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《2回目》CATの原点と機能開発の変遷|基礎固めから開発フェーズとの統合へ

こんにちは。CAT 推進グループ・石井 優です。

SHIFTの中でCATを専任で開発している本グループ内にて、ユーザーサポート・要件抽出などを担当しております。
前回に引続き、弊社のテスト管理ツール「CAT」について機能開発の変遷のお話をいたします。

現在SHIFTが提供するCATとは、テストの実行管理に主眼を置いた正式名称「CAT TCM(Test Cycle Management)」という製品を指します。ケースと実行結果・エビデンスの管理、及びプロジェクトの進捗管理や品質分析を担うツールです。詳しい紹介はぜひ製品HPをご確認ください。

[CAT製品HP]

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前回まではCATの発祥から2015年外販の開始、そしてCATのエポックメイキングとなったExcelの取り込み機能搭載まで話しました。今回は、その後に少し続く基礎固めの時期、開発フェーズとの統合の時期の話をご紹介します。



基礎固め(2016年後期~2017年中期)

2016年後期に待望のExcelの取込機能の実装が完了。テストや課題管理といった基礎機能の実装を完了。とはいえ、急ピッチで行ってきた分、細部の機能に不足する部分が多い時期でした。

この頃から弊社の規模も急拡大、CATをご購入いただいているお客様も増加し始めました。それにともないユーザー様からのご指摘も多くなっていきます。ちなみに2017年に受信したご要望・お問合せは約850件、前年度の1.5倍ほどに増加しました。

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基礎機能が揃っていても細部の使い勝手を洗練しない限り、業務上での非効率さが目立ち「良い機能はあるのに、いまいち使いづらい」ツールになってしまいます。

そのため、この時期は、ユーザー様のご指摘やCAT開発チーム自身で利用した時に出た改善点などをつぎつぎと反映していきます。

すごく細かいのですが、次の様な機能追加をしました。

・ テスト画面で紐付いた課題数のバッジを、課題対応状況によって色を
 変更する機能
・テスト実行画面、スペースキーのみで結果を一括で更新する機能
・ テストケースのバージョン管理と差分の抽出機能
・一度消したテスト仕様書を一度取り置けるゴミ箱機能
・PC上でコピーしたスクリーンキャプチャ等をショートカットキー(Ctrl+v)
 で直接エビデンスとして登録する機能
・課題管理のマイフィルタ更新機能
・ 課題一覧でフィルタして表示された内容を、そのままダウンロードできる
 機能
・画面の高速化(SPA化し画面の遷移速度が2倍以上に!)
・ Slackに課題の変更テスト完了を通知する機能


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使っているメンバーにしか実感できない細かい修正の数々。

これまで搭載した機能をもっと効果的に使えるように、いかにCATを「無理なく使っていただけるか」というところを、ひたすら追求してきた期間した。

オンプレ版 リリース(2017年1月)

CATは長らくクラウドツール(SaaS形式のソフトウェア)として提供し、2015年に販売を開始して以来、多くのお客様へ紹介いたしました。その中で「企業内のセキュリティ要件が厳しくクラウドツールの利用・データの登録が禁じられている」「オンプレ版でないと利用が難しい」という声を耳にするようになりました。

その背景に応えるために、4.14(2017年1月リリース)というバージョンではダウンロード版という名称で、オンプレミス環境にて利用できるインストーラーを公開し販売開始しました。

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今からたった4年前、2017年はまだクラウドツールには懐疑的な雰囲気も濃かったと記憶しています。「他社サーバーにデータの保管することに不安がある」「突然障害が起きて何日も使えなくなったり、データが消えてしまわないか」クラウドツールに対して、そういった印象が持たれていたと感じていました。

もちろん我々も信頼性を最優先したシステムの設計・運用・改善を行っていますが、当時は今よりもずっと「クラウドツールはどうしてもだめなんだよね」というお客様が多かったことを痛感したためダウンロード版の提供を開始しました。

