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DAAE流、ソフトウェア産業における市場規模について調査してみた

はじめに

こんにちは、DAAE(ダーエ)のでじまです。
DAAEとはデザイン(Design)、迅速性(Agility)、組み合わせ (Assembly)、経済品質(Economic quality)の頭文字をとったSHIFTオリジナルのプロダクト開発フレームワークです。

近年、「コロナによるリモートワークへの移行」や「DXブーム」によりIT業界への期待が高まる中、IT業界?ソフトウェア業界?どんなことしている産業で市場規模はどれくらいなのか調査してみました。

私自身も新規事業立ち上げ部署に所属しており、日々さまざまな市場について調査している中で、市場規模まとめ記事が少ないように感じました。
市場調査を行っている方やソフトウェア市場について詳しく知りたい方のためにソフトウェア事業における調査情報をとりまとめてみました。

また、今回のテーマは新規事業企画の一助となるだけでなく、就活生やコンサル業等、幅広い方に活用いただければと思います。

それでは、そもそも市場規模調査ってどのようにしているのか、どんなソースを使用しているのか、算出されていない市場規模はどのように算出しているのか等、ソフトウェア産業を例にDAAE流に見ていきます。

この記事はこんな方におすすめ

  • 新規事業の企画担当者

  • 市場調査の担当者/コンサルティングファーム

  • SHIFTやコンサル等を志望する就職活動中の学生、社会人(フェルミ推定で活用できるデータが必要な方)

  • 情報システムの担当者

※ フェルミ推定とは、実際に調査することが難しいような数値を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、概算することです。例えば「東京都内にあるマンホールの総数はいくらか?」「日本にピアノの調律士は何人いるか?」など、一見見当もつかないような量に関して推定することです。

1. 日本の労働人口について

まずは、ソフトウェア業界について調査する前に市場の規模感を再認識するために日本の労働人口について見ていきます。

総務省によると労働人口は6755万人であることが分かりました。
年齢別でみると45~54歳がもっとも多く、日本の人口構造と大きな差異がないことがわかります。いわゆる団塊ジュニア世代にあたる世代となりますね。

さらに、日本の総人口は1億2485万人(総務省)ですので総人口の54%が労働人口にあたりますね。

参考情報ですが、情報サービス業に従事している人口は117.9万人となっております。 経済産業省の発表では2030年にIT人材が最大で79万人不足する見込みとなっています。

新規事業やフェルミ推定をする上で、上記のおおよその労働人口割合の感覚値を持つことが重要です。
例えば、30代前半の男性向けのサービス、といったマーケットでいえば、TAM(Total Addressable Market)=市場全体感として、約半分の230万人程度、といった推計が可能となります。

さらにここからSAM(Serviceable Available Market)=当該事業がリーチ可能な最大市場規模を、営業などのリレーションを考慮してTAMの30%、SOM(Serviceable Obtainable Market)=実際にアプローチ可能な市場をさらに30%といった形での試算が可能です。

以上のように、算出されていない市場規模感については、フェルミ推定によって算出が可能です。
次に、日本のソフトウェアマーケットについてみていきます。

2.日本のソフトウェアマーケット

次に本題の日本のソフトウェアマーケット(IT業界)について見ていきます。

IT業界とは

  • インターネット・Web業界

  • 通信業界

  • 情報処理サービス業界(SI)

  • ソフトウェア業界

  • ハードウェア業界

今回はIT業界を5つの業界に大分類しています。SHIFTが面しているソフトウェア開発産業に関係するソフトウェア/SaaS業界、ハードウェア業界、情報処理サービス業界(SI)について見ていきましょう。

システムインテグレーション(SI)

  • システムインテグレーター 5.6兆円
    (経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」より)
    顧客企業が情報システムを導入する際に、業務内容や目的に応じてシステムを基本設計し、ハードウェアとソフトウェアの選定からプログラム開発、システム構築、運用、保守までを一貫して手掛けることです。

  • 情報セキュリティ 1.1兆円
    (NPO日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)より)
    情報セキュリティ関連の技術・ツール・サービスの開発・提供を行う企業群のこと。境界型セキュリティから、クラウドセキュリティを含む形でのゼロトラスト型へのシフトが拡大している背景もあり、今後も市場は伸びる予想です。

