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数字の魔法:ビジネスにおける数字の真価

はじめに

こんにちは。 株式会社SHIFTの能力開発部で検定や教育制度を開発をしている、林 稔明(りんりん)です!

仕事武器庫シリーズ」を第4弾は「数字の魔法:ビジネスにおける数字の真価」です。 仕事武器庫シリーズでは、業界・業種、役割に関わらずどんな職業で仕事するとしても活用できるポータブルスキルとして、様々な考え方や仕事術、知っていて損はない知識などなどを発信していきたいと思います。

執筆者プロフィール:林 稔明(りんりん)
新卒で銀行系SIerでシステム運用を経験後、開発系ベンチャーへ転職、
開発と運用を経験する事により、品質の重要性を認識し、SHIFTへジョイン。デリバリー部門で案件管理者を経験した後、能力開発部で検定や教育制度の開発に携わる。仕事のモットーは、「全力で楽しみ、残業は0」

数字を正しく読めてますか?

突然ですが、以下の宣言文句を読んでみなさんは何を考えますか?

SNS総フォロワー数800万人の有名Youtuberが絶賛!

フォロワー数800万人ってすごいな。
有名Youtuberって誰だろう?他にはどんな人がいるだろう?
などなど...様々な考えが出てくると思います。
では、以下だとどうでしょうか?

SNS総フォロワー数800万人の有名Youtuberが絶賛!
各SNSのフォロワー数は以下の通り
Twitter 100万人
Youtube 100万人
TikTok 100万人
Instagram 100万人
facebook 100万人
・・・

あれ、全部100万人?ってことはもしかして、同じ100万人が複数のSNSでフォローしているだけじゃないか?と思いませんか?
800万人という数字は同じなのに、その内訳が見える化されているだけで印象が全然違いますね。不思議ではありませんか?

もう1つ例を挙げて考えてみましょう。
あなたはA社のセールスマンから商品の営業を受けている場面を想像してみてください。

この商品は弊社の中でも人気No1の商品で、毎年100万個も売れてるんです!
特にこれからの季節、これがあるだけで生活がかなり快適になりますよ!

あなたはこの商品に対してどんな印象を抱くでしょうか?
人気No1ってことはすごいな。毎年100万個ってすごいかも。でしょうか?
それとも、人気No1って言ってもこの会社にこれ以外にヒット商品がないだけなんだろうな。
他社の類似商品はどれぐらい売れてるんだろうか?でしょうか?

以下のようにこの商品を相対的に評価できるようにプロットしてみると、
この商品は対してすごくないのかも...と思うかもしれません。

今回は数字を正しく読み、活用することで相手に良い印象を与えるためのポイントをお伝えしていきます。

■想定読者

  • 表やグラフで数字をよく使うが、あまり意味を考えられていない人

  • 数字を使って成果を発表しているが、なぜかすごいと思ってもらえない人

    数字の読み方、活用の仕方をインプットし、数字に騙されず成果を正しくアピールできるための一助になれば幸いです。

数字は嘘をつかないが、嘘つきは数字を使う

という言葉が有名ですが、ご存じでしょうか?
上で2つの例を提示しましたが、数字は対象をアピールするのに非常に効果的なものです。しかし、それを逆手に取り、実はすごくないのにすごいように見せたりすることができます。

ビジネスでは最終的な評価として営業利益はいくらだ。売上はいくらだ。
などと数字を使います。まずは、数字を正しく読めるようになり、それから数字を正しく使うためのポイントをいくつかご紹介します。

1.対象を分解して考える

上記で挙げた1つ目の例「SNS総フォロワー数」がこれにあたります。
SNSと括られているけど、SNSって何が含まれているんだろうと考えることですね。

分解する時にはロジカルシンキングでよく耳にするMECEを使います。
MECEとはMutually(お互いに)、Exclusive(重複せず)、Collectively(全体に)、Exhaustive(漏れがない)
要するに「漏れなく、ダブりなく」ということです。

例として、日本をMECEに分解すると
「北海道」「東北」「関東」「中部」「近畿」「中国」「四国」「九州(沖縄含む)」のように文化できます。

以下はダメなMECEの例です。
「子ども」「学生」「大人」「お年寄り」
子どもというと何歳までを子どもと定義しているのかわからないので漏れがあるかもしれないし、大人でも学生の方はいらっしゃいますよね。

「漏れなく、ダブりなく」対象を分解することで、対象を相対的に評価することができるようになります。

2.母数を理解し、割合を考える

上記で挙げた2つ目の例「商品の販売個数」がこれにあたります。
A社という母数で考えたときに対象の商品はどれぐらいの割合を占めているのか。類似商品、同一マーケットを母数にしたとき、どれぐらいの割合を占めているのかを考えることですね。

これは対象を抽象化し、より高い視点で見ることが重要です。
商品を評価するなら、分類ではどうか。業界ではどうか。マーケット全体でみるとどうか。このようにいくつかの視点で母数を考え、それに対しての割合を考えることで正確に評価することができるようになります。
※対象を抽象化する方法は仕事武器庫シリーズ第二弾「知らないと損をする「なぜを問いかけるべき」本当の理由」を読んでいただければと思います。

3.引き算と割り算で考える

ここでもう1つ例を挙げて考えたいと思います。

今期は前期に比べて1,000万円も売上が増えました!
今期は前期に比べて50%も営業利益が増えました!

売上が1,000万円増えたということは、今期と前期の引き算で考えていますね。割り算で考えてみるとどうでしょう?前期比で10%の売上増加です。

中小企業で考えると1,000万売上が増えることは割とあるかもしれません。
しかし、売上が10%増えるというのはなかなかすごい数字だと思いませんか?
※内閣府によると2021年の中小企業の成長率は1.6%程度らしいです。

もう一つ50%増えた営業利益も見てみましょう。
これは割り算で考えていますね。
引き算で考えてみるとどうでしょうか?前期比で150万円の増加です。

150万という数字だけではわかりませんが、売上と合わせて考えると、
前期は1億円の売上で300万円の利益を上げていたのが、今期は1000万円の売上で150万の利益を上げたことがわかります。
営業利益率が15%って考えるとすごいですね(固定費などのコストの考慮は省いた場合)
※経済産業省によると2007年のデータですが、製造業で4.0%、小売業で2.1%らしいです。

数字を正しく活用して良い印象を与えよう!

これまでいくつかの例と合わせて数字を正しく使うためのポイントをお伝えしてきました。数字を正しく読むことの重要性と正しく活用したときに与える印象を実感していただいたと思います。

数字は良くも悪くも嘘はつきませんが、数字を使って(ネガティブな)嘘をつくことができます。しかし、その逆もあり、数字を使ってポジティブな嘘(成果を大きく見せる)をつくこともできます。

母数をどの粒度にするか、どこまで詳細を出すか、引き算にするか割り算にするかを正しく選択することで、印象が大きく変わります。
是非一度、どんな数字であれば、相手に良い印象を伝えることができるか考えてみてください。

P.S.
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
ひとりでも多くの方にこの情報をお届けするために、あなたの「スキ」が
力になります。
あらゆる仕事で役に立つポータブルスキルをみなさんにお届けし、
業界・業種に関わらず活躍できる人を増やしていきたいと思っています。
こういう時の考え方を知りたい!などご意見ありましたら「コメント」いただけると幸いです。

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