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負荷テストツールLoadRunner学習4:Controllerで実行してみる


はじめに


こんにちは、株式会社SHIFT DevOps推進部2グループの李です。
前回はVuGenで固定変数と変動変数を追加する方法を紹介しましたが、そのままではまだ実行できません。今回はシナリオの設定と実行可能な状態への修正方法についてご紹介します。

下記が今回使用するソフトウェアです。

連載目次

Controllerとは


LoadRunnerのControllerは、負荷テストを計画、実行、監視、および管理するための中心的なコンポーネントです。テストシナリオの設定では、仮想ユーザー(Vuers)が実行するスクリプトや負荷プロファイルを定義し、負荷パターンを設定します。テスト実行中は、シナリオに基づいて仮想ユーザーで負荷をかけます。リアルタイムでCPU使用率、メモリ使用量、ネットワーク使用率などのリソースを監視します。

テスト終了後は、レスポンスタイム、スループット、エラー率などの主要指標を含む実行結果の確認ができます。Controllerは、シナリオウィザードや負荷分散機能を用いて複雑な負荷テストを効率的に管理し、スケジュール設定を行うことで、テストの開始時間や持続時間を細かく調整できます。

Controllerの特徴は以下の通りです:

  1. シナリオ作成と管理:

    • テストシナリオの詳細な設定が可能です。

    • 負荷パターン(ステディステート、ランプアップ、ランプダウンなど)を設定できます。

  2. リアルタイム監視:

    • テスト実行中にシステムパフォーマンスをリアルタイムで監視します。

    • CPU、メモリ、ネットワークなどのリソースを収集し、可視化します。

  3. エラーハンドリング:

    • エラーや異常をリアルタイムで検出し、適切に対応します。

    • エラーログや警告を表示します。

  4. 負荷分散:

    • 複数のロードジェネレーターを使用して負荷を分散できます。

  5. スケジュール設定:

    • テストの開始時間や持続時間、ユーザー数の増減を柔軟に設定できます。

シナリオ作成


スクリプトを作成した後には、次にシナリオの設定を行います。LoadRunnerのControllerを起動し、「Add Script」をクリックして、学習3で作成したスクリプトを選択し、「OK」ボタンをクリックします。

Controllerの画面構成


シナリオを作成した後、以下のような画面が表示されます。以下は画面構成の説明です。

シナリオ設定


テストを実行する前に、持続時間、ユーザー数、および負荷パターンを設定する必要があります。持続時間はシナリオ設定エリアの「Duration」をダブルクリックして、2分間を設定します。ユーザー数に関しては、「Start Vuers」と「Stop Vuers」で適切なユーザー数と負荷パターンを設定します。

シナリオ実行


次に、システムを評価するために、2つの合格条件を設定します。合格条件を設定するには最初にサービスレベル設定の「New」ボタンをクリックし、サービスレベルダイアログの「Average Hits per Second」を選択し、数値を50に設定します。2番目に、「Passed Transactions Ratio」を選択し、数値を90に設定します。

シナリオの実行は、上部の「Scenario」ボタンをクリックし、プルダウンの「Start」をクリックすることで、負荷テストが設定内容に従って実行されます。実行が開始されたら、自動的にリアルタイムな実行状況が表示され、負荷テストの詳細な結果を確認できます。

次回のお知らせ


今回はControllerの実行設定についてご紹介しました。また、シナリオのスクリプト一覧とサービスレベル設定にはさまざまな設定がありますので、興味がある方はぜひ試してみてください。 次回は最終回となります。LoadRunnerのAnalysisで結果確認についてご紹介したいと思います。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回の記事でお会いしましょう!

参考資料:


  1. https://www.microfocus-enterprise.co.jp/adm-blog/2014/06/-5-lr-loadrunner-v12.html


執筆者プロフィール:李 嘉興
社会人になって以来、数年間システムエンジニアとして多数のプロジェクトの開発(要件定義~リリース)を経験したのち、2021年7月にSHIFTに入社。システムエンジニアの仕事と全く違う分野の自動化とCICDを経験しつつ、未来のキャリアのため日々奮闘中。

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