覚えておきたい!第一印象を良くした方がいい理由
はじめに
こんにちは!株式会社SHIFT(以下SHIFT)の能力開発部で、コミュニケーション&リーダーシップ教育を担当している岡田洋輔(ようさん)です。
ビジネスの場でもプライベートでも、できれば初めて会う人には良い印象を持ってもらいたいですよね。特に長期的に関わる人たちへの印象は良くしておきたいものです。一度悪い印象を与えてしまうと、そのイメージを払拭するのにはとても大きな努力が必要になります。
そこで今回は、身だしなみや表情など見た目の第一印象ではなく、人間性や為人(ひととなり)といった内面での第一印象に焦点を当ててみていきたいと思います。
第一印象は科学
第一印象の重要さを語るにおいて、アメリカの心理学者ソロモン・アッシュのとても興味深い実験があります。
彼の実験は「初対面のときに形成される第一印象は、その後の人間関係を長期に渡って支配する」ことを証明しています。つまり、最初に入った情報が記憶として定着し、長く持続するというのです。
彼は、被験者を2つのグループに分け、架空の人物について性格の特徴を伝えました。
一方のグループには「知的→勤勉→衝動的→批判的→頑固→嫉妬深い」の順に伝え、別のグループには「嫉妬深い→頑固→批判的→衝動的→勤勉→知的」の順に伝えました。両者の情報は全く同じで、ただ順番を逆にして伝えただけです。
面白いのは、同じ情報を与えられたのにも拘らず、2つのグループが受け取った人物像は大きく異なるものだったということ。
好ましい性格から伝えられたグループは、「この人物は知的で勤勉なだけでなく性格も良い印象が強く、多少の欠点もある」といった印象が受けました。
これに対して、好ましくない性格から伝えられたグループは、「この人はあまりよくない」印象を受けたのです。
最初に好ましい情報を聞いたグループは、あとで好ましくない情報を与えられたのにも拘らず好印象を持ち、最初に好ましくない情報を聞いたグループは、あとで好ましい情報を聞いたのにも拘わらず悪印象を持ったのですね。
第一印象が与え得る影響
想像してみてください。あなたが重要なビジネスミーティングに遅刻してしまったとします。そこでの初対面での印象は、「時間管理ができない人」となってしまうかもしれません。
たとえそれが交通渋滞など、あなたのコントロールできない理由によるものであったとしてもです。人は一度形成された印象を容易には変えません。そうすると、 将来のプロジェクトや昇進のチャンスを逃す原因にもなりかねませんよね。
また、最初の印象が「無愛想で冷たい人」となれば、その後の関係構築は一層困難になるかもしれません。人は無意識のうちに、初めての出会いで受けた印象を基に、相手との距離感を決定する生き物です。一度築かれた壁は、簡単には取り払えないものになってしまうのですね。
一方で、良い印象を持ってもらうことができれば、その後の関係構築はよりスムーズに進む可能性が高まります。相手はあなたに対してオープンな姿勢を取りやすくなり、より深い信頼関係を築く基盤が生まれるかもしれません。
もちろん何度もやりとりを重ねることでお互いのことをより深く理解している間柄になると、あとの印象により第一印象は変わることもあります。
ですが、第一印象が良ければ良いにこしたことはないですよね。
第一印象は良くすることができる
「第一印象を良くする」と聞いて、あなたはどのようなことを思い浮かべますか?
身だしなみを整える
笑顔で挨拶をする
明るい声のトーンを意識する
挙げ始めたらキリがないくらい、第一印象を良くするためにできることはたくさんあります。
ただ、それらの細かいマナーや技術を活かすためにも重要なのが、「相手が誰であれ、相手を尊重し、敬意を持って接する心構え」です。これは、良い第一印象を形成するための基盤となり、すべてのコミュニケーションスキルの根底に流れる原則といえます。
相手を尊重するとは、相手の価値や意見を認め、その人自身を大切に扱うこと。これは、相手の存在に感謝し、相手の立場や背景、考え方を理解しようとする姿勢から始まります。
どんなに身だしなみをきれいにし、笑顔で人当たりのよい印象を作ろうと細かいマナーや技術を学んだとしても、この心構えが欠けていれば、その努力は水の泡になってしまいます。反対に、相手を尊重する心があれば、自然とあなたの態度や行動からそれが伝わり、良い印象を与えることができるようになります。
おわりに
あなたの日常を振返ってみてどうでしょう?第一印象の力を軽視していませんか?私たちが他者に与える最初の印象は、その後の関係の土台を築くとても大事な第一歩となります。
そして、相手を尊重し敬意を持って接する心構えは、良い第一印象を形成するための鍵となります。これは、細かいマナーや技術を超えた、根本的な人間性の表れともいえます。
第一印象は、一度きりのチャンスです。
自分を磨き続けながら、一つひとつの出逢いをより豊かなものにしていくためにも、あなたはどのような第一印象を与えたいか、そしてそのためにはどうすればよいかを今一度考えてみてはいかがでしょうか?
何か感じ取ってもらえることがあれば幸いです。
P.S.
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
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