  • コンサル 0.9兆円
    (IDC「国内コンサルティングサービス市場」より)
    経営・戦略・会計・組織・人事・ITといった様々な悩みに対して、それぞれ専門的な知識やノウハウを持ったコンサルタントが、相談を受け、指導や企画・立案を行い経営戦略、事業開発、業務開発などをサポートし、企業の成長へと導くことです。デジタル関連やDXの需要が今後も続き、市場は成長予想になっています。

ソフトウェア/SaaS

  • AI 1.3兆円
    (富士キメラ総研「2022人工知能ビジネス総調査」より)
    企業や自治体のDX化が進んでおり、むしろ追い風になっています。また、AI自体の先端性や市場の成長率などを考えると、AI業界における人材獲得の激化が予想できます。

  • コラボレーション 0.6兆円
    (富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場」、ICT総研「クラウドストレージサービス市場動向調査」合算値より)
    ビジネスチャットやWebといった組織内外とのコミュニケーション、データ・タスク・知見などを連携・共有し、コラボレーションを支援するためのツールになります。リモートワークの拡大により、働き方自体も変化し始めており、市場拡大が期待されています。

  • ヘルスケア 0.6兆円
    (保健医療福祉情報システム工業会より)
    医療情報システム(電子カルテなど)を開発、販売する企業のことです。国の施策の影響を大きく受ける業界ですが、政府は医療・介護分野の情報化を進めていることから、市場は一定の規模を維持するとみられています。

  • 業務支援 0.5兆円
    (富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場」より推計)
    業務効率化を目的に幅広く使われるソフトウェア(汎用的な業務ツール、業務特化型ツール、自動化ツール)を開発・提供する企業のことです。こちらも、企業のDX意欲の高まりを背景に成長推移していると考えられます。

  • 会計 0.5兆円
    (富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場」より)
    企業や個人事業主向けの財務会計ソフトウェアを提供する企業が対象とします。クラウド型ソフトによって、個人事業主を中心とした新しいマーケットが拡大しています。また、企業においては、業務のデジタル化や、働き方改革などを背景とした生産性向上を背景にシステム導入が広がっており、市場の成長が期待されます。

  • インフラ系 0.3兆円
    (Microsoft社の売上高、経済産業省『特定サービス産業動態統計』より推計)
    そのうちOSやデータベースソフト、またエンジニアが開発やシステム環境を管理するためのインフラ系ソフトウェアを提供する企業のことです。

  • EC/Webサイト 0.2兆円
    (富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場」より)
    電子商取引(EC、Eコマース)業務の支援を行うシステム開発および関連するサービス提供を行う企業のことです。コロナ禍を受け、インターネットで販売するニーズは高まっており、市場規模は拡大傾向にあります。

  • 営業/マーケティング 0.2兆円
    (富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場」より)
    顧客情報の管理やコミュニケーション・購買などの行動データの取得・分析などを通じて、営業・マーケティング活動を支援するソフトウェアを開発・販売する企業のことです。営業人員不足の課題解消などを背景に安定的な伸びが期待できます。

  • ERP 0.2兆円
    (ITR Market View 「ERP市場2022」より推計)
    ERP(統合基幹業務システム)ソフトウェアの開発、販売を行う企業のことです。従来では大規模なシステムとなることから導入は大規模企業が中心でしたが、近年はクラウドによるSaaS形式のサービスが増加し、中小企業への導入も進んでいることから、市場は拡大傾向が続いていると考えられます。

  • 人事 0.04兆円
    (富士キメラ総研より)
    採用管理、人事評価を含む人材管理、勤怠管理や給与計算、労務手続きを含む労務管理などの人事領域で用いられるソフトウェアの提供を行う企業のことです。オンプレミス型からクラウド型への移行や中小事業者のクラウド型の新規導入により継続的に成長すると予想されています。

ハードウェア

  • ハードウェア(スマホ) 2.0兆円
    (総務省「電気通信事業報告規則に基づく報告及び報告徴収に基づく報告」より)
    世界的な半導体不足、新型コロナによる生産拠点のロックダウン、部材費・輸送費の高騰、円安の影響が懸念されます。各種コストの高騰と円安の影響により2022年度に発売される新モデルは従来モデルと比較した際に値上げされる可能性があります。

  • サーバサービス 1.3兆円
    (野村総合研究所「ITナビゲーター」より)
    データセンターの保有・運営を行うとともに、そのリソースや関連サービスを顧客に提供する企業のことです。

  • ハードウェア(PC) 0.7兆円
    (電子情報技術産業協会より)
    コロナ禍のリモートワーク等の対応により一時的に販売額が伸びましたが、その需要は落ち着く見込みとなっております。

