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CATを使って予実管理を精密に手間なくする方法は?

こんにちは。CATエヴァンジェリスト・石井優でございます。

(情報)統合型ソフトウェアテスト管理ツール「CAT」についてはこちら! 現在SHIFTが提供するCATとは、テストの実行管理に主眼を置いた正式名称「CAT TCM(Test Cycle Management)」という製品を指します。ケースと実行結果・エビデンスの管理、及びプロジェクトの進捗管理や品質分析を担うツールです。詳しいご紹介はぜひ製品HP をご確認ください。

CATには「テストケース消化にかかった工数と予定工数の比較をしたい。それにより残り工数に対して遅れているか否か(工数ベースでの進捗の遅れ)を検知したいが、工数の実績を入力する欄がない、どのような想定か?」というご質問をいただきます。

CATはテストケースの予定消化工数を入力する箇所はありますが、実績工数を入力する箇所がありません。

では予実の比較や遅れの検知をどうするのがCATの想定する運用なのか。この点を整理したので書いていきます。

CATはテストケース消化の予実を原則ケース単位で確認することを想定しています。

テストケースベースでの進捗率
235ケース/全326ケース (72%)

ただし、ケース単位だけで進捗を確認すると「軽いテストケースばかりやっていて、実は比較的重いケースが残っている」ということもあります。

この状態を検知するためにCATは予定として入力した工数と消化ケース数を掛け合わせて、推定の実績工数をベースに進捗率を算出します。

① 推定消化工数 (予定消化工数×消化ケース数)

  • 5分×235ケース=1,175分=19.58時間

② 母数となる全工数(予定消化工数×全ケース数)

  • 5分×260ケース=1,300分=21.67時間

  • 15分×66ケース=990分=16.50時間
    →合計38.16時間

工数ベースでの進捗率 (①/②) 19.58時間/38.16時間 (51%)
→ケース単位で見ると72%で順調そうでしたが、
まだ半分程度の残工数となっていることがわかりました。
重いテストケース(1ケース15分ぐらい)が残っているんですね。

CATはこの二つの進捗率と、CATに設定した予定値を比較して判断することを想定しています。

(画像)予定線と実績線のグラフ
(画像)予定に関する項目

この運用には前提があります。

  • テストケースをとにかく細分化すること

  • テストケースの消化時間をなるべく均質にし(5分〜15分程度)、実態とずれにくくすること

この2点です。

まずテストケースを手順単位で細分化します。このときに1ケースの消化時間をだいたい5分から10分をめがけて設計します。

作業単位が細かくなるため、1ケースあたりの予定工数が比較的予測しやすくなり、予定と実績の乖離を少なくします。

その上でテストケースに対して平均消化時間の予定を設定します。

それでもケースにより少し長めにかかるものと、そうではないものがあるため、それぞれでグルーピングしてグループごとに、5分で終わるもの、15分で終わるものなどと分けて設定します。

これにより予定と実績の工数の乖離が極力少なくなるため、ケース数ベースでの進捗と、推定消化工数だけでも実態に近い工数管理ができる、という思想です。

もちろん実績値を蔑ろにするという考え方はありませんが、これにより実績工数の管理(入力、確認、報告)を省略し、管理の手間を最小化するという意図があります。

実績工数の管理を行う場合、どうしても作業実施者が何分かかったのかを計測と記録をし、それぞれ管理表やアプリケーションに入力するというコストが発生します。

これを実際にやってみると、

  • 意図したタイミングで入れてくれない

  • 誤った(もしくは虚偽の)工数を入力される

ということがあります。とくに人数が多くなった場合、自発的に入れてもらうというのを強要するのはメンバーにもチェックする側にもかなりの負担になるものです。

であれば、最初からテストケースを細分化して工数の予実の乖離をなくせば、ケースの消化と結果の登録(テスト実施には必要な作業)だけである程度正確な予実管理ができ、遅延や課題発生の早期検知ができるだろう、という考え方になります。

設計時点での方針設定というのがありますが、テストフェーズ管理のヒントになれば幸いです。

ではでは。

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執筆者プロフィール:石井 優
倉庫事業企業のシステム部門にて、基幹システムの開発・保守・導入及び大規模基幹システム移行への参画を経験し、2015年SHIFTへ入社。 CATエヴァンジェリストとして、ツールだけでなくプロジェクト管理プロセスに関する紹介や提案など幅広く活動中。CATやTDのことに興味があればいつでもご連絡ください!

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