QA体制の立ち上げ奮闘記 --作業に迷ったら、サ行に従え!-
こんにちは。SHIFTのアカウントマネージャー清信です。
第三者検証会社として「常駐スタイル」でのQA体制構築に数多く携わってきた経験から、全2回にわたり、皆さんにノウハウを少しだけ紹介しようと思います。
前回は、最初が肝心、最初の「自己紹介」についてお話しました。
今回は、お客様先へ入場後、本格的にプロジェクトが走り始めてから直面する課題について話ていきたいと思います。
入場後あるある問題
先に記述したものと重複しますが、一番おおいのは「聞いていた話と違う」がダントツです。
僕の経験談から実際にあった「違う」を紹介していきたいと思います。
・総合テストの実行が終わらないので1週間だけ手伝っていただきたい
この時は話を頂いたのが木曜日で、参画してほしいと受けた日が翌週の月曜日でした。
さすがにアサインの調整がつかなかったので私が1週間だけ入って。と軽い気持ちで入ったんですね。
で、実際どうだったかと言うと。
・単体テストはいくつも作られているものの、なにが着手されているのか、なにが不要なのか不明
・結合テストはエンド(お客様)の承認も降りていないのに着手しており、途中(進捗30%)
もはや、テストケースレビュー中なのに実施していたり、指摘の反映履歴もよく分からない状態
・総合テストに関しては途中でテストケース作成が挫折
・リリースが1週間後
ちょっと、「何言ってるか分からない」って感じですよね? はい、僕もプチパニックでした(笑)。
結局そのプロジェクトのリリースは4か月後になってしまったのですが、僕が入場してから行った作業を紹介します。
・要求、要件定義書を全部眺める
・過去の定例議事録を三か月前から見直す(3か月前、2か月前、1か月前、あとは週単位)
・各工程のテスト仕様書を全部チェックする(どこまでカバーしていて、どこまで見れているのか)
・現状の不具合一覧
・PMの方からシステム概要と担当スコープ、これまで経緯の説明をもらう
・これからの方針書を作成
これを2日で実施して3日後にはエンドのお客様とのMTGで方針書をお披露目するというスケジュール感。汗!
(普通?初日はPCのセットアップとかですよね?笑 セットアップなんてしてる暇すらありませんでした)
方針書とは別で、方針を実現するための「体制構築書」も作っていました。
体制構築書は参画しているベンダー様向けになります。
主な内容としては
<方針書>
・現状僕が認識している状態(こういう状態に至った経緯)
・それぞれのテスト工程に応じたテスト進捗
・現状の不具合(改修が済んでいないもの)と過去不具合の改修までかかっている時間
・現状信用できるテスト結果範囲と再実施必要な範囲
・テストケースを再作成しないといけない範囲とそれぞれの時間
・そこまでしても尚発生する課題とリスク
<体制構築書>
上記の方針書を実現するうえでのリソースと座組(現状参画頂いているテストベンダーの協力も必要だったため)とスケジュールと予算
など。。など。。。
方針書をエンドのお客様にもっていった時には最初めちゃんこお叱りを頂きました。(当然です。。)
「今更こんなもの持ってこられても・・・」
「これは、あんたが責任をもってやってくれるのか?」
「メンバーはすべてあんたが管理するのか」
「ほかのリスクはないのか」
「我々はどういう支援すればいいのか」
・・・。
・・。
MTG序盤は、ツラかったですが、1つ1つ説明していくなかで、後半には寄り添ってくれている感じになっていました。
初めて目線があった気がしましたね。
(最初のほうのお叱りは、ここではとても書けない内容のものです・・・)
あとは、自分で組み立てた方針に従い、全力で自社、ベンダー様の協力を仰いで体制構築していきます。
自社のメンバーにも結構迷惑かけました。
僕の信頼できるメンバーを福岡から東京に出張させたり・・・
他部署からも僕の進め方を知っているメンバーをアサインしてもらったり・・・(お叱りを受けたお客様とはいまでも定期的に食事をしている間柄です。)
他にも
・現場に入ったらだれも現場メンバーは全員QAの業務委託を拒否していて、期待値ゼロ
助けてほしいって聞いて入ったら、業務委託なんていらない。って排除する動きになっていた。もはや笑うしかない。
・エンジニアに不具合起票すると舌打ちされる環境だった
・仕様書があるときいたらdesignしかなかった
などなど、たくさんあるのですが、基本は「認識齟齬」と「信頼感」ですべてがクリアになると思っています。
総括(サ行 さしすせそ)
総括として、ご自身で現場に立ち上げメンバーとして入場される場合には以下を意識して作業(サ行)をすることで迷わずに突き進めると思います。
これだけを1か月以内でやり切るのです。1か月の辛抱です。
不安で迷った時のガイドラインとして・・・
自分ひとりで出来ることには限りがあります。ただ、メンバーを簡単に増やしてもらえるものでもありません。
仮に、メンバー急増に繋がったとしても統率が取れずに疲弊して成果が上がらなくなります。
(費用に比例して成果(効果)のハードルはどんどん上がっていきます)
自身で、ミニマムでも成果を最大限だせるスコープに絞り、拡張性を持たせた(誰でも出来るように)状態にして成果をだしていくと後々楽になることでしょう。
さ:作業を切り分け
し:仕組化し
す:すばやく
せ:成果を出し
そ:組閣する
皆様のこれから参画、立ち上げされるプロジェクトが円満・円滑に、そしてその幸せがサービス・プロダクトにのって世の中に広がることを祈って・・・
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