  • 組み込み開発 0.4兆円
    (経済産業省「情報通信業基本調査」より)
    通信機器や家電など特定の機能を実現するためのハードウェアに組み込まれ、それを制御するための組込みシステム、およびソフトウェアを開発する企業のことです。近年、様々な産業分野においてIoT化やDXが進み、組込みシステムへの需要を後押ししています。

  • CAD/CAM 0.2兆円
    (本業界に属する上場企業12社の売上高を合計より算出)
    CAD・CAM業界の製品は、自動車・航空機・電機などの組立型製造業や、建築・土木・プラント設備業などを始め、設計業務が存在する全ての企業が顧客となります。現在、コロナ禍で減額した機械受注額は2020年6月以降回復しています。生産効率化への需要は継続しているほか、作業環境のオンライン化・クラウド化がCAD・CAMシステムの需要増加の追風となっています。

  • etc... (その他多数マーケットは存在するものの、本稿では一旦ここまで)

上記のように、業界業種ごとにマーケットは存在し、規模感が需要に応じて異なってくることが分かりました。では、この取り上げたマーケット全体をDAAE流に図式化してソフトウェア開発産業における市場を見ていきたいと思います。

マーケット算出まとめ

ソフトウェア開発産業のマーケットを算出するにあたり、情報処理サービス業界(SI)、ソフトウェア/SaaS業界、ハードウェア業界の3つに分解しそれぞれの市場について見てきました。

今回の調査や推定結果をDAAE流にまとめた結果がこちらの図になります。

DAAE流ソフトウェア開発産業市場まとめ

作/DAAE

総合すると、ソフトウェア開発市場は16.8兆円+α(αは今回含まないマーケット)となり、SHIFTが面している市場はとても大きく成長余地もあるということが分かります。

中でも、システムインテグレーターの市場規模が5.9兆円と大きく、システムの受託開発が盛んにおこなわれていることが分かります。また、ソフトウェア/SaaS領域ではAI市場が1.3兆円と大きく、今後もAI市場は伸びていくことが分かりますので、AIへのビジネス参入は増えていくと思われます。

最後に今回のテーマのまとめをしたいと思います。

3. まとめ

今回は、ソフトウェアマーケット市場について見てきました。
IT業界を5つに分解し、さらに小さく業界を絞って調査を行うことで、大きなマーケットの市場規模を算出しました。

今回のように、日頃から、ビジネスシーンで市場規模を調査、算出するような方はもととなるデータ集(日本の総人口や分布、各業種の市場規模等)を手元に持っておくと、新規事業の取り掛かりがスムーズになるかもしれないですね。

こういったベースの市場規模の感覚を持っておくことで、日々のビジネスシーンにおいても、プロダクトの市場規模やターゲット顧客数をフェルミ推定を使って導出することができます。

またDAAEではこういったマーケット整理からビジネス企画もご支援しております!(一応PR)

次回は、ソフトウェアマーケットについて、DAAEにおける新規事業事例を通じて、詳しくみていきます。

※注意点
当該データに関して、2022年12月時点において入手可能なデータとなっておりますのでご留意ください。ソフトウェアのマーケットは日進月歩で進化を続けていますので、常に鮮度の高いデータを入手することを推奨いたします。

4. 参考文献

  • 経済産業省「IT人材白書2020」

  • 総務省統計局「労働力調査」

  • 総務省統計局「人口推計」

  • 総務省「令和2年度版 情報通信白書 雇用者数」

  • 経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」

  • NPO日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)

  • IDC「国内コンサルティングサービス市場」

  • 富士キメラ総研「2022人工知能ビジネス総調査」

  • 富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場」、

  • ICT総研「クラウドストレージサービス市場動向調査」

  • 保健医療福祉情報システム工業会より

  • ITR Market View 「ERP市場2022」

  • 総務省「電気通信事業報告規則に基づく報告及び報告徴収に基づく報告」

  • 野村総合研究所「ITナビゲーター」

  • 電子情報技術産業協会

  • 経済産業省「情報通信業基本調査」

  • Microsoft社の売上高

  • 経済産業省「特定サービス産業動態統計」

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執筆者プロフィール:でじま
戦略ソリューション営業部所属。2022年7月にSHIFT入社。
新規事業立ち上げ業務や社内サービス運営に携わり、SHIFTの自社サービスの成長に貢献すべく日々精進しています。2022年11月より、DAAEブロガーの担当になりました。日々新たな示唆を得られるように、様々な事象にアンテナを張っていきます!

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