スクラムで性格診断を活用したミーティング活性化【ソーシャルスタイル編】
こちらは、公式アドベントカレンダー2024_A IT技術関連トピック Day.17 の記事です。
公式アドベントカレンダー2024_B 仕事術・キャリア・体験記も毎日記事を公開していますので、ぜひあわせてご覧下さい。
★Day16のアドベントカレンダー記事
「パケットをキャプチャして理解するTCP」(佐藤翔太)
はじめに
こんにちは。スクラムマスターの伊藤です。
昔々、どうぶつ占いという性格診断が流行ったことがありました。
へびつかい座やら血液型診断など、人は何かと「この人はこういうタイプ」と決めるのが好きなようです。
その背景には人を知る、自分を知ることでコミュニケーションを円滑にするといった目的がありそうです。
そこで、性格診断を活用して、ビジネスの場で欠かせない各種ミーティングを活性化する方法を実践してみましたので、紹介したいと思います。
よもやま話
どうぶつ占いは、羊だったと記憶してます。「干支と一緒じゃん」と覚えやすかったので… 羊だと何なのかは覚えてません。
背景
筆者は、アジャイルの代表的な手法であるスクラムを採用している案件のチームに入っていました。
スクラムではイベントと呼ばれる様々なミーティングがあります。(デイリースクラム、プランニング、スプリントレビュー、レトロスペクティブなど)
しかしながら、発言は一部の人に偏るなどイマイチ活性化せず、チーム全体の意見が反映されているのか疑問視されていました。
心理的安全性を下げることに注力し、「批判しない」「尊重する」「個人ではなくチームの責任」といったポリシーを浸透させていきましたが、やはり発言は活性化しませんでした。
そこで、性格診断を用いたミーティングの活性化を試してみることにしました。
ソーシャルスタイル診断とは?
現在、MBTIなど様々な性格診断がありますが、わかりやすく、診断がすぐできるソーシャルスタイル診断を採用することにしました。
診断時間は早ければ3分
診断結果は4タイプ
とシンプルなのに、その名の通りスムーズなコミュニケーションを取るためのヒントを得ることが出来ます。
診断サイトは以下がおすすめです。
18問の2択に答えるだけですが、4タイプでも座標でプロットすることができます。
簡易診断は以下がおすすめです。
4つのタイプに診断されるはずです。詳しい解説は上記のサイトに譲るとして簡潔に説明します。
ドライビング: リーダータイプ
エクスプレッシブ: 盛り上げ役
エミアブル: サポートタイプ
アナリティカル: 寡黙で冷静
可能であればチーム内の何人かにやってみてもらいましょう。
ミーティングでの発言者はドライビングやエクスプレッシブに集中しているのではないでしょうか?
ちなみに日本人はエミアブルが45%と圧倒的に多いそうです。
エミアブルは主体者より協力者として威力を発揮するという日本人気質なのかもしれません。
そして、エクスプレッシブが33.5%、アナリティカル12%、ドライビング9.5%と続きます。
参考:つむぎゆりブログ「ソーシャルスタイル理論の日本人割合【男女比率も調査】」
リーダータイプのドライビングは貴重で、チームに10人いても0人のことがザラです。
ちなみに私が参画していたプロジェクトでは、14名のチームで以下の結果でした。
エミアブル 8名 57.14%
エクスプレッシブ 4名 28.57%
アナリティカル 2名 14.29%
ドライビング 0名 0%
チームメンバーの結果が出揃ったら、オンラインホワイトボード等にプロットしてみましょう。
筆者、伊藤はエミアブル寄りのエクスプレッシブでした。
さぁ、診断結果が出揃ったところで、ミーティングをどう活性化するかについて紹介していきます。
よもやま話
上記の例では、4名のエクスプレッシブがミーティングの発言も積極的なように見えますが、実際に積極的に発言するのは3名のみでした。1名はまだ経験も浅く、参画して間もないこともあり、ミーティングでの発言は控えめでした。
しかし、飲み会で彼のマシンガントークは炸裂したのでした。
この2軸のプロットでボキャブラ天国を思い出すのは、一体何歳以上ですかね。
ソーシャルスタイル診断の活用
オンボーディング
プロジェクトに参画したときのオンボーディングで、ソーシャルスタイル診断を実施し、座標にプロットするといいでしょう。
新規参入者に対する理解が早まりますし、新規参入者本人もこのチームは、この人はこういう傾向なのかということがわかります。
チーム編成
プロジェクトのチームを更に分割して2チーム制にする、といったことがありますが、基本的にはスキルやロール特性を見ながらの編成になると思います。
ソーシャルスタイルタイプの偏りがないように考慮すると、チームのコミュニケーションが円滑になり、ミーティングの活性化に繋がります。
(ドライビング不足は発生すると思いますが)
タイプ別ミーティングでの対応
エクスプレッシブ
発言力が高いので最初に意見を聞いて、他のメンバーの気付きや考える時間を与えましょう。 また、注目することで本人のモチベーションがアップします。
エミアブル
主体者になることよりも協力者を望みますので、発言することで、その案の推進者にならないように、どういったサポートが可能か、協調重視の発言を求めることで話しやすくなります。
また、やはり発言が苦手な方も多いので、付箋に書いてもらう形式も有効です。
そして、その発言やサポートが役立ったことを伝えると好循環になります。
アナリティカル
データに基づいて論理的に考えることが得意なため、データなどがあれば事前に提示しておきましょう。
じっくり考えるタイプのため、発言は最後の方に聞くのが良いです。
ドライビング
しっかりとした意見を持っていることが多いため、場が滞っているときや、新たな視点での意見が欲しいときに発言を求めると効率的です。
また、プロジェクト成功に必要な、合理的な判断が出来るため、ファシリテーターを担当してもらうのもよいでしょう。ただ、自分の意見を主張しすぎず、みんなの意見を聞くことは大前提としておきましょう。
おわりに
ミーティングの活性化という悩みは多くのプロジェクトで抱えていると思います。
声が大きい人ばかりで議論を進めるのではなく、ソーシャルスタイル診断を活用して、発言が苦手な方がいることを認識し配慮することで、皆が納得することができ、プロジェクト成功の確率も向上すると思われます。
ミーティングの活性化に悩むプロジェクトで、メンバーの性格特性を考慮してミーティングを進める手法として参考になれば幸いです。
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