ブログでは実践した内容について触れていきたいとおもいます。
最後には出来上がった動物園の写真もありますので、お楽しみに!
アジャイルとは?の講義の中で、 そもそもアジャイル・スクラムの基本的な説明、スクラム開発の流れ、スクラムの中での各役割、スクラムイベントの説明を受けて、実際のスクラムの流れをここで体験しました。
プロダクトオーナー1人、開発者3人、でロールを分けて、いざスクラム開始!(今回は少人数だったため、1人がプロダクトオーナーと開発者を兼任しています)
ロール:プロジェクトを進めていく関係者
プロダクトオーナー:プロダクトに対して責任を持ち、機能に優先順位をつける人。
開発者:プロダクトの開発を行う。
スクラムマスター:スクラムプロセスが円滑に進行するように外部から支援する。
QA:開発と協調しながらプロダクトをテストし、品質保証する。(この研修では省略)
1.バックログを決めよう
まずはプロダクトオーナーに決定権がある状態で
「どんな動物園」を作りたいかというコンセプト
どんな価値を提供するのかというプロダクトバックログ(ユーザーストーリー形式)
プロダクトバックログの優先順位
各プロダクトバックログを実現するためのタスク
などを決めていきました!
そして今回決まったのはこちら!
コンセプト:SNS映えする動物園 (前提として、カップル向けの動物園であること)ユーザーストーリーとタスクの詳細は各スプリントの写真をご覧ください。
プロダクトバックログ:プロダクトの作成のために必要な要求が書かれているリストのこと。
ユーザーストーリー:プロダクトバックログの書き方の一つで、「○○ができる」など、ユーザー目線で記述する。
タスク:ユーザーストーリーの中身を作業可能な粒度に分解したもの。
2.スプリントプランニングをしよう
1つ目のスプリントでやり遂げたいことを決め、それに紐づくタスクの詳細を決めていきました。
見積もりはS,M,Lの3種類で行いました。
スプリント:プロジェクトを小単位に区切ったもの。1~4週間の単位で分けられることが多い。
スクラムイベント:スクラム開発の中で発生するイベントのこと(ミーティングなど)。これらのイベントをスプリント内で回し、繰り返し行うのが一般的なスクラムの流れ。
スプリントプランニング:一つのスプリントの中で開発していくバックログを決め、バックログの詳細までも詰めていき、計画するミーティング。
3.開発しよう
1つのスプリントでやることが決まったら、いよいよ開発スタートです。
折り紙のやり方などを検索しながら各々作業に入っていきます。
スプリント1 のユーザーストーリーとタスクは以下の写真のようになりました。スプリント1では無事に全てのタスクを完了に持っていけました!
(今回はスプリント2まで実施しました )
4.スプリントレビューをしよう
開発が終わったら、成果物をプロダクトオーナーに見せながら、主に以下の点について説明していきました。
気を付けたポイント
意図のある作りをしたところ
今後の使い方や活かし方
ユーザーにとって影響のありそうなところ
などなど
スプリントレビュー:スプリントで仕上げた成果物をステークホルダーに見せ、フィードバックをもらい、修正をするためのミーティング。
5.振り返りをしよう
スプリントの最後に振り返りを行いました。
全体についての良かったこと・問題のあったことを話し合い、次回に挑戦したいこと・改善したいことを決めていきます。
(いわゆるKPTと呼ばれるやり方です。K:Keep、P:Problem、T:Try)
レトロスペクティブ:振り返りのこと。スプリントの最後に、スプリントの進め方など、プロジェクト全体の振り返りを行い、次のスプリントの改善点を決める
スプリント2のスプリントプランニングへ~
1~5の流れを1スプリントとして、2回分回していきました。
~感想~
スピード感を実感!!
短い時間の中で行ったためかタスクの詳細を決めきらないままスプリントが始まることもありました。実際も決まった時間、そして限られた時間の中でタスクの詳細を決めていかないといけないので、そのスピード感をとても感じられました。
各スクラムイベントはもちろんのこと、作業中でもコミュニケーションはとにかく大事!!
各スクラムイベント、特にスプリントプランニングでは開発者がタスクの中身を詰めていきます。
この時、作成するものの方向性やどうしても譲れないポイントなどを、プロダクトオーナーと決めていきますが、ここで開発者はとにかく不明点を洗い出し、作業スタート出来る準備をしなければいけません。
しかし、上でも述べたように、時間も限られているので、決まり切らなかったことや、作業し始めてから芽生えた疑問などは、随時プロダクトオーナーや他の開発者とすり合わせていかないといけません。
1人で決めても良いこともありますが、スプリントレビューで、プロダクトオーナーが「思ってたのと違う」となってしまうと、手戻りの作業が発生したりすることもあります。
そのため、必要性に応じて、コミュニケーションは積極的に行っていかないといけないと改めて痛感しました。
コミュニケーションについて書いたブログもありますので、よかったらそちらもご覧ください。
どのロールも大事!!
実際には説明したロール以外にも、営業、デザイナーなど、いろんな立場のステークホルダーがいます。
それぞれの立場からの意見が必要な時もあるなと思いました。
特に今回、完成したもののデザインは各開発者に任されているようなものだったので、事前にデザインを指示してもらっていたら、また違ったものになっただろうと思いました。
開発者の工夫はすごくありがたい
作ったものを今後も使っていくためメンテナンスしやすくする
ユーザーのニーズが変わることもあるから、可変的なものにする
など、各開発者の工夫が見られました。
私が経験した現場でも、そういうポイントに気を付けてる開発者も多くいたので、改めて感謝をしたくなりました。
(もちろん、これ以上に工夫をなされていることもあると思います)
スプリント回せば回すほど、改善点が出てくる!
今回、私はスプリント1のレトロスペクティブでは、あまり振り返る内容が思いつかなかったが(全タスク消化出来てしまったのもある)
スプリント進むごとに、振り返る内容が増えていきました。
慣れると完璧に近づいていくのではなく、どんどん改善点を見つけることが出来るのもスクラムの特徴の一つだと思いました。
実際にスプリント1とスプリント2の振り返りのボードをご覧ください↓
SNS映えする動物園の完成
実際に出来上がった動物円はこちらです。
それぞれがどんな用途のものなのかは、ご想像にお任せします。
(ちなみに、カメラ持ってる小人は私の力作のため、持って帰りました(笑))
最後に
長くなってしまいましたが、いかがでしたでしょうか!?
実際はここに書ききれない気づきがありました。
久しぶりの折り紙を楽しみながらもスクラムを実体験できる素晴らしい研修でした!ぜひみなさんにも体験していただきたいです。
後編ではもう一つ実践した内容について述べたいと思います。
こちらでは、実際にスプリントイベントをチームで決めたり、テストの要素も入れたりしていますので、より現場に近い内容となっています。お楽しみに!
最後までお読みいただきありがとうございました👐
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