その後、現在ではクラウドツールの利用がだいぶ一般的になってきた印象があります。背景には以下のような状況があると認識しています。

・Office365やGoogle Workspace、kintoneなどのツールがメジャーになり
 社会に浸透してきた
・クラウドツールの適用範囲、利用する効果が認知されてきた
・提供元、利用者側ともに運用方法やチェック方法等のプラクティスが
 確立してきた


2020年10月にメジャーな課題管理ツール「JIRA」を提供するAtlassianから「オンプレ版での提供について2024年を目処に完全停止する」と宣言されたことも、この状況を裏付けています。これは2017年のあの頃から現在に至る4年ぐらいの間、急速に社会が変化してきたなと如実に感じるひとつの出来事であります。

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なお今も、官公庁系のプロジェクトや金融系のお客様を中心に「利用するツールをオンプレミスに限定する」というセキュリティポリシーを持っている企業様はあります。「取り扱うデータの量・機密性・関わるメンバー数等からくる情報統制の困難さ」この困難さが非常に高い場合、オンプレミスを利用することが最善のセキュリティ戦略になり得ます。

クラウドツールが一般的になってきた昨今ではありますが、CATについてはそのようなご状況でもご利用いただけるよう、オンプレミス・SaaSともに提供を継続してまいります。

開発フェーズとの統合(2017年後期~2019年前期)

2017年中期まで、基礎機能を拡充しさらに多くのお客様で活用いただける基盤を固めるフェーズが続きました。2017年の後期からはこれまでとは少し違う方向性に向いてきます。

「開発のフェーズやツールと統合」これがこの時期のテーマとなります。
CATは主にテスト管理にフォーカスしています。しかしテストの目的は本来プロジェクト、プロダクトの品質を向上させることにあります。ここに着目するとテストだけではなく、開発の業務フローについてもサポートする必要があると考えました。

そこでこの時期は以下の機能を開発しました。

■課題管理のワークフロー
不具合チケットのステータスを「修正完了」に変更すると「開発者」「原因」「修正箇所」等任意のカスタムフィールドを必須フィールドにする、といった機能。不具合分析のために必要な情報入力を漏れなくメンバーに促します。

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■サービス課題管理(プロダクトバックログ)・スコープ管理
開発案件(プロジェクト)以外で発生した運用中の不具合や、ユーザーからの要望といった製品・システムの要件を従来の課題管理から切り離して管理する機能。また要件を各プロジェクトの対応スコープとして利用することで要件の実装時に実施したテスト・発生した不具合との紐付けしトレーサビリティの向上にも寄与します。

■Git連携
不具合の修正チケットとGitのコミットログを紐付けることで修正箇所のソースコードを画面に表示。

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■REST API
テストや進捗情報等、CATの情報を全てREST APIで取得できるように、プロジェクト独自のグラフやダッシュボードなど開発しやすい基盤を提供。

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■ガントチャート
タスクとその担当者・依存関係をグラフィカルに編集・表現。テスト以外の工程や作業も管理。

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■バーンダウンチャート
テスト・課題・スコープの残工数と消化見積もりを表示(※現在はテストのみに限定)

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■カラーテーマ
CATのUIの色を自由に変更できる機能。開発に携わるメンバーにとって、プロダクトやコーポレートカラーといった慣れ親しんだ色で使っていただけるように。

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テストするメンバーだけでなく開発に携わるメンバーにも有用な機能を提供することで、さらにプロジェクト、プロダクトの品質向上に寄与する基盤を構築してきた時期です。

このテーマに目を向けられるようになったのは、テストに関する機能のブラッシュアップもある程度完了してきたと認識していたからです。

・・・しかしここからまた違うテーマに出会い、対応していくのがここからの話になります。

おおっと、時間というものは残酷なものですね~。
長く語りすぎて終わりの時間が迫って参りました。
この後の話はまた次回!それではまた~。


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執筆者プロフィール:石井 優
倉庫事業企業のシステム部門にて、基幹システムの開発・保守・導入及び大規模基幹システム移行への参画を経験し、2015年SHIFTへ入社。
CAT開発チーム内でユーザーサポートとして、ユーザーと開発メンバーのブリッジを行いユーザーの課題分析や新機能提案などを日々実施している。


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