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S/4HANA Cloud 社内向け学習環境構築記~1~


はじめに

こんにちは。株式会社SHIFT SAPグループの八木です。SAPグループの社内教育を担当しています。

この記事では「SAP」はSAP社が提供しているERPパッケージソフトを指します。私の所属するSAP1グループでは、SAPのパッケージソフトであるSAP ERPや、SAP S/4HANA(以下、SAP)の導入やバージョンアップ案件(以下、SAP案件)でテスト支援等を行っています。

今回は、SAP S/4HANA Cloudの社内学習用環境として、非商用ライセンス(NCL)の環境”Cloud test, demo, and development for SAP S/4HANA Cloud, one-system landscape”を構築した体験談を書こうと思います。

この記事の想定読者

SHIFTの社内教育に興味がある方
SAP未経験者への教育に興味がある方
SAP S/4HANA Cloudの非商用ライセンス環境利用に興味がある方

この記事のゴール

SAP S/4HANA Cloud”Cloud test, demo, and development for SAP S/4HANA Cloud, one-system landscape”の環境構築の経験談を知ることができます

内容

SAP S/4HANAの学習ができる環境を作ろう

SAP S/4HANAへのコンバージョンや、導入支援案件が増える中でSAP S/4HANA環境の操作や、Fioriの操作について学習したいという要望が増えており、SAP S/4HANAの学習ができる環境を整備することになりました。
”SAPのパートナーが使える安価なライセンスが別にあるらしい”程度の前提知識しかない状態で、環境構築に挑みました。

どんなライセンス形態があるのか?

SAP社のサイトや、ブログ記事などを調査し、SAP Partner Portal上でパートナー向けのライセンスの説明を見つけました。基本的に英語のページしかなく、翻訳しながらの調査となり時間がかかりました。

SAP Partner Portal でHome> Partnership> Licenses と辿っていくと、提供されているライセンスの種類を確認することができます。

2023年8月17日現在確認できるライセンス
● Free Trials
● Test, Demo, and Development
● SAP Cloud Appliance Library
● Shared Demo Services

今回は、利用方法、利用期間、利用目的などを鑑みて、Test,Demo, and Developmentのライセンスの中から、SAP S/4HANA Cloud, one-system landscape を購入することにしました。

このライセンスは、S/4HANA CloudのCustomizingテナント、Developmentテナントが利用できます。

購入手続き

ライセンス形態や、金額を調査し、比較資料を作成して、社内向けの説明を行い、稟議を通しました(これが一番大変でした。。。)

以下の様なポイントで候補環境を比較しました。

比較の結果で購入したい環境を決定した後、「環境維持にかかる費用」に対して、「学習効果による単価の向上で、どのくらい売上貢献が見込めるのか」を説明して、稟議にかけました。

社内調整が整った後、購入手続きを行いました。 購入手続きは、SAP Partner Portalから「Manage My Serviceアプリ」にアクセスして行いました。 SAP Partner Portal でHome> Partnership> Licenses>Test, Demo, and Development と辿っていくと、手順の説明ビデオや関連資料へのリンクがありました。

Mange My Serviceアプリの利用方法は非常に簡単でした。
対象のサービスを選択して、注文処理後、承認者がアプリ上で処理を実施すると、登録したメールアドレス上に購入手続き完了のメールが届き、1~2日後に、プロビジョニングに関する案内のメールが届きました。

終わりに

SHIFTにはSAPの環境構築の専門家(ベーシス担当者)がいません。もしオンプレミスの環境を用意するとなった場合には、社内の情報システム部門に協力を依頼したうえで、SAP S/4HANA専用のサーバの選定や購入手続等を実施しなければならず、かなりの時間が必要になったと思います。しかし、Cloud環境を利用することでこれらの手続きが不要でした。購入までの手続きのスムーズさに、SAP導入のハードルが下がったことを実感しました。

次回は購入した環境を利用可能にするための「プロビジョニング」について書きたいと思います。

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執筆者プロフィール:八木
2021年から株式会社SHIFTに勤務。 SAPグループに所属し、SAPグループ全体の社内教育をはじめ、社内外向けの検定、研修の作成に従事。前職では日系コンサルティングファームに所属し、SAPの導入コンサルティング、設計、開発、ユーザ教育、保守運用等に従事した経験を持つ。

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PHOTO:UnsplashAmy Hirschi