見出し画像

「生成AIはどうテストを変えるのか」をテーマにしたら誰もバラ色の未来を見てなくて、むしろ良かった話


はじめに


皆さん、こんにちは

最近ピタパンづくりにハマっているのですが、いっこうにピタパンのピタ部分が開かず、家人に「それはナンでは?」と言われているSHIFT EVOLVEの森川です。

先日開催したテストとAIのイベントが好評だったのでレポートさせていただきます。

生成AIはどうテストを変えるのか (AI Test Lab vol.1) - connpass

イベントのきっかけ


GitHub copilotを筆頭にソフトウェア開発でも、日常的に利用される生成AIのサービス。一方でテストや品質保証についてはどうでしょうか?

さまざまなトライアルや事例がでてきているものの、まだまだプラクティスとして確立されるには少し遠い感じがしています。SHIFT EVOLVEとして、このテーマを深く広く考えたい、できれば現場目線で様々な立場の人と、公の場でディスカッションしたい、と思い企画しました。

記念すべき初回は、Magicpod CEOの伊藤 望さんには自動テストツールベンダーの目線で、日本電気株式会社 STAC(※常連)の坂下 聡さんには自動テストエンジニアの目線で、SHIFTのCATエバンジェリスト石井 優さんにはテストベンダーの目線で、テストにおける生成AIの活用をそれぞれ語っていただきました。

エントリーは380人、満足度も上々


皆さんのご協力もありエントリー380人、参加率は60%超えという大盛況な結果になりました。

アンケートの満足度も4.31と悪くない数字です。

エントリーされた方の属性は下記の通り。事業会社に属されている方が多く、今すぐプロダクトのテストにAIを活用したい、という来場の皆さんの課題感を感じました。

コンテンツ


異なる立場と目線から、三人三様にお話しいただきました。

石井 優さん 『さらに高品質・高速化を目指すAI時代のテスト設計支援と、めざす先』

SHIFTが手がけるテスト設計ツールのAI機能、TD AI Assistantを紹介しつつ、テスト設計のステップバイステップなAIレコメンド機能が目指す未来をご紹介しました。

石井さんのセッションの様子

坂下 聡さん 『テストケースの自動生成に生成AIの導入を試みた話』

キーワード駆動のテストケース生成処理の前段階に生成AIを活用したツールに関するお話。実運用はこれからなものの、かなりの精度でテスト設計を実現できることを紹介いただきました。

坂下さんのセッションの様子

伊藤 望さん 『E2Eテスト自動化プラットフォームにおけるAIの活用』

実際に組み込まれているAIを活用したMagicPod製品の便利機能。そして却下となった生成AI機能について、その経緯とともに紹介されていました。 却下になった経緯が生成AI活用にリアルを表していました。

伊藤さんのセッションの様子

パネルディスカッション


お待ちかねのパネルディスカッションではテスト設計とE2E、そして信ぴょう性にフォーカスしたテーマで挑みました。

パネルディスカッションのテーマ
  • AIがテストを設計する未来について

    • 👉️「その前に設計~開発を全部AIがやってくれる世界が来ると思う」

  • AIが作ったテストの信ぴょう性について

    • 👉️ 「生成AIの書いたものを人間がチェックするのではなく、人間が書いたものを生成AIにチェックしてほしい。」

  • AIでE2Eテストのコストは限りなくゼロに近づくのでしょうか?

    • 👉️ 「みんなUT苦手。生成AIはUTへの貢献のほうが大きそう」

AIの未来の可能性を広げるバラ色な議論になるかと思いきや、地に足をついたコメントが続出。

日頃現場で生成AIと向き合ってソフトウェアテストに携わるみなさんだからこそ言える冷静なコメントの説得力に、視聴者一同、腹落ちする場面も。

この盛り上がりを伝えられるかわからないのですが、マインドマップで議論の派生を表してみました。(多分伝わらない)

パネルディスカッションでの議論の派生を示したマインドマップ

後日、YouTubeにてアーカイブを発信する予定です。 詳しくはXアカウントをフォローしていただけると嬉しいです

https://twitter.com/shiftevolve_jp

次回


このイベント、まだまだ続きます。

参加後アンケートでは希望テーマをたくさんいただきました。

次回は9月頃に開催予定です。一緒にテストとAIの未来を追いかけましょう。お楽しみに。

おまけ


なんとSHIFT EVOLVE、この日でイベント98回目だったのです。記念すべき100回目まであと2回!

ボランティアベースでインディーズ的なコミュニティ活動にも関わらず、技術顧問川口さんをはじめたくさんの方にご支援をいただき、ここまで走ってこれたことに感謝しか無いです。

継続はパワーなり、この場をかりて感謝をお伝えします。

そしてもう一つ。

自動テストのアーキテクトとしてSHIFTにジョインすることになったきっかけは、前職で知った日本Seleniumユーザーコミュニティでした。 代表である伊藤さんがいらっしゃらなければ、今の私はありません、きっと世界のどこかで自動テストをカリカリ組みながら朽ち果てていたことでしょう。

なので、伊藤さんを司会としてお迎えできたことに、感無量でした。 Seleniumユーザーコミュニティで得た体験が、SHIFTで技術者コミュニティを築いたきっかけにもつながっていることを思うと、ひとしおです。

本当にありがとうございました。

今後ともSHIFT EVOLVEをよろしくお願いします。

◎そんじゃーね◎


執筆者プロフィール:森川 知雄
中堅SIerでテスト管理と業務ツール、テスト自動化ツール開発を10数年経験。
SHIFTでは、GUIテストの自動化ツールRacine(ラシーヌ)の開発を担当。
GUIテストに限らず、なんでも自動化することを好むが、ルンバが掃除しているところを眺めるのは好まないタイプ。
さまざま案件で自動化、効率化によるお客様への価値創出を日々模索している。2021年からは技術イベントSHIFT EVOLVEの運営を主担当。2022年~テスト支援ツール CAT/TDのプロダクト開発チームのマネージャーに就任。

お問合せはお気軽に

SHIFTについて(コーポレートサイト)

SHIFTのサービスについて(サービスサイト)

SHIFTの導入事例

お役立ち資料はこちら

SHIFTの採用情報はこちら

PHOTO:UnsplashBen Wicks