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アジャイル開発の手法で結婚式の準備をしてみた


はじめに


こんにちは。QAエンジニアの清水と申します。 約1年半前、SHIFTに入社して初めて「アジャイル」という言葉を知り、日々勉強中です。

そんな私が自身の結婚式2ヶ月前に勢いで始めた話を書いてみました。
この思考を身近に感じていただけると幸いです!

きっかけ


ことのはじまりは、毎月の1on1でした。

私:アジャイルを学ぶために何か私生活で工夫をしてみたいんですけど何も思いつかなくて…。

先輩:結婚式の準備を今やっているところなんだっけ?残りの期間でやってみるとかはどう?

私:え、めちゃくちゃいいですね!やってみます!!!

この会話を朝の10時にして、楽しくなった私はその日のお昼休みにカンバン作りに着手し、30分かけて土台を完成させました。勢いがとても大事。

※カンバンってなに?というかたはこちらをご参照ください。 いわゆるTodoリストを「未着手」「着手中」「完了」といったステータスごとに移動させてタスクを管理する方法です。 アジャイル開発のフレームワークの一つである「スクラム」(詳しくはこちら)をもとに今回実施しました。

でもこの時点で結婚式2ヶ月前。
さてここからが戦いでした。

実際の動き


プロダクトバックログの作成

「プロダクトバックログ※」とは、開発が必要な機能や改善が必要なものに優先順位をつけたリストのことを指し、特にアジャイル開発においてToDoリストのような役割を果たしています。

※ "プロダクトバックログとは?項目や書き方・例をわかりやすく解説"より引用)

夫とすり合わせて完成したものはこんな感じでした。

「やるからには夫も巻き込まなきゃ」と思い、リビングの壁に大きな方眼紙を貼っていつでも2人が見えるところに作成。

タスクの洗い出し、つまりはプロダクトバックログの作成は「やりたいこと」をまず出しました。 実現出来る出来ないは二の次でいい、今思い描いている理想を書き出すことがタスクの優先度付けに役に立つと考えていたからです。

(本番2ヶ月前になって精査できてないんかい!というのは無視してくださいね!)

正方形の付箋からまず書き出し、次に小さめの付箋に大きい付箋の完成までの細かな作業を書き出しました。

書ききってみると見えてきます。
残りの準備期間とやりたいことが結構見合っていないことが。

やだ!!炎上しちゃう!!!

このままじゃ間に合わない!もっと準備の時間作らなきゃ!これがプロダクトバックログの作成がひと段落した時の素直な感想でした。

スプリントプランニング

スプリントは通常1〜4週間程度の区切られた期間を指し、スプリントごとに特定の目標を設定して設計・開発・テストなどの工程を繰り返します。スプリントは短期間で成果を出すことに重点が置かれていることが特徴です。("スプリントとは?意味やアジャイル開発との関係、メリットを解説"より引用)

スプリントプランニングでは、プロジェクトの一部分である「スプリント」の具体的な目標を決め、その目標に向けてどの作業を行うかを決定します。("スプリントプランニングとは?実施する目的や手順・役立つツールを解説"より引用)

簡単にまとめると開発のために設けた一定の期間が「スプリント」、その「スプリント」で実施するタスクの量を決めるのがスプリントプランニングというイベントです。1回目のスプリントを「1スプリント目」、2回目を「2スプリント目」と呼びます。

今回は期間が短いことも踏まえ、1スプリントは1週間にしました。

1週間で出来ること、早めに手を付けないと間に合わないこと(=優先度が高いもの)が見えているので今週はこれをするぞ!って2人ですり合わせをしました。

通販で買う必要があるものは時間がかかる、これが一番優先だな!これは式直前でも問題ない!これは式場への提出が〇日までだから優先度は真ん中ぐらいかな! このすり合わせがプロダクトバックログの作成時に出来ているのでプランニングはスムーズにいくにはいきました。

決めたことがしっかり作業出来たかというと、それはまた別問題が起きました。

ふりかえり

ふりかえりとは、スプリントで、”何がうまくいったのか”、”何がうまくいかなかったのか”を会話するイベントです。 ("アジャイル開発におけるレトロスペクティブとは?手法・やり方事例"より)

実際に1スプリント目が終了した時の感想「いやこれ間に合う?

自分たちがいかに準備に時間を割けていないかを実感しました。決めたことが何も完了したことレーンに移動できないのです。

仕事が忙しい!そう!疲れて土日はゆっくりしたい!それもそう! でも結婚式は自分たちが思い描いている内容にしたい!!!それが一番大事!!!!

たった1週間で自分たちが置かれている状態が一気に明確になったのでした。

2スプリント目以降

明確になった以上やるしかない、どんどん優先度が高いものから順に作業に手をつけていきました。 ここからが早かったです。隙間時間も生かしてどんどん付箋が完了したことレーンに動きました。 これだけ出来たという達成感。これはモチベーションにもつながりました。

そして「やりたいこと」を列挙したので当然「どう頑張っても間に合わないもの」が出てきます。

具体的にはカンバンの「コラージュプリント製作」でした。(キタムラのこの商品 です)

これは「プロフィールムービーの作成」の「写真のスキャン」が終わってやっと手が付けられる「やりたいこと」。 2人で討議した結果、「結婚式が終わってからでも叶えられるやりたいこと」という結論にたどり着きました。

そうやってやりたいことの中で「結婚式までには間に合わないけどやりたいこと」という分け方をしていきました。

実際にやってみた感想


うまくいかなかったこと

  • タスクの作業を優先してしまって、イベントの時間が取れず…

式直前はふりかえりやスプリントプランニングといったイベント(話し合いの場)の時間を取れるほどの余裕がなく、すっ飛ばしてタスクの作業時間ばかりになっていました。その時間も惜しいという感覚です。

今回実践したのは2人チームのような体制のため、大きな影響はありませんでした。 ただこれが実際の業務内で毎スプリント続くとなると、メンバーの認識に齟齬が生まれる原因になるやつだ・・・と実践しながら感じました。

イベントがなければコミュニケーションを取らなくなってしまう。それが定着してきた時はきっと「イベントがなくても回るから作業時間増やすためにイベント削ってもよい」といった考えに陥り、そしてどんどん「アジャイル」からかけ離れてしまう・・・。

この感覚を味わえたのは良い経験になったのではないかと思います。

良かったこと

やってみて良かったと感じたことは4点ありました。

  • やることが可視化されてやらなきゃという意識になった

  • お互いのタスクの進捗を把握できる

  • 「やりたいこと」「出来ること」「出来ないこと」のタスク精査が容易に

  • 完了したことレーンにタスクが移動することで達成感が生まれた

まず期限までにこれだけのタスクの完了が必要というのが家に帰ると嫌でも目に入るので、どうにかして時間を作らなきゃという働きが生まれます。

次に各タスクが「可視化」されることでお互いの進捗具合を一目で把握ができ、残りの作業量と期限までの日程を見比べて完成までに必要なタスクの精査がスムーズに行えることに繋がりました。

そのタスクもどんどん完了したことレーンに完了したタスクが並ぶことで、ここまで作り上げたぞ!という達成感に充ち溢れました。

案件の中では2点目、3点目が特に直結してくると考えられます。

進捗の把握は簡単なようで意外とコミュニケーションパスがかかるものです。これが簡潔にかつ細かく共有できる環境があるだけで、次に必要な動きが想像しやすくなります。

またタスクの精査はプロダクトの品質に大きくかかわってきます。やりたいことが全て叶えられたけれど1つひとつの機能が中途半端なものよりも、できる範囲で作り上げたすべての機能が最高品質のもののほうが満足度は高いのではないでしょうか。 考え方ひとつでここまで大きく変わってくるものと改めて感じた点でした。

最後に


結婚式は無事に終わり、ゲストの方々からも「こんな結婚式はじめて」といってもらえました。 ちなみに私たちの希望は「ライブのような結婚式にしたい」「私たちはステージに立つ演者」でした。

なぜこんなことになったのか。
それはアイマスをきっかけに結婚した夫婦だからです。 高槻やよいちゃんが当時観光大使を務めていたからという理由もあって、大阪の高槻市の式場に決定したぐらいのこだわりです。 置いてけぼりになった方はすみません!

そんな背景があって式用のロゴやペンライトを自作してみたり、エスコートカードはファミマチケット風にしてみたりとこだわり盛りたくさんでした。

お互いにこだわり始めたら止まらないので、なかなか完成と呼べるものが出来上がるまで時間を要しましたが、1つずつクリアすることで達成感が生まれ、モチベーションUPに繋がりました。

準備が本格的に始まる前はやりたいことが多すぎて、「やりたいこと」の中で「出来ること」「出来ないこと」の精査が追いついていなかったことをよく覚えています。 その中でもこの手法で理想を叶えられたことを共有したく今回このブログを執筆することにしました。

特に結婚式の準備はゴールや、完成の定義が想像しやすく、個人的には手を付けやすいきっかけでした。

皆さんの生活の中でもそういった「きっかけ」が見つかった時には参考にしていただけると嬉しいです。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました!


執筆者プロフィール:清水 美咲
IT未経験の第二新卒として2023年1月にSHIFTへ入社。 気になったが最後、そこに向かってすぐに走り出します。

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