CATを使って予実管理を精密に手間なくする方法は?
こんにちは。CATエヴァンジェリスト・石井優でございます。
CATには「テストケース消化にかかった工数と予定工数の比較をしたい。それにより残り工数に対して遅れているか否か(工数ベースでの進捗の遅れ)を検知したいが、工数の実績を入力する欄がない、どのような想定か?」というご質問をいただきます。
CATはテストケースの予定消化工数を入力する箇所はありますが、実績工数を入力する箇所がありません。
では予実の比較や遅れの検知をどうするのがCATの想定する運用なのか。この点を整理したので書いていきます。
CATはテストケース消化の予実を原則ケース単位で確認することを想定しています。
ただし、ケース単位だけで進捗を確認すると「軽いテストケースばかりやっていて、実は比較的重いケースが残っている」ということもあります。
この状態を検知するためにCATは予定として入力した工数と消化ケース数を掛け合わせて、推定の実績工数をベースに進捗率を算出します。
① 推定消化工数 (予定消化工数×消化ケース数)
5分×235ケース=1,175分=19.58時間
② 母数となる全工数(予定消化工数×全ケース数)
5分×260ケース=1,300分=21.67時間
15分×66ケース=990分=16.50時間
→合計38.16時間
工数ベースでの進捗率 (①/②) 19.58時間/38.16時間 (51%)
→ケース単位で見ると72%で順調そうでしたが、
まだ半分程度の残工数となっていることがわかりました。
重いテストケース(1ケース15分ぐらい)が残っているんですね。
CATはこの二つの進捗率と、CATに設定した予定値を比較して判断することを想定しています。
この運用には前提があります。
テストケースをとにかく細分化すること
テストケースの消化時間をなるべく均質にし(5分〜15分程度)、実態とずれにくくすること
この2点です。
まずテストケースを手順単位で細分化します。このときに1ケースの消化時間をだいたい5分から10分をめがけて設計します。
作業単位が細かくなるため、1ケースあたりの予定工数が比較的予測しやすくなり、予定と実績の乖離を少なくします。
その上でテストケースに対して平均消化時間の予定を設定します。
それでもケースにより少し長めにかかるものと、そうではないものがあるため、それぞれでグルーピングしてグループごとに、5分で終わるもの、15分で終わるものなどと分けて設定します。
これにより予定と実績の工数の乖離が極力少なくなるため、ケース数ベースでの進捗と、推定消化工数だけでも実態に近い工数管理ができる、という思想です。
もちろん実績値を蔑ろにするという考え方はありませんが、これにより実績工数の管理(入力、確認、報告)を省略し、管理の手間を最小化するという意図があります。
実績工数の管理を行う場合、どうしても作業実施者が何分かかったのかを計測と記録をし、それぞれ管理表やアプリケーションに入力するというコストが発生します。
これを実際にやってみると、
意図したタイミングで入れてくれない
誤った(もしくは虚偽の)工数を入力される
ということがあります。とくに人数が多くなった場合、自発的に入れてもらうというのを強要するのはメンバーにもチェックする側にもかなりの負担になるものです。
であれば、最初からテストケースを細分化して工数の予実の乖離をなくせば、ケースの消化と結果の登録(テスト実施には必要な作業)だけである程度正確な予実管理ができ、遅延や課題発生の早期検知ができるだろう、という考え方になります。
設計時点での方針設定というのがありますが、テストフェーズ管理のヒントになれば幸いです。
ではでは